南アフリカは、アフリカ大陸で最も発展した経済圏の一つで、英語が通じる人材やアフリカ進出の拠点を求める企業に注目される国です。
現地法人を作らずに南アフリカの人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。この記事では、南アフリカで人を雇うときの雇用主負担とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:雇用主の法定負担は軽め(給与の約2.65%)
先に要点を言うと、南アフリカでは雇用主の法定負担(UIF・SDL・COIDA)が給与の概ね2.65%程度と、欧州各国に比べてかなり軽めです。
一方、所得税はPAYE方式で雇用主が源泉徴収します。これに給与とEORの手数料が加わります。
南アフリカの雇用主負担(UIF・SDL・COIDA)
南アフリカの主な雇用主負担は、次の3つです。
- 失業保険基金(UIF)
- 技能開発税(SDL)
- 労災補償(COIDA)
ここからは、それぞれの料率と仕組みを順に見ていき、最後に納付・申告の実務上の注意点を整理します。
失業保険基金(UIF)
失業保険基金UIF(Unemployment Insurance Fund)は、雇用主1%・従業員1%(合計2%)で、所得に上限が設けられています。
技能開発税(SDL)
技能開発税SDL(Skills Development Levy)は、年間給与がR500,000を超える雇用主が総給与の1%を負担します(従業員負担なし)。
労災補償(COIDA)
労災補償COIDA(Compensation for Occupational Injuries and Diseases Act)は、業種のリスク区分に応じて概ね0.22〜1.5%程度を雇用主が負担します。
これらを合わせると、雇用主の法定負担は給与の約2.65%程度です。
雇用主負担はUIF1%・SDL1%・COIDA約0.5%で合計約2.65%。COIDAは業種で変動。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
注意:負担は軽いが所得税(PAYE)の源泉徴収が中心業務
南アフリカの雇用主の法定社会保険負担は軽い一方、雇用主は従業員の所得税をPAYE(Pay As You Earn)方式で源泉徴収し、UIF・SDLとともに毎月SARS(南アフリカ歳入庁)に納付する義務があります。
SDLは年間給与R500,000以下の小規模雇用主は免除されるなど、規模による違いもあります。また、COIDAは全雇用主に登録義務があり、業種分類により料率が決まります。
負担は軽くても、登録・申告の手続きは正確に行う必要があります。
南アフリカの給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(UIF失業保険・労災COIDA・技能開発税SDL)など)がかかります。(円換算は概算:1ランド≒8.5円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
全国最低賃金は時給R28.79(2025年)、2026年3月〜時給R30.23(週40時間で月約R5,000・約4.3万円)です(労働省)。フルタイムの実勢賃金はこれを上回り、業種・地域で差があります。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は最低賃金を大きく上回ります。ソフトウェア開発者の年収平均は約R357,624(月約R29,800・約25万円)で、レンジは年R137,000〜R705,000が目安です(Payscale/iFundi等)。経験・ヨハネスブルグ/ケープタウン・外資で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:労働省 全国最低賃金(2025〜2026年)/Labour Guidelabourguide.co.za。
- 民間データ:Payscale/iFundi等のソフトウェア開発者給与(2025〜2026年)ifundi.co.za。
南アフリカで雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約2.65%)+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約29.1〜36.9万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月R29,800前後(年R357,624))を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約25.3万円 |
| 雇用主負担(約2.65%) | 約0.7万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約29.1〜36.9万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORで南アフリカ人材を雇う
ここからは、南アフリカでEORを使う場合のメリット、費用のイメージ、そして実際にサービスを選ぶ進め方を順に整理します。
EORを使うメリット
南アフリカでEORを使う利点は、次の業務をEOR事業者に任せられる点です。
- UIF・SDL・COIDAの計算と納付
- PAYEによる所得税の源泉徴収
- SARSへの月次申告(EMP201など)
法定負担は軽めでも、複数の登録・申告が必要で、労働法(労働関係法など)の要件もあるため、現地法人を持たずに正確に運用したい場合、EORの代行価値があります。
アフリカ進出の足がかりとして少人数から始める使い方とも相性が良い国です。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(UIF・SDL・COIDAで約2.65%)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。
社会保険負担が軽いぶん、総額に占める手数料の比重は相対的に大きくなりやすい国です。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・各種負担は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EORサービスの選び方
南アフリカでの雇用を検討するなら、南アフリカに対応するEORサービスを選びます。
- 対応国の確認は対応国数で選ぶEOR比較
- サービス全体の比較はEORサービス比較
現地の小話
南アフリカで英語圏が必ず触れるのが「BEE(Broad-Based Black Economic Empowerment)」です。歴史的格差の是正を目的に、企業の雇用・所有構造を評価する制度で、英語のビジネス記事では取引や採用の前提として頻出します。また公用語が11あることでも有名で、職場では英語が共通語ながら、多言語環境への配慮が運営の前提になることが英語圏で知られています。
よくある質問
南アフリカで人を雇う場合、雇用主の法定負担はどのくらいですか?
UIF(失業保険基金)・SDL(技能開発税)・COIDA(労災補償)を合わせた雇用主の法定負担は、給与の約2.65%程度です。欧州各国と比べてかなり軽めですが、所得税をPAYE方式で源泉徴収してSARS(南アフリカ歳入庁)に毎月納付する業務が雇用主の中心的な義務となります。
SDLは必ずすべての雇用主に課されますか?
SDLは年間給与総額がR500,000を超える雇用主が対象で、総給与の1%を負担します。年間給与がR500,000以下の小規模雇用主は免除されます。なお、SDLは従業員負担はなく、雇用主のみが負担します。
南アフリカでEORを利用する場合の費用はどう考えればよいですか?
費用は「給与+雇用主負担(UIF・SDL・COIDAで約2.65%)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場であり、これは手数料のみで給与や各種負担は別途かかります。社会保険負担が軽い分、総額に占める手数料の比重が相対的に大きくなりやすい点に注意が必要です。
現地法人がなくても南アフリカの人材を雇えますか?
EOR(雇用主代行)を活用することで、現地法人を設立せずに南アフリカの人材を雇うことができます。EORを利用すると、UIF・SDL・COIDAの計算・納付やPAYEによる所得税の源泉徴収、SARSへの月次申告といった手続きをEOR事業者に任せられます。アフリカ進出の足がかりとして少人数から始める使い方とも相性が良い国です。
まとめ
南アフリカでは雇用主の法定負担(UIF・SDL・COIDA)が給与の約2.65%と軽めですが、PAYEによる所得税の源泉徴収や複数の申告が雇用主の中心業務です。手続きを任せるならEORが有効です。次はEORサービス比較へ進んでください。
本記事は、SARS(南アフリカ歳入庁)・現地専門事業者が公開する情報をもとに、当サイトの編集ポリシーに沿って作成しています。UIF・SDL・COIDAの料率・上限や免除基準は改定があるため、最新の正確な数値は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・各種負担は別です。情報は2026年6月11日時点のものです。
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