アイルランドは、法人税率の低さと英語環境から、欧州統括拠点やテック企業の進出先として人気の国です。
現地法人を作らずにアイルランドの人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。この記事では、アイルランドで人を雇うときの社会保険(PRSI)とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:雇用主のPRSI負担は比較的軽め
先に要点を言うと、アイルランドでは雇用主が社会保険PRSI(Pay Related Social Insurance)を負担し、その料率は2025年10月以降、標準のClass Aで11.25%(週€527超)です。
欧州大陸の国々(社会保険負担が3〜4割の国)と比べると、雇用主負担は軽めです。これに給与とEORの手数料が加わります。
アイルランドの社会保険(PRSI)
ここからは、アイルランドで人を雇うときに発生する社会保険PRSIの仕組みを、料率の中身と今後の変更点に分けて見ていきます。
PRSIは雇用主と従業員の双方が負担する制度で、所得の水準や年度によって適用される料率が変わります。
雇用主・従業員のPRSI料率
アイルランドの社会保険PRSIは、雇用主と従業員が負担します。多くの民間従業員が該当するClass Aの場合、2025年10月以降の料率は次のとおりです。
- 雇用主は週€527超の所得で11.25%、週€527以下では9%を負担
- 従業員のPRSIは4.2%
- 週€352以下の所得の従業員はPRSI負担が免除(その場合も雇用主側は負担)
2026年1月からは、より低い9%の料率が適用される週給の上限が€552に引き上げられています。
雇用主PRSIは週€527超で11.25%、以下は9%(目安)。従業員4.2%、週€352以下は免除。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
注意:料率は段階的に引き上げ中、年金制度も導入予定
アイルランドのPRSIは、年金財源の持続性を高めるため段階的に引き上げられています。
- 2025年10月に全クラスで0.1%引き上げ
- 2026年・2027年・2028年にもさらなる引き上げが予定
また、これまで任意だった私的年金について、雇用主拠出が義務となる年金オートエンロール制度が2026年1月に開始予定とされ、将来的な雇用主負担の増加要因になります。
法人税率は12.5%と低く、これがアイルランド進出の魅力の一つです。
アイルランドの給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(雇用主PRSI)など)がかかります。(円換算は概算:1ユーロ≒165円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
法定最低賃金は時給€13.50(2025年・20歳以上)、2026年1月〜€14.15(フルタイム月約€2,450)です(政府)。フルタイムの実勢賃金はこれを上回ります(統計局CSOが平均・中央値を公表)。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は高くなります。ソフトウェア開発者の年収平均は約€46,000〜52,000(Payscale/Glassdoor)で、おおむね年€40,000〜70,000(月約€3,330〜5,830)が目安です。ダブリンの外資系(大手テックの欧州拠点)で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:アイルランド最低賃金(2025〜2026年)/Playrollplayroll.com・統計局(CSO)。
- 民間データ:Payscale/Glassdoor等のソフトウェア開発者給与(2026年)payscale.com。
アイルランドで雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約11%)+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約78.4〜86.1万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月€4,100前後)を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約67.7万円 |
| 雇用主負担(約11%) | 約7.6万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約78.4〜86.1万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORでアイルランド人材を雇う
続いて、アイルランドの人材をEORで雇う場合のメリット・費用イメージ・進め方を順に整理します。
料率や制度の変更が続いている国だからこそ、代行のしくみがどこで効いてくるのかを押さえておくと判断しやすくなります。
EORを使うメリット
アイルランドでEORを使う利点は、以下の業務をEOR事業者に任せられる点です。
- 段階的に変わるPRSIの計算と納付
- 所得しきい値に応じた料率の適用
- 今後始まる年金オートエンロールへの対応
料率や制度の変更が続いているため、現地法人を持たずに最新の制度に沿って運用したい場合、EORの代行価値が高くなります。
欧州拠点を低い法人税率の国に置きつつ人材を確保したい企業と相性が良い国です。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(PRSI 11.25%相当)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。
雇用主負担は欧州大陸より軽めですが、年金オートエンロール開始後は上乗せが増える見込みです。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・社会保険は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EOR利用の進め方
アイルランドでの雇用を検討するなら、アイルランドに対応するEORサービスを選びます。
- 対応国の確認は対応国数で選ぶEOR比較
- サービス全体の比較はEORサービス比較
現地の小話
アイルランドで英語圏が必ず触れるのが「bank holiday(バンクホリデー)」の存在です。2023年には聖ブリジットの日が新たな祝日に加わり、英語メディアで大きく報じられました。
給与は年俸を「per annum」で示すのが定番。また低い法人税率を背景に多くの多国籍テック企業が欧州本社を置き、英語圏では「ダブリン=欧州のテックハブ」として語られるのが常識になっています。
よくある質問
アイルランドで雇用主が負担するPRSIの料率はどのくらいですか?
2025年10月以降、多くの民間従業員が該当するClass Aでは、週€527超の所得に対して11.25%です。週€527以下の場合は9%となります。欧州大陸の国々と比べると雇用主負担は軽めですが、料率は段階的に引き上げられており、2026年・2027年・2028年にもさらなる引き上げが予定されています。
年金オートエンロール制度とは何ですか?雇用主の負担に影響しますか?
これまで任意だった私的年金について、雇用主拠出が義務となる制度で、2026年1月に開始予定とされています。開始後は現在の給与・PRSIに加えて年金拠出分の上乗せが増える見込みであり、将来的な雇用主負担の増加要因となります。
アイルランドでEORを使う場合、費用はどう考えればよいですか?
費用は「給与+雇用主負担のPRSI(11.25%相当)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、手数料であり給与・社会保険は別途かかります。年金オートエンロール開始後はさらに上乗せが増える見込みです。
現地法人を持たずにアイルランドの人材を雇いたい場合、EORを使うとどんな点が助かりますか?
段階的に変わるPRSIの計算・納付、所得しきい値に応じた料率の適用、今後始まる年金オートエンロールへの対応などをEOR事業者に任せられます。料率や制度の変更が続いているため、最新の制度に沿って運用したい場合にEORの代行価値が高くなります。
まとめ
アイルランドでは雇用主のPRSIが標準で11.25%(週€527超)と欧州大陸より軽めですが、料率は段階的に引き上げ中で、2026年1月に年金オートエンロールも始まる予定です。
最新制度に沿って運用するならEORが有効です。次はEORサービス比較へ進んでください。
本記事は、アイルランド政府情報(citizensinformation)・現地専門事業者・税務専門情報が公開する情報をもとに、当サイトの編集ポリシーに沿って作成しています。
PRSIの料率・しきい値や年金制度は改定・導入予定があるため、最新の正確な内容は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・社会保険は別です。情報は2026年4月8日時点のものです。
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