スペインは、南欧の主要市場であり、近年はテック・スタートアップやニアショア開発の拠点としても注目される国です。
現地法人を作らずにスペインの人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。この記事では、スペインで人を雇うときの社会保険とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:雇用主の社会保険負担は給与の約3割
先に要点を言うと、スペインでは雇用主の社会保険負担が総給与の約30〜31%にのぼります。
従業員負担は約6.48%です。雇用主が負担の大半を担う構造で、これに給与とEORの手数料が加わります。
スペインの社会保険(雇用主負担)
スペインの社会保険は社会保障財務局(TGSS)が運営し、医療・年金・失業・障害・訓練などをカバーします。
雇用主負担は総給与の約30〜31%で、複数の拠出項目の積み上げで構成されます。ここからは、その内訳と算定上の注意点を順に見ていきます。
雇用主負担の内訳
雇用主負担の中心は共通拠出(医療・年金)の23.60%です。
失業保険は契約形態によって料率が異なります。
- 無期契約: 5.50%
- 有期契約: 6.70%
これに職業訓練(0.60%)や賃金保証基金FOGASA(0.20%)などが加わります。
雇用主負担は合計でおおむね30%前後。失業は契約形態で5.50〜6.70%。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
従業員負担
従業員負担は約6.48%です。雇用主が負担の大半を担う構造になっています。
注意:拠出ベースに上限、契約形態で料率が変わる
社会保険は拠出ベース(算定基礎)に上限があり、2026年の最大月額拠出ベースは約5,101.20ユーロ(2025年は4,909.50ユーロ)とされます。
これを超える高給与でも、上限までしか保険料がかからないため、雇用主負担は青天井ではありません。
また、無期契約と有期契約で失業保険料率が異なるなど、契約形態で負担が変わる点に注意が必要です。料率・上限は毎年改定されます。
スペインの給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(雇用主負担分の社会保障拠出 Seguridad Social)など)がかかります。(円換算は概算:1ユーロ≒165円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
法定最低賃金(SMI)は月€1,184(2025年・年14回払で年€16,576/約19.5万円)です(政府)。統計局(INE)の年次賃金調査では、平均月給(額面)は約€2,450が目安です。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は平均より高くなります。経験者のソフトウェア開発者で年€40,000超(マドリード・バルセロナ)で、おおむね年€30,000〜55,000(月約€2,500〜4,580)が目安です(各給与調査)。経験・外資で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:SMI(2025年)政府/La Moncloalamoncloa.gob.es・統計局(INE)。
- 民間データ:各給与調査(2025〜2026年)。BSBI/wage.is等wage.is。
スペインで雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約30〜31%)+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約78.2〜86.5万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月€3,500前後)を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約57.8万円 |
| 雇用主負担(約30〜31%) | 約17.3〜17.9万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約78.2〜86.5万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORでスペイン人材を雇う
ここからは、スペインでEORを活用する場合のメリット・費用イメージ・進め方を順に整理します。
EORを使うメリット
スペインでEORを使う利点は、約3割にのぼる雇用主負担の計算や、契約形態ごとに異なる料率の適用、TGSSへの登録・月次納付を、EOR事業者に任せられる点です。
負担が重く手続きも煩雑なため、現地法人を持たずに正確に運用したい場合、EORの代行価値が高くなります。ニアショア開発などで少人数から始める使い方とも相性が良い国です。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(社会保険 約30〜31%)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。雇用主負担が大きいため、総額は額面給与を相応に上回ります。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・社会保険は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EOR利用の進め方
スペインでの雇用を検討するなら、スペインに対応するEORサービスを選びます。
- 対応国の確認は対応国数で選ぶEOR比較
- サービス全体の比較はEORサービス比較
現地の小話
スペインで英語圏がよく紹介するのが昼の長い休憩「siesta」文化と、それに伴う分割勤務「jornada partida」です。昼に数時間空けて夕方まで働くスタイルで、勤務終了が夜になることも。近年は通し勤務への移行も進みますが、英語のビジネス記事では今もスペイン理解の定番ネタ。給与は年14回払い(夏とクリスマスに追加)が一般的で、月給を14分割する考え方が求人で前提になります。
よくある質問
スペインでの雇用主の社会保険負担はどのくらいですか?
雇用主の社会保険負担は総給与の約30〜31%にのぼります。中心は共通拠出(医療・年金)の23.60%で、これに失業保険や職業訓練(0.60%)、賃金保証基金FOGASA(0.20%)などが積み上がります。失業保険の料率は無期契約(5.50%)と有期契約(6.70%)で異なる点に注意が必要です。
社会保険の拠出ベースに上限はありますか?
はい、拠出ベース(算定基礎)には上限があります。2025年の最大月額拠出ベースは約4,909.50ユーロとされており、これを超える給与でも上限までしか保険料がかかりません。なお、料率・上限は毎年改定されます。
EORを使った場合の費用はどのように考えればよいですか?
費用は「給与+雇用主負担の社会保険(約30〜31%)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料のみであり給与・社会保険は別途かかります。雇用主負担が大きいため、総額は額面給与を相応に上回ります。
スペインの給与支払いで知っておくべき慣行はありますか?
スペインでは給与が年14回払いが一般的で、夏とクリスマスに追加の1か月分が支払われます。現地の求人では月給を14分割する考え方が前提になっているため、給与条件を確認・提示する際には注意が必要です。
まとめ
スペインでは雇用主の社会保険負担が総給与の約30〜31%で、共通拠出23.60%が中心です。
拠出ベースに上限があり、契約形態で料率が変わります。手続きを任せるならEORが有効です。次はEORサービス比較へ進んでください。
本記事は、現地専門事業者・税務専門情報が公開する情報をもとに、当サイトの編集ポリシーに沿って作成しています。社会保険の料率・上限は毎年改定されるため、最新の正確な数値は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・社会保険は別です。情報は2026年6月4日時点のものです。
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