ニュージーランドは、安定した制度と英語環境を持つ大洋州の先進国で、オーストラリアと並んでアジア太平洋の拠点候補になる国です。
現地法人を作らずにニュージーランドの人材を雇う手段として、EOR(雇用主代行)が選択肢になります。この記事では、ニュージーランドで人を雇うときの雇用主負担とEOR活用のポイントを整理します。EORの基本はEORとはをご覧ください。
結論:強制的な社会保険はなく、雇用主負担は軽め
ニュージーランドには日本や欧州のような強制的な社会保険制度がなく、政府が設けた任意の貯蓄制度KiwiSaverが中心です。
このため、雇用主の法定負担は他国より軽めですが、KiwiSaverへの拠出やACC(労災)などは必要です。
ニュージーランドの雇用主負担(KiwiSaver・ACC)
ニュージーランドの雇用主負担は、強制的な社会保険ではなく、任意制度への拠出と労災保険、源泉徴収を組み合わせた構造になっています。
ここからは、雇用主が押さえておくべき項目をひとつずつ見ていきます。
KiwiSaver(任意の退職貯蓄制度)
ニュージーランドの中心はKiwiSaverという任意加入の退職貯蓄制度です。
従業員がKiwiSaverに加入している場合、雇用主は最低3%を拠出します。これが雇用主負担の中核となる項目です。
ACC(事故補償制度)とPAYE・ESCT
KiwiSaverに加えて、事故補償制度ACC(Accident Compensation Corporation)の保険料を雇用主が負担します(業種により料率が異なる)。
所得税は雇用主がPAYE方式で源泉徴収し、KiwiSaverの雇用主拠出には拠出税(ESCT)もかかります。
これらが主な雇用主負担で、欧州各国に比べると軽い構造です。
KiwiSaver雇用主拠出は最低3%。ACC(労災)は業種で変動。ESCT(拠出税)あり。 料率・上限・為替は改定/変動あり。最新は各提供元・現地の専門家でご確認ください。EORのプラットフォーム手数料はこれとは別です。
注意:強制社会保険がない分、制度の前提が異なる
ニュージーランドには、給与に対する包括的な強制社会保険(年金・医療を一括で天引きする仕組み)がありません。
医療は税財源の公的制度が中心で、年金も税財源です。このため、日本や欧州の感覚で「社会保険料の雇用主負担」を見積もると実態とずれます。
代わりに、以下を個別に把握する必要があります。
- KiwiSaverの拠出
- ACCの保険料
- 休暇取得の権利(年次有給など)といった雇用主の義務
ニュージーランドの給与相場(目安)
給与水準を国全体の水準(公的データ)と職種別の目安(民間データ)の2層に分け、レンジ(幅)で示します。
数値は経験年数・地域・企業規模・スキルで変わる目安で、断定はできません。最新は求人サイト・現地エージェント・専門家でご確認を。給与に加え前述の雇用主負担(社会保険(KiwiSaver雇用主拠出・ACC労災)など)がかかります。(円換算は概算:1NZドル≒93円。時点で変動)
国全体の水準(公的データ)
最低賃金は時給NZ$23.50(2025年4月〜/フルタイム月約NZ$4,070)です(政府)。統計局(Stats NZ)によると、フルタイムの週給中央値は約NZ$1,350〜1,400(年約NZ$70,000〜73,000)が目安です。
職種別の目安(民間データ)
IT・専門職は中央値より高くなります。ソフトウェア開発者の年収はおおむね年NZ$80,000〜120,000(月約NZ$6,700〜10,000)が目安です(Payscale/Seek等)。経験・オークランド・外資で上振れします。
注記・出典
総額の積み上げ方は費用シミュレーションもご覧ください。
出典一覧(媒体名・年・URL)
- 公的データ:ニュージーランド最低賃金(2025年)・統計局(Stats NZ)週給中央値/countryeconomycountryeconomy.com。
- 民間データ:Payscale/Seek等のソフトウェア開発者給与(2025〜2026年)wage.is。
ニュージーランドで雇う総額の目安(給与+負担+手数料)
給与に雇用主負担(約3%)+EOR手数料+為替を足すと、月の総額の目安は約82.6〜90.4万円です(下表のミドル級開発者の例)。
下表はミドル級開発者(月NZ$8,300前後)を例にした概算で、給与水準・職種・人数・契約条件・為替で大きく変わる目安です(円換算は概算)。
| 項目 | 月額の目安(円・概算) |
|---|---|
| 給与(ミドル開発者の例) | 約77.2万円 |
| 雇用主負担(約3%) | 約2.3万円 |
| EOR手数料(サービス・国・人数で変動) | 約3.1〜10.9万円(月$200〜700) |
| 合計の目安(レンジ) | 約82.6〜90.4万円 |
EOR手数料は主要サービスで月600ドル前後が目安(年額契約で割安/安価なサービスは月200ドル台も)。総額の積み上げ方は費用シミュレーション、内訳は費用の内訳、複数国比較は複数国のコスト比較もご覧ください。最新の料金は各提供元の公式情報でご確認を。
EORでニュージーランド人材を雇う
制度の前提が日本と異なるニュージーランドでは、EORを使うことで雇用にまつわる手続きを現地基準に沿って進められます。
ここでは、EORを使うメリット・費用イメージ・利用の進め方を順に見ていきます。
EORを使うメリット
ニュージーランドでEORを使う利点は、以下の対応をEOR事業者に任せられる点です。
- KiwiSaverの拠出やESCT
- ACCの保険料
- PAYEによる所得税の源泉徴収
- 休暇などの雇用条件への対応
負担は軽めでも、制度の前提が日本と異なるため、現地法人を持たずに正確に運用したい場合、EORの代行価値があります。
オーストラリアと合わせて大洋州に拠点を広げる際の選択肢になります。
費用のイメージ
費用は「給与+雇用主負担(KiwiSaver最低3%+ACC等)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。
社会保険負担が軽いぶん、総額に占める手数料の比重は相対的に大きくなりやすい国です。
EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、これは手数料であり給与・各種負担は別です。具体的な積み上げ方は費用シミュレーションで示しています。
EOR利用の進め方
ニュージーランドでの雇用を検討するなら、ニュージーランドに対応するEORサービスを選びます。
対応国の確認は対応国数で選ぶEOR比較、サービス全体の比較はEORサービス比較で確認できます。
現地の小話
ニュージーランドで英語圏がよく紹介するのが独特のスラングと労働文化です。「sickie(ずる休み)」「smoko(小休憩)」といった言葉が職場で日常的に使われます。
有給は「annual leave 4週間」が法定で、英語のHRでは手厚い休暇として知られます。
先住民マオリの文化を尊重する「powhiri(歓迎の儀式)」が企業の式典で行われることもあり、英語圏では職場の多様性の一例として紹介されます。
よくある質問
ニュージーランドには社会保険がないのですか?
日本や欧州のような強制的な社会保険制度はなく、医療・年金ともに税財源の公的制度が中心です。そのため雇用主負担は他国より軽めですが、任意の退職貯蓄制度KiwiSaverへの拠出(最低3%)と、ACC(事故補償制度)の保険料は別途必要です。
KiwiSaverとは何ですか?雇用主はどう関わりますか?
KiwiSaverはニュージーランド政府が設けた任意加入の退職貯蓄制度です。従業員がKiwiSaverに加入している場合、雇用主は給与の最低3%を拠出する義務があり、これが雇用主負担の中核となります。なお、雇用主拠出分には拠出税(ESCT)もかかります。
ニュージーランドでEORを利用する場合の費用はどう考えればよいですか?
費用は「給与+雇用主負担(KiwiSaver最低3%+ACC等)+EORのプラットフォーム手数料」の合計で考えます。EORの手数料は1名月額600ドル前後が相場で、給与や各種負担とは別にかかります。社会保険負担が軽い分、総額に占める手数料の比重は相対的に大きくなりやすい国です。
法定の年次有給休暇は何週間ですか?
ニュージーランドでは法定の年次有給休暇(annual leave)は4週間とされています。英語圏のHR実務では手厚い休暇として知られており、EOR利用時もこの雇用条件への対応が含まれます。
まとめ
ニュージーランドには強制的な社会保険がなく、任意のKiwiSaver(雇用主拠出最低3%)とACC労災が中心で、雇用主負担は軽めです。
制度の前提が日本と異なるため、運用を任せるならEORが有効です。次はEORサービス比較へ進んでください。
本記事は、各種統計・現地制度の公開情報をもとに、当サイトの編集ポリシーに沿って作成しています。KiwiSaverの拠出率やACCの料率は改定・変動があるため、最新の正確な数値は現地専門家・各提供元でご確認ください。EOR料金は手数料であり給与・各種負担は別です。情報は2026年5月15日時点のものです。
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