台湾は、半導体をはじめとする技術人材が豊富で、日本企業との結びつきも強い地域です。
現地法人を作らずに台湾の人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。この記事では、台湾で人を雇うときの社会保険とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:健康保険と労働者保険が中心、雇用主分が大きい
台湾の社会保険は全民健康保険と労働者保険が中心で、保険料は労使と政府で分担しますが、雇用主の負担割合が大きく設定されています。
これに給与とEORの手数料が加わります。現地法人なしで雇うなら、これらの手続きを代行できるEORが有効です。
台湾の社会保険と税の仕組み
台湾で人を雇うときに押さえておきたいのが、社会保険の中身と、日本と異なる税・保険の前提です。ここからは、主な社会保険の種別と、日本との違いを順に見ていきます。
全民健康保険と労働者保険
台湾の主な社会保険は、全民健康保険と労働者保険(労工保険)です。
保険料率は、全民健康保険が5.17%、労働者保険(普通事故保険)が11.5%とされます。
労働者保険・全民健康保険は政府・労使で分担。雇用主の負担割合の概算。労退6%が別途。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
労使・政府の三者で分担する保険料
これらの保険料は、雇用主・従業員・政府の三者で分担します。
従業員の負担割合は健康保険で約30%、労働者保険で約20%にとどまり、残りの大きな部分を雇用主と政府が負担します。つまり雇用主の負担割合が大きいのが特徴です。
注意:日本と異なる税・保険の仕組み
台湾の制度には、日本と異なる点がいくつかあります。
- 台湾には日本のような住民税(地方税)がなく、国税にあたる所得税のみです。
- 日本にある介護保険制度はありません。
- 消費税の代わりに営業税が課されます。
税・保険の前提が異なるため、日本の感覚のまま費用を見積もると誤差が出ます。現地制度に沿った確認が必要です。
台湾の給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(労工保険・健康保険・労退提繰)など)がかかります。(円換算は概算:1台湾ドル≒4.9円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
最低賃金は全国一律で月NT$28,590(2025年)、2026年1月〜月NT$29,500(時給NT$196)に引き上げられます(労働部)。フルタイムの実勢賃金はこれを上回ります。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は最低賃金を大きく上回ります。ソフトウェアエンジニアの月給は平均 約NT$73,125(Payscale)、年収では約NT$90万〜200万(月約NT$6万〜12万)と調査により幅があります(ERI等)。経験・外資で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:労働部 最低賃金(2025〜2026年)/Taiwan Newstaiwannews.com.tw。
- 民間データ:Payscale/ERI SalaryExpert等のソフトウェアエンジニア給与(2025〜2026年)payscale.com。
台湾で雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約15〜18%(健保・労保・労退の概算))+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約44.3〜53.1万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月NT$73,125前後)を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約35.8万円 |
| 雇用主負担(約15〜18%(健保・労保・労退の概算)) | 約5.4〜6.4万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約44.3〜53.1万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORで台湾人材を雇う
ここからは、台湾でEORを使うときのメリット・費用イメージ・始め方を順に整理します。
EORを使うメリット
台湾でEORを使う利点は、全民健康保険・労働者保険への加入と、労使・政府で分担する保険料の正確な計算・納付といった実務を、EOR事業者に任せられる点です。
日本と仕組みが異なる部分が多いため、現地法人を持たずに正確に運用したい場合、EORの代行価値が高くなります。技術人材を少人数から雇い、拠点を育てる使い方とも相性が良い地域です。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(健康保険・労働者保険の雇用主分)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・社会保険は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EOR利用の進め方
台湾での雇用を検討するなら、台湾に対応するEORサービスを選びます。対応国の確認は対応国数で選ぶEOR比較、サービス全体の比較はEORサービス比較で確認できます。
現地の小話
台湾の給与で英語圏が必ず触れるのが旧正月前の「year-end bonus(年終奨金)」です。月給の1〜2か月分が一般的で、求人票でも重視される項目。さらに台湾には「労工保険」とは別に企業年金の「労工退休金(労退)」があり、雇用主が毎月給与の6%以上を個人口座に積み立てます。英語のHRガイドでは “6% pension contribution” として明記され、台湾雇用コストの隠れた要素として説明されます。
よくある質問
台湾の社会保険の保険料率はどのくらいですか?
全民健康保険が5.17%、労働者保険(普通事故保険)が11.5%です。これらは雇用主・従業員・政府の三者で分担しますが、従業員の負担割合は健康保険で約30%、労働者保険で約20%にとどまり、雇用主の負担割合が大きく設定されています。
台湾の税・社会保険制度で日本と異なる点はありますか?
いくつか異なる点があります。台湾には日本のような住民税(地方税)がなく、国税にあたる所得税のみです。また介護保険制度もなく、消費税の代わりに営業税が課されます。日本の感覚のまま費用を見積もると誤差が出るため、現地制度に沿った確認が必要です。
EORを利用する場合の費用はどう考えればよいですか?
「給与+雇用主負担分の健康保険・労働者保険料+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、あくまで手数料であり給与・社会保険は別途かかります。
台湾で雇用する際に見落としやすいコストはありますか?
企業年金にあたる「労工退休金(労退)」の積み立てが挙げられます。雇用主は毎月給与の6%以上を従業員の個人口座に積み立てる義務があり、台湾雇用コストの要素として見落としやすい点です。
まとめ
台湾の社会保険は全民健康保険(5.17%)と労働者保険(11.5%)が中心で、労使・政府が分担し雇用主分が大きいのが特徴です。
住民税がないなど日本と異なる仕組みもあります。手続きを任せるならEORが有効です。次はEORサービス比較へ進んでください。
本記事は、現地就職・専門事業者が公開する情報をもとに、当サイトの編集ポリシーに沿って作成しています。保険料率・分担割合は改定があるため、最新の正確な数値は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・社会保険は別です。情報は2026年5月18日時点のものです。
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