メキシコは、北米市場(USMCA)への生産・輸出拠点として、日本企業の製造業を中心に進出が進む国です。
現地法人を作らずにメキシコの人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。この記事では、メキシコで人を雇うときの雇用主負担とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:IMSS・INFONAVIT・州給与税で雇用主負担は重め
先に要点を言うと、メキシコでは社会保障IMSSに加え、住宅基金INFONAVITと州の給与税(ISN)が雇用主にかかり、雇用主負担は給与の約20〜35%程度にのぼります。
リスク区分や州により変わるため、現地法人なしで雇うならEORが有効です。
メキシコの雇用主負担(IMSS・INFONAVIT・州給与税)
メキシコの主な雇用主負担は、以下の3つに大きく分けられます。
- 社会保障IMSS
- 住宅基金INFONAVIT
- 州給与税(ISN)
ここからは、それぞれの中身と料率を順に見ていきます。
社会保障IMSS
社会保障IMSSは、医療・出産・障害・年金・労災などをカバーし、雇用主負担が中心です。
リスク区分により幅があり、雇用主負担は給与の約20〜35%超とされます。
住宅基金INFONAVIT
住宅基金INFONAVITは、雇用主が給与の5%を住宅ローン支援のために拠出します(従業員負担なし)。
州給与税(ISN)
州ごとの給与税(ISN)が雇用主に課され、料率は概ね2〜5%です。
IMSS・INFONAVIT5%・州給与税ISN(2〜5%)。料率は賃金帯・州・リスク区分で変動し概算。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
注意:雇用主が大半を負担、リスク区分で変動
メキシコでは、社会保障の費用の大半を雇用主が負担し、従業員の負担は相対的に小さいのが特徴です。
労災に関わる職業リスク保険は、職種のリスク区分により料率が変わり、高リスクの職種ほど雇用主負担が大きくなります。
また、退職・老齢に関する雇用主拠出は2023年から2030年にかけて段階的に引き上げられているため、最新の率の確認が必要です。
メキシコの給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(IMSS)・住宅基金(INFONAVIT)・退職基金(SAR)など)がかかります。(円換算は概算:1メキシコペソ≒8.3円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
一般最低賃金は日MXN278.80(2025年)、2026年1月〜日MXN315.04(月約MX$8,364・約6.9万円)です(全国最低賃金委員会CONASAMI)。北部国境地帯は別枠でより高く設定されます。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は最低賃金を大きく上回ります。ソフトウェア開発者やDevOps・セキュリティ等で月MXN35,000〜60,000(約US$2,050〜3,500)が目安です(Glassdoor/ERI等)。経験・外資・リモート案件で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:全国最低賃金委員会(CONASAMI)2025〜2026年/Playrollplayroll.com。
- 民間データ:Glassdoor/ERI SalaryExpert等のソフトウェア開発者給与(2025〜2026年)salaryexpert.com。
メキシコで雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約20〜35%)+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約47.9〜61.3万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月MXN45,000前後)を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約37.4万円 |
| 雇用主負担(約20〜35%) | 約7.5〜13.1万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約47.9〜61.3万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORでメキシコ人材を雇う
ここからは、メキシコでEORを使う具体的なメリット・費用イメージ・進め方を順に整理します。
EORを使うメリット
メキシコでEORを使う利点は、以下を EOR事業者に任せられる点です。
- IMSS・INFONAVITの計算と納付
- リスク区分の判定
- 州ごとの給与税への対応
雇用主が両者の拠出を立て替えて納める仕組みで手続きも煩雑なため、現地法人を持たずに正確に運用したい場合、EORの代行価値が高くなります。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(IMSS+INFONAVIT5%+州給与税、合わせて給与の2〜3割超)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。
雇用主負担が大きいため、総額は額面給与を相応に上回ります。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・社会保険は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EOR利用の進め方
メキシコでの雇用を検討するなら、メキシコに対応するEORサービスを選びます。
対応国の確認は対応国数で選ぶEOR比較、サービス全体の比較はEORサービス比較で確認できます。
現地の小話
メキシコで英語圏が必ず触れるのが「aguinaldo」です。12月20日までに最低15日分の給与を支払う、法律で義務づけられたクリスマスボーナスです。英語のHRガイドでは “mandatory Christmas bonus” として大きく扱われます。
また2021年の法改正で人材派遣(outsourcing)が厳しく制限された経緯も英語メディアで広く報じられ、雇用形態の選択に影響する重要トピックとされています。
よくある質問
メキシコで人を雇う場合、雇用主の社会保険等の負担はどのくらいですか?
社会保障IMSS・住宅基金INFONAVIT(給与の5%)・州給与税(ISN、概ね2〜5%)が雇用主にかかり、合計で給与の約20〜35%程度にのぼります。職種のリスク区分や州によって変動するため、実際の負担はこの幅の中で変わります。
EORを使ってメキシコ人材を採用する際の費用はどう見積もればよいですか?
給与に加え、IMSS・INFONAVIT・州給与税などの雇用主負担(給与の2〜3割超)と、EORのプラットフォーム手数料の合計で考えます。EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、給与・社会保険とは別にかかります。
退職・老齢に関する雇用主の拠出率は今後変わりますか?
退職・老齢に関する雇用主拠出は2023年から2030年にかけて段階的に引き上げられています。そのため、最新の料率は現地専門家や各提供元で確認することが必要です。
メキシコ独自の法的注意点として押さえておくべきことはありますか?
12月20日までに最低15日分の給与を支払う法律上義務づけられたクリスマスボーナス(aguinaldo)があります。また、2021年の法改正で人材派遣(outsourcing)が厳しく制限されており、雇用形態の選択に影響する重要な経緯として知られています。
まとめ
メキシコではIMSS・INFONAVIT(住宅基金5%)・州給与税(2〜5%)が雇用主にかかり、負担は給与の約20〜35%程度と重めです。
雇用主が大半を負担し手続きも煩雑なため、EORの代行価値が高い国です。次はEORサービス比較へ進んでください。
本記事は、現地専門事業者が公開する情報をもとに、当サイトの編集ポリシーに沿って作成しています。IMSS・INFONAVIT・州給与税の料率やリスク区分は改定・変動があるため、最新の正確な数値は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・社会保険は別です。情報は2026年4月27日時点のものです。
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