サウジアラビアは、湾岸地域最大の経済規模を持ち、ビジョン2030の下で多様な産業に投資が進む国です。
雇用の仕組みは、これまで紹介した多くの国と大きく異なります。現地法人を作らずにサウジアラビアの人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。
この記事では、サウジアラビアで人を雇うときの雇用主負担とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:外国人は社会保険が軽く、所得税ゼロが特徴
先に要点を言うと、サウジアラビアではGOSIの扱いがサウジ国民と外国人で大きく異なります。
外国人を雇う場合、雇用主の社会保険負担は職業危険保険の2%のみで、その代わりに勤続給付(end-of-service benefits)の支払い義務があります。
給与に個人所得税が課されないのも大きな特徴です。
サウジアラビアの雇用主負担と注意点
ここからは、サウジアラビアで人を雇うときの負担を、社会保険GOSIの仕組みと、それ以外に押さえておきたい注意点に分けて見ていきます。
国籍によって扱いが大きく変わる点が、この国の最大の特徴です。
社会保険GOSIの仕組み
サウジアラビアの社会保険はGOSI(General Organization for Social Insurance)が運営し、基本給と住宅手当を算定基礎とします。
サウジ国民の場合、総率は約21.5%で、雇用主が約12%(年金9%・失業SANED0.75%・職業危険2%など)、従業員が約9.75%を負担します。
外国人(非サウジ)の場合、従業員負担はなく、雇用主が職業危険保険として2%のみを負担します。
GOSIの算定基礎には上限(月SAR45,000程度)があるとされます。
サウジ国民はGOSI雇用主約12%。外国人は職業危険2%のみ(+勤続給付が別途)。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
所得税ゼロと勤続給付
サウジアラビアは給与に個人所得税を課しません。外国人労働者についても、サウジ国内で得た給与所得に所得税はかかりません。
一方、外国人については社会保険が軽いぶん、UAEと同様に勤続給付(end-of-service benefits)を雇用主が支払う義務があり、勤続年数に応じて計算されます。
健康保険と賃金保護システム(WPS)
外国人とその家族には雇用主負担の民間健康保険の提供が義務づけられています。
あわせて、賃金保護システム(WPS)による給与支払いの記録も求められます。
サウジアラビアの給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(GOSI。自国民/外国人で負担範囲が異なる)など)がかかります。(円換算は概算:1サウジリヤル≒41円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
最低賃金は民間部門のサウジ人国民向けに月SAR4,000(2025年・約16.4万円)が設定されています(自国民雇用制度Nitaqatの算定上)。外国人労働者には一般的な法定最低賃金の定めはなく、契約・職種で決まります。所得税はありません。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は高くなります。ソフトウェアエンジニアの月給はジュニアでSAR8,000〜12,000、ミドルでSAR14,000〜20,000、シニアでSAR22,000〜32,000、リード級でSAR35,000〜55,000超が目安です(Glassdoor/Payscale等)。リヤド・外資で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:人的資源・社会開発省(Nitaqat上の最低賃金、2025年)/employsome等employsome.com。
- 民間データ:Glassdoor/Payscale等のソフトウェアエンジニア給与(2026年)payscale.com。
サウジアラビアで雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約2%(外国人))+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約74.2〜81.9万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月SAR17,000前後(ミドル))を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約69.7万円 |
| 雇用主負担(約2%(外国人)) | 約1.4万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約74.2〜81.9万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORでサウジアラビア人材を雇う
ここからは、サウジアラビアでEORを活用する場合のメリット・費用イメージ・進め方を順に見ていきます。独自ルールが多い国だけに、運用を任せる価値が分かりやすく出ます。
EORを使うメリット
サウジアラビアでEORを使う利点は、EOR事業者に以下を任せられる点です。
- 国籍ごとに異なるGOSIの扱いの判断
- 勤続給付の計算と積立
- 健康保険の手配
- 賃金保護システム(WPS)への対応
- ビザ・労働許可やサウダイゼーション(自国民雇用比率)に関わる手続き
所得税がない一方で独自のルールが多く、現地に精通した体制で運用する価値が高い国です。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(外国人なら職業危険2%+勤続給付の積立+健康保険、サウジ国民ならGOSI約12%)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。
所得税がないぶん給与負担は読みやすい一方、勤続給付や健康保険を見込む必要があります。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・各種負担は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EOR利用の進め方
サウジアラビアでの雇用を検討するなら、サウジアラビアに対応するEORサービスを選びます。対応国の確認は対応国数で選ぶEOR比較、サービス全体の比較はEORサービス比較で確認できます。
現地の小話
サウジで英語圏が必ず解説するのが「Saudization(Nitaqat)」です。一定割合の自国民雇用を企業に義務づける制度で、英語のHR記事では外国人採用の前提条件として大きく扱われます。
また労働週が日曜〜木曜で、金曜・土曜が週末(2013年に木金から変更)という点も英語圏の基礎知識。勤務はイスラムの礼拝時間を中心に組まれ、ラマダン中は労働時間が短縮されます。
よくある質問
サウジアラビアで外国人を雇う場合、社会保険の雇用主負担はどれくらいですか?
外国人(非サウジ)を雇う場合、雇用主が負担するGOSIは職業危険保険の2%のみです。サウジ国民の場合は雇用主負担が約12%かかるため、国籍によって負担額が大きく異なります。また外国人の場合は従業員側の保険料負担もありません。
外国人労働者の給与に所得税はかかりますか?
サウジアラビアでは、外国人を含め個人の給与所得に所得税は課されません。そのため給与コストの見通しは立てやすい一方、社会保険が軽いぶん勤続給付(end-of-service benefits)を雇用主が別途支払う義務があります。
EORを活用する場合、費用はどのように考えればよいですか?
費用は「給与 + 雇用主負担(外国人なら職業危険2% + 勤続給付の積立 + 健康保険) + EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、給与や各種負担は別途かかります。
EORを使うと、サウジアラビア独自のどのような手続きを任せられますか?
EOR事業者には、国籍ごとに異なるGOSIの判断、勤続給付の計算と積立、雇用主負担の民間健康保険の手配、賃金保護システム(WPS)への対応、ビザ・労働許可やサウダイゼーション(自国民雇用比率)に関する手続きなどを委託できます。
まとめ
サウジアラビアは、外国人について社会保険が職業危険2%と軽く、勤続給付を雇用主が支払う仕組みで、給与に所得税が課されない点が特徴です。
サウジ国民にはGOSI(雇用主約12%)が適用されます。独自のルールが多いため、運用を任せるならEORが有効です。次はEORサービス比較へ進んでください。
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GOSIの料率・上限や勤続給付・サウダイゼーションの要件は改定があり、雇用区分により扱いが異なるため、最新の正確な内容は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・各種負担は別です。情報は2026年5月11日時点のものです。
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