ポルトガルは、生活コストの相対的な低さと温暖な気候、IT人材の伸びから、ニアショア開発やリモート人材の拠点として欧州で注目される国です。
現地法人を作らずにポルトガルの人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。この記事では、ポルトガルで人を雇うときの社会保険とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:社会保険は総率34.75%、雇用主が23.75%
先に要点を言うと、ポルトガルの社会保険(Segurança Social)の総率は34.75%で、うち雇用主が23.75%、従業員が11%を負担します。
雇用主が負担の大半を担う構造で、これに給与とEORの手数料が加わります。
ポルトガルの社会保険と人件費
ここからは、ポルトガルで人を雇うときに法定で発生する社会保険と、それ以外に総額を押し上げる給与慣行を順に見ていきます。以下の観点で整理します。
社会保険の仕組みと料率
ポルトガルの社会保険は、社会保障機構(Instituto da Segurança Social)が運営し、年金・失業・疾病・出産などをカバーします。
標準的な総率は34.75%で、雇用主負担が23.75%、従業員負担が11%です。
雇用主は従業員負担分を給与から源泉徴収し、自社負担分と合わせて納付します。
- 雇用主負担分:給与に上乗せされる法定費用
- 従業員負担分:給与から差し引かれる法定費用
社会保険の総率34.75%=雇用主23.75%+従業員11%。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
注意:13・14か月目給与などの慣行
ポルトガルでは、南欧の多くの国と同様に、夏季手当とクリスマス手当として年に2回の追加給与(いわゆる13・14か月目給与)を支払う慣行・制度があります。
13・14か月目給与は社会保険とは別に人件費を押し上げる要素のため、総額を見積もる際は織り込む必要があります。
社会保険の料率や追加給与の扱いは制度・労働協約で変わりうるため、現地制度に沿った確認が必要です。
ポルトガルの給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(雇用主負担の社会保障拠出 Segurança Social)など)がかかります。(円換算は概算:1ユーロ≒165円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
法定最低賃金は月€870(2025年・年14回払/約14.4万円)です(政府)。フルタイムの平均月給は概ね€1,200前後が目安で、年々上昇しています。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は平均より高くなります。ソフトウェア開発者の月給は平均 約€2,000で、おおむね年€25,000〜45,000(月約€2,080〜3,750)が目安です(各給与調査)。リスボン・ポルトの外資系で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:ポルトガル最低賃金(2025年)/idealista・Statistaidealista.pt。
- 民間データ:各給与調査(2025〜2026年)。relocate.me/whatisthesalary等whatisthesalary.com。
ポルトガルで雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約24%)+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約43.9〜51.7万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月€2,000前後)を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約33.0万円 |
| 雇用主負担(約24%) | 約7.8万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約43.9〜51.7万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORでポルトガル人材を雇う
続いて、現地法人を持たずにポルトガルの人材を雇う手段としてのEORについて、メリット・費用・進め方の順で見ていきます。
EORを使うメリット
ポルトガルでEORを使う利点は、EOR事業者に以下を任せられる点です。
- 雇用主負担23.75%の社会保険の計算と納付
- 従業員分の源泉徴収
- 追加給与を含む給与計算
ニアショア開発やリモート人材の採用先として人気が高まる一方、現地の手続きは煩雑なため、現地法人を持たずに正確に運用したい場合、EORの代行価値が高くなります。
少人数から始めて拠点を育てる使い方とも相性が良い国です。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(社会保険23.75%)+追加給与+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。
西欧主要国よりは人件費が抑えられますが、社会保険の上乗せと追加給与は無視できません。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・社会保険は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EOR利用の進め方
ポルトガルでの雇用を検討するなら、ポルトガルに対応するEORサービスを選びます。
- 対応国の確認:対応国数で選ぶEOR比較
- サービス全体の比較:EORサービス比較
現地の小話
ポルトガルで英語圏が必ず紹介するのが年14回払いの給与です。夏(subsídio de férias)とクリスマス(subsídio de Natal)に1か月分ずつ追加され、英語のHRガイドでは “14 salaries” として明記されます。近年はリモートワーカー向けビザ(digital nomad visa)で世界的に注目され、英語圏のノマド系メディアがこぞって取り上げる人気移住先になっています。
よくある質問
ポルトガルの社会保険料率はどのくらいで、雇用主はいくら負担しますか?
ポルトガルの社会保険(Segurança Social)の総率は34.75%で、うち雇用主が23.75%、従業員が11%を負担します。雇用主は従業員負担分を給与から源泉徴収し、自社負担分と合わせて納付する仕組みです。
13・14か月目給与とは何ですか?費用の見積もりにどう影響しますか?
ポルトガルでは、夏季手当(subsídio de férias)とクリスマス手当(subsídio de Natal)として年に2回、追加で1か月分ずつ給与を支払う慣行・制度があります。これは社会保険とは別に人件費を押し上げる要素であるため、総額を見積もる際は社会保険の上乗せと合わせて織り込む必要があります。
EORを使ってポルトガルの人材を雇う場合、費用はどう考えればよいですか?
費用は「給与+雇用主負担の社会保険(23.75%)+追加給与+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、この手数料は給与・社会保険とは別にかかります。
現地法人なしでポルトガルの人材を雇うにあたり、EORを使う利点は何ですか?
EOR事業者に、雇用主負担23.75%の社会保険の計算と納付、従業員分の源泉徴収、追加給与を含む給与計算を任せられます。現地の手続きは煩雑なため、現地法人を持たずに正確に運用したい場合にEORの代行価値が高くなります。少人数から始めて拠点を育てる使い方とも相性が良いとされています。
まとめ
ポルトガルでは社会保険の総率が34.75%で、うち雇用主が23.75%を負担します。13・14か月目給与の慣行もあり、総額に織り込む必要があります。手続きを任せるならEORが有効です。次はEORサービス比較へ進んでください。
本記事は、社会保障機構(Instituto da Segurança Social)に基づく統計・公開情報をもとに、当サイトの編集ポリシーに沿って作成しています。社会保険の料率や追加給与の扱いは改定・労働協約で変わるため、最新の正確な内容は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・社会保険は別です。情報は2026年6月3日時点のものです。
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