オーストラリアは、アジア太平洋の先進国市場であり、安定した経済と多様な人材から、日本企業の進出・採用先として検討される国です。
現地法人を作らずにオーストラリアの人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。この記事では、オーストラリアで人を雇うときの雇用主負担とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:退職年金(スーパー)が雇用主負担の中心
先に要点を言うと、オーストラリアでは退職年金「スーパーアニュエーション(Superannuation)」の拠出が雇用主に義務づけられ、これが雇用主負担の中心です。
これに州の給与税や労災保険が加わり、平均すると給与の15〜20%程度が上乗せされるとされます。
オーストラリアの雇用主負担
オーストラリアの雇用主負担は、全国共通の退職年金「スーパーアニュエーション」と、州ごとに異なる給与税・労災保険の組み合わせで構成されます。
ここからは、その中心となるスーパーアニュエーションと、州ごとに確認が必要な給与税・労災を順に見ていきます。
スーパー(年金)は12%(2025年7月〜の法定最終率)。州の給与税(閾値超)・労災を含め合計15〜20%程度。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
スーパーアニュエーション(退職年金)
スーパーアニュエーションは、雇用主が従業員の給与に対して一定割合を退職年金口座に拠出する制度です。
拠出率は法律で段階的に引き上げられており、2025年7月以降は給与の12%です(法定の最終率)。これは従業員の老後資金となる強制的な積立で、雇用主の義務です。
加えて、州ごとの給与税(Payroll Tax)が、給与総額が一定のしきい値を超える雇用主に課され、料率・しきい値は州により異なります。
注意:州ごとの給与税と労災
給与税(Payroll Tax)は州税で、雇用主の年間給与総額が州ごとのしきい値を超えると課されます。料率もしきい値も州により異なるため、雇用する州ごとの確認が必要です。
また、労災保険(Workers’ Compensation)も雇用主の負担で、業種・州により料率が変わります。
スーパーの拠出率は法定で引き上げが続いているため、最新の率を確認することが重要です。
オーストラリアの給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(退職年金 Superannuation 拠出)・労災など)がかかります。(円換算は概算:1豪ドル≒102円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
全国最低賃金は時給A$24.95(2025年7月〜/週A$948・フルタイム月約A$4,100)です(公正労働委員会 Fair Work Commission)。フルタイムの実勢賃金はこれを上回ります(豪統計局ABSが平均週給を公表)。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は高くなります。ソフトウェア開発者の年収平均は約A$88,600(月約A$7,380)で、レンジは年A$47,400〜A$134,100が目安です(Payscale/worldsalaries等)。経験・都市(シドニー・メルボルン)で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:公正労働委員会(Fair Work Commission)全国最低賃金(2025年)/豪統計局(ABS)。
- 民間データ:Payscale/worldsalaries等のソフトウェア開発者給与(2025〜2026年)payscale.com。
オーストラリアで雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約15〜20%)+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約89.9〜101.4万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月A$7,400前後(年A$88,600))を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約75.5万円 |
| 雇用主負担(約15〜20%) | 約11.3〜15.1万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約89.9〜101.4万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORでオーストラリア人材を雇う
現地法人を持たずにオーストラリアで人を雇う場合、EORの活用が現実的な選択肢になります。ここでは、EORを使うメリット、費用のイメージ、実際に利用を進める手順の順で整理します。
EORを使うメリット
オーストラリアでEORを使う利点は、以下の業務をEOR事業者に任せられる点です。
- 引き上げが続くスーパーアニュエーションの拠出
- 州ごとに異なる給与税の計算と納付
- 州ごとに異なる労災保険の計算と納付
州ごとに制度が異なり、スーパーの率も変わるため、現地法人を持たずに正確に運用したい場合、EORの代行価値が高くなります。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(スーパー12%+州の給与税・労災、合わせて15〜20%程度)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。
給与水準が高いため、総額も大きくなりやすい点に留意してください。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・社会保険は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EOR利用の進め方
オーストラリアでの雇用を検討するなら、オーストラリア(および対象の州)に対応するEORサービスを選びます。
- 対応国の確認は対応国数で選ぶEOR比較
- サービス全体の比較はEORサービス比較
現地の小話
オーストラリアの賃金制度で英語圏が重視するのが「award(アワード)」です。職種・業種ごとに最低賃金や手当を定めた裁定制度で、英語のHRガイドでは必ず確認すべき項目とされます。
また週給・隔週給が一般的で、月給制の日本と異なります。スラングも豊かで、午後の「arvo(afternoon)」など、フラットな労働文化を映す表現が職場で飛び交います。
よくある質問
オーストラリアで雇用主が負担する費用は給与に対してどれくらいですか?
スーパーアニュエーション(退職年金)が2025年時点で給与の約11%、さらに州の給与税・労災保険を合わせると、給与の15〜20%程度が上乗せになるとされています。給与水準が高い国であるため、総額も大きくなりやすい点に留意が必要です。
スーパーアニュエーションとはどのような制度ですか?
スーパーアニュエーション(Superannuation)は、雇用主が従業員の給与に対して一定割合を退職年金口座に拠出することが法律で義務づけられた制度です。拠出率は段階的に引き上げられており、従業員の老後資金となる強制的な積立です。拠出率は年度により変動するため、最新の率を確認することが重要です。
州ごとに給与税の扱いが異なるのはなぜですか?
給与税(Payroll Tax)はオーストラリアの州税であり、雇用主の年間給与総額が州ごとのしきい値を超えた場合に課されます。料率もしきい値も州により異なるため、雇用する州ごとに個別に確認が必要です。労災保険(Workers' Compensation)も同様に業種・州により料率が変わります。
EORを利用する場合の手数料はどれくらいですか?
EORのプラットフォーム手数料は1名あたり月額600ドル前後が相場とされています。この手数料は給与・社会保険(スーパーアニュエーション等)とは別にかかるため、費用の総額は「給与+雇用主負担(15〜20%程度)+手数料」として見込む必要があります。
まとめ
オーストラリアでは退職年金スーパーアニュエーション(2025年7月以降12%)が雇用主負担の中心で、州の給与税・労災を合わせると給与の15〜20%程度の上乗せになります。
州差があり率も変わるため、手続きを任せるならEORが有効です。次はEORサービス比較へ進んでください。
本記事は、現地専門事業者が公開する情報をもとに、当サイトの編集ポリシーに沿って作成しています。スーパーの拠出率・州の給与税は改定・変動があるため、最新の正確な数値は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・社会保険は別です。情報は2026年4月2日時点のものです。
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