EORを使うと、海外従業員の税務手続きの多くを現地の雇用主であるEORが担います。
ただし、所得税の源泉徴収、PE(恒久的施設)課税、二重課税といった論点は、EORを使っても自社で理解しておくべき点が残ります。
この記事では、EORと税務の関係を整理します。本記事は一般的な情報であり、税務助言ではありません。具体的な判断は必ず税務専門家にご確認ください。
結論:給与の源泉はEORが担うが、PEなど自社の論点は残る
EORは現地の雇用主として、従業員の給与にかかる所得税の源泉徴収や社会保険の納付を行います。
一方で、PE(恒久的施設)課税のように「自社の事業が現地で課税対象になるか」という論点は、EORを使っても自動的には解消しません。
EORが担う税務と、自社で確認すべき税務を区別して理解することが重要です。
EORと税務の論点を整理する
EORを使うときの税務は、以下の2つに分かれます。
- EORが現地の雇用主として引き受ける部分
- EORを使っても自社(と税務専門家)が確認すべき部分
ここからは、その両者を以下の観点で順に見ていきます。
EORが担う税務
EORは現地の雇用主として、従業員の給与にかかる所得税の源泉徴収、社会保険料の計算・納付、現地当局への申告を行います。
これにより、現地法人を持たない企業でも、従業員の給与税務を適法に処理できます。
国により源泉徴収の方式や申告頻度は異なりますが、これらの実務をEORが引き受ける点が大きな利点です。給与計算全般はグローバルペイロールで解説しています。
自社で確認すべき税務:PE課税
EORを使っても残る代表的な論点がPE(恒久的施設)課税です。
海外人材の活動が現地で自社のPEを構成すると判断されると、その国で法人課税を受けるリスクがあります。
EORは雇用のコンプライアンスを引き受けますが、PEは事業活動の実態に関わるため、EOR利用とは別に税務専門家の確認が必要です。詳しくはPE(恒久的施設)課税のリスクで解説しています。
二重課税と租税条約
海外で働く人材の所得が、現地と本国の両方で課税される「二重課税」の論点もあります。
多くの国の間には二重課税を調整する租税条約があり、社会保障協定が結ばれている場合は社会保険の二重負担が回避されることもあります。
これらの適用は個別の事情で変わるため、専門家の確認が欠かせません。
法人側の税務(EOR利用料の扱いなど)も含め、税務全般は自社の顧問税理士に相談するのが安全です。
EORを使うときの税務の考え方
整理すると、役割分担は以下のようになります。
- 従業員給与の源泉・社会保険はEORが担う
- PE課税・二重課税・自社の法人税務は自社(と税務専門家)が確認する
EORを「税務もすべて任せられる」と捉えると論点を見落とすため、担う範囲を正しく理解することが大切です。
EOR料金そのものの考え方はEORの費用相場、各社の比較はEORサービス比較をご覧ください。
よくある質問
EORを使えば、海外従業員に関する税務はすべてEORに任せられますか?
EORは現地の雇用主として、従業員給与の所得税源泉徴収・社会保険料の計算・納付・現地当局への申告を担います。ただし、PE(恒久的施設)課税や二重課税、自社の法人税務はEOR利用とは別に自社と税務専門家が確認する必要があります。担う範囲を正しく理解しておくことが重要です。
PE(恒久的施設)課税とは何ですか?EORを使えば回避できますか?
PE課税とは、海外人材の活動が現地で自社のPEを構成すると判断された場合に、その国で法人課税を受けるリスクのことです。EORは雇用コンプライアンスを引き受けますが、PEは事業活動の実態に関わるため、EOR利用によって自動的に解消されるわけではありません。別途、税務専門家への確認が必要です。
海外で働く人材の所得が二重課税される場合、どう対処すればよいですか?
多くの国との間には二重課税を調整する租税条約があり、社会保障協定が結ばれている場合は社会保険の二重負担が回避されることもあります。ただし、これらの適用は個別の事情により異なるため、専門家への確認が欠かせません。
EOR利用料の法人税務上の扱いはどう考えればよいですか?
EOR利用料を含む法人側の税務については、EOR自体が担う範囲には含まれません。自社の顧問税理士に相談して確認するのが安全です。
まとめ
EORは従業員給与の所得税源泉・社会保険納付を担う一方、PE課税・二重課税・自社の法人税務は別途確認が必要です。
担う範囲を区別し、PEなどは必ず税務専門家に相談しましょう。次はPE課税のリスクへ進んでください。
本記事は、EORと税務に関する一般的な情報を、当サイトの編集ポリシーに沿って整理したものです。
税務助言ではなく、源泉徴収・PE・二重課税・租税条約の適用は国や個別事情により大きく異なります。具体的な判断は必ず税務専門家にご確認ください。情報は2026年9月8日時点のものです。
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