XM(XMTrading)では、証拠金維持率が50%を下回るとマージンコールが発動し、20%を下回ると強制ロスカットが執行されます。
しかし、実際にはどのくらいの必要証拠金に対して、どのくらいの含み損で強制ロスカットが執行されるのでしょうか?
今回の記事では、XMのロスカットの仕組みや証拠金維持率の計算方法、強制ロスカット回避のための対策などを解説します。
XMのロスカットの仕組み
強制ロスカットとは?
強制ロスカットとは、FX会社が行う強制的な決済注文(損切り)を指します。
損失が膨らんでポジションの含み損が一定の水準を超えた場合、顧客の意志に関係なくポジションが強制的に決済されます。FX会社のロスカットの目的は、顧客の資金を守ることです。
ロスカットは個人投資家を守るセーフティネット!
強制ロスカットが執行された場合、口座残高はマイナス残高になります。しかし、XMは「追証なしのゼロカットシステム」を採用しているので、損失分をトレーダー自身で補填する必要はありません。
証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは、現在保有しているポジションに対して、口座残高がどのくらい余裕があるかを示す数値です。
証拠金維持率の計算方法
また、ポジション保有する際に最低限必要な証拠金は、最低必要証拠金と呼ばれます。
最低必要証拠金の計算方法
各FX会社は「証拠金維持率が◯◯%以下」という文言で、強制ロスカットが執行されるラインを設定しています。この基準をロスカット水準(ロスカットライン)と呼びます。
ロスカットがどのタイミングで執行されるのかの基準になるのが、ロスカット水準です。各FX会社は「証拠金維持率が◯◯%以下」という文言でロスカットのラインを設定しています。
FX業者ごとにロスカットライン(%)は違うよ!
XMのロスカット水準は証拠金維持率20%なので、20%を下回った際に強制ロスカットが執行されます。
なお、必要証拠金や有効証拠金について詳しくは次の記事で解説しています。
ロスカット水準が低いほどロスカットになりにくい
ロスカット水準が低いとロスカットになりにくく、強制ロスカット(損失の確定)が遅くなります。ロスカットさえなければ、レートが復活して資金が元に戻ることもあります。
FXをはじめとした証拠金取引においては、利益や損失はポジションを決済しない限り確定しません。
国内FXだと、ロスカットで無駄な損切りになることもあるよね
損失が確定しにくい(ロスカットになりにくい)ということは「ロスカット水準が低い業者=負けにくい業者」とも取れます。
ハイレバ取引する時は維持率に余裕が欲しいね!
また、ロスカット水準が低ければ、相場が逆行して含み損を抱えた場合も、ロスカットされることなく粘ることが可能です。
ロスカット水準が高いA口座では、レートの下落に耐え切れずに途中でロスカットされてしまいます。一方、ロスカットレベルの低いB口座は、レートの下落に耐えることができ、結果としてその後の上昇トレンドに乗って利益が発生しています。
海外FX業者のロスカット水準は、信頼度が高い会社では20〜50%に設定されています。相場の逆行に耐えるためには、ロスカット水準20%の海外FX業者がおすすめです。
XMのロスカットまでの証拠金維持率の推移
XMでロスカットされるまでには、XMによる投資家保護の警告がいくつか続きます。
自分がどの段階にいるかは「証拠金維持率」を確認するとわかりやすいでしょう。
証拠金維持率ごとのXMの投資家保護ルール
証拠金維持率50%以下:マージンコール
証拠金維持率20%以下:強制ロスカット
証拠金維持率とは、必要な証拠金に対して持っている証拠金の割合のことです。
例えば、必要証拠金が10万円で口座資金が20万円なら、証拠金維持率は200%になるよ!
100%以下で新規ポジションが制限
証拠金維持率が100%を下回ると、新規ポジションを建てられなくなります。含み損が口座残高(余剰証拠金)よりも大きくなっているので、新規ポジションを建てるための証拠金がない状態です。
まだまだロスカットされる水準ではないけど、余力はない状態ってことだね!
この段階で損切りすることも視野に入れて、慎重に判断する必要があるでしょう。
50%以下でマージンコールが発生
証拠金維持率が50%を下回ると、ロスカットされる前に「マージンコール」が発生します。マージンコールとは、取引口座を維持するための証拠金が少なくなっていることを通知する機能です。
国内FXは追証があるから、マージンコールされると「追加入金」や「損切り」などの対処が必要!
XMでマージンコールが発生すると、メールでお知らせが届いたり、ポジションが赤く表示されたりします。
通知がきた時点でかなり危険な状態だから注意!
XMでは追証がないため、マージンコールが発生しても追加入金は必要なく、ポジションの一部を決済(損切り)する必要もありません。
そのため、XMのロスカット水準である20%までロスカットされることはありません。
20%以下で強制ロスカットが執行
証拠金維持率が20%を下回ると、強制ロスカットされます。
強制ロスカット後は、新しく資金を追加するまで注文できないよ!
余力を持ってトレードするなら、証拠金維持率が50%以下にならないようにするのがおすすめ!
ただし、証拠金維持率20%を下回った時点で、全ポジションが強制決済されるのではなく、「もっとも含み損が大きいポジション」から順に決済されます。
そのため、一部ポジションが強制ロスカットされたことで証拠金維持率が回復し、含み損の少ないポジションが残ることもあります。
XMのロスカットと証拠金維持率の計算方法
口座残高ごとのロスカットまでのpips数
XMはロスカットレベルが低いことがわかりました。それでは実際XMはロスカットにならずに、何pipsの損失に耐えるのでしょうか?
口座残高が1万円、10万円、50万円、100万円の5つのパターンについて、ロスカットまでの許容pips(ピプス)を一覧表にしてまとめてみました。
口座残高が多いほどロスカットはされないよ!
ただし、前提条件として、ドル円が100円、レバレッジは最大である1,000倍、スプレッドは計算に入れていません。
口座残高1万円の時
取引通貨数 | 必要証拠金 | 許容できる含み損 | 許容pips数 |
---|---|---|---|
1,000通貨 | 約113円 | 約9,977円 | 約999.7pips (約9.97円) |
1万通貨 | 約1,126円 | 約9,774円 | 約97.74 pips (約0.97円) |
10万通貨 | 約11,260円 | エントリー不可 | エントリー不可 |
口座残高10万円の時
取引通貨数 | 必要証拠金 | 許容できる含み損 | 許容pips数 |
---|---|---|---|
1,000通貨 | 約113円 | 約99,977円 | 約9997.7pips (約99.9円) |
1万通貨 | 約1,126円 | 約99,774円 | 約997.74 pips (約9.97円) |
10万通貨 | 約11,260円 | 約97,748円 | 約97.748 pips (約0.97円) |
100万通貨 | 約112.600円 | エントリー不可 | エントリー不可 |
口座残高50万円の時
取引通貨数 | 必要証拠金 | 許容できる含み損 | 許容pips数 |
---|---|---|---|
1,000通貨 | 約113円 | 約499,977円 | 約9997.7pips (約99.9円) |
1万通貨 | 約1,126円 | 約499,774円 | 約997.74 pips (約9.97円) |
10万通貨 | 約11,260円 | 約497,748円 | 約97.748 pips (約0.97円) |
100万通貨 | 約112.600円 | 約477,480円 | 約47.748 pips (約0.47円) |
口座残高100万円の時
取引通貨数 | 必要証拠金 | 許容できる含み損 | 許容pips数 |
---|---|---|---|
1,000通貨 | 約113円 | 約999,977円 | 約99,997.7pips (約999円) |
1万通貨 | 約1,126円 | 約999,774円 | 約9,997.74 pips (約99.9円) |
10万通貨 | 約11,260円 | 約997,748円 | 約997.748 pips (約9.97円) |
100万通貨 | 約112.600円 | 約977,480円 | 約97.748 pips (約0.97円) |
以上が、XMでの「ロスカットまでの許容pips数」です。
XMのレバレッジ1,000倍に慣れるまでは、ポジションを持った際に「耐えれる幅」を事前に把握しておくのが良いでしょう。
XMでロスカット回避に有効な証拠金計算機の使い方
ここでは口座残高を5万円として、ドル円が100円の時に5万通貨でエントリーした時に、ロスカットまでどれくらいのpips数だけ耐えれるか(許容pips数)を計算する手順について解説します。
計算手順は以下の通りになります。
ロスカットまでの許容pips数の計算手順
②ロスカットレベル時の有効証拠金を算出する
③許容できるマイナスの額(含み損)を算出する
④許容できる含み損をpipsに換算する
XMの「必要証拠金計算ツール」を利用する
必要証拠金を求める式は「注文時の価格×取引ロット数÷レバレッジ率」です。
ここでは、注文時のレートが100円、ポジション数は5万通貨、レバレッジが1,000倍なので、「100円×5万通貨÷1,000倍」で約5,000円になります。
ドル円=100円の時にレバレッジ1,000倍で5万通貨を保有するには5,000円の保証金が必要、ということね
この必要証拠金はXMの公式ページ内に計算できる計算機があるので、それを使うものいいでしょう。
なお、XMにはスタンダード口座・マイクロ口座・KIWAMI極口座(KIWAMI口座)・ゼロ口座(ZERO口座)があり、Lot数の大きさが異なります。(スタンダード口座などは1ロット=10万通貨ですが、マイクロ口座は1ロット=1,000通貨です)
XMのロット数に関する疑問も多いので、口座タイプごとのロット数や最低取引量に関する記事をまとめました。その辺りが不明な方はご参考までにどうぞ。
ロスカットレベルに達する時の有効証拠金を計算する
ロスカット時の有効証拠金の計算式は以下の通りです。
ロスカット時の有効証拠金の計算式
XMの証拠金維持率は20%なので、約5,630円の20%は5,630×0.2=1,126円となります。
もしロスカットされたら口座に残る資金は1,126円ということ。
許容できる含み損(金額ベース)を計算する
耐えることが可能な含み損は「口座残高-ロスカット時の有効証拠金」なので、口座残高を5万円とするならば、「5万円-1,126円=48,874円」となります。
損失が48,874円以内であればロスカットされないよ
許容できる含み損(pips数)を計算する
最後に許容できる含み損をpipsに変換していきます。今回はドル円(=100円)5万通貨でのエントリーなので1pipsの価値は5万÷100円で500円となります。
上記の許容できる含み損(金額)が48,874円なので、それを500円で割った数字がロスカットまでの許容できるpips数になります。
許容できる含み損(pips数)の計算
つまり、ロングでエントリーした場合は100円から約99.023円にレートが下落したらロスカットとなり、ショートでエントリーした場合は100円から約100.977円にレートが上昇したらロスカットになります。
レートが何円になるとロスカットになるかは常に把握しよう!
XMでロスカットを回避する対策
追加入金する
強制ロスカットをされない方法として、手っ取り早いのは資金を増やすことです。つまり、追加入金を行えばいいのです。
なお、レートの変動に耐えるためには入金スピードも重要になってきます。
いつでも入金できる方法があると利便性が高い!
入金スピードが最も速い入金方法はクレジットカードによる入金です。ほぼリアルタイムで口座残高に反映されます。銀行振込の場合は30分以上、bitwallet・ビットコインはリアルタイムから30分以内となっています。
証拠金維持率をリアルタイムで復活させたいという場合には、クレジットカード入金を使うのが好ましいでしょう。
ロスカット回避の入金は即時着金されるクレジットカードがお勧め!
XMポイントをボーナスに換金する
XMトレーディングの魅力の一つが「取引ごとに貯まるXMロイヤルティプログラムというポイント制度」です。
取引をすればするほど貯まっていくこのポイントですが、証拠金として利用できるボーナスに換金することが可能です。XMのメンバーサイトからXMポイントを確認でき、リアルタイムにボーナスへと還元させることができます。
もしもの時のためにXMポイントを貯めておくと便利!
以上が、XMトレーディングのロスカットや維持率についてです。
トレーダーなら誰しもがロスカットはなるべく避けたいものです。「ロスカットまでは〇〇pipsは耐えれる」という目安を把握した上で取引をするようにしましょう。
XMと他の海外FX業者のロスカット水準を比較
各海外FX業者とのロスカット水準比較
ロスカット水準が低いほどロスカットになりにくく、レートが元の価格に戻る(損失が回復する)可能も生まれてきます。
では、XMのロスカット水準は競合FX会社と比較してロスカット水準が低いといえるのでしょうか?XMと競合FX会社のロスカット水準をまとめたのが次の表です。
XM以外にもロスカット水準が20%の海外FX会社もありますが、20%の会社の中でもXMやHFM(旧HotForex)、FXGTは最大レバレッジが1,000倍です。
最大レバレッジ・ロスカット水準・ゼロカットの有無の3項目でトレード環境を考えた時に、XMが最も優秀だといえるでしょう。
Eeness(エクスネス)はレバレッジ無制限&ロスカット水準が0%ですが、ボーナスキャンペーンが一切ないので中上級者向けの海外FX業者です。
国内FXの多くはロスカット水準を50%〜100%に設定してるよ!
XMは「追証なしのゼロカットシステム」採用で安心
XMではゼロカットというシステムがあり、追証になることはありません。
追証とは「追加証拠金」の略で、口座残高よりも大きなマイナスが出てしまったときに、追加で証拠金を払わなければいけない状態のことです。
ゼロカットがあればマイナス分は業者が負担してくれるから、初心者の方も借金の心配なくトレードできる!
国内FX会社にはゼロカット制度はないので、常に借金のリスクがつきまといますが、XMは「追証なしのゼロカットシステム」採用なので、入金額以上の損失を被ることはありません。
XMのロスカット水準と必要証拠金のまとめ
XMはロスカットレベルが20%と低めに設定されていますが、ハイレバレッジであるために想定外のロスカットに合う可能性も高くなります。
ゼロカット制度があるものの、出来れば避けたいのがロスカットで、これらの計算式としての根拠を把握するのは大事です。また、ロスカットの仕組みの把握に加えて、デモ口座を利用してロスカットを感覚的に体感しておくことも大切だといえるでしょう。
これからXMでのトレードを始める方は、本番で不意のロスカットに合わないためにも、事前にデモ口座でのハイレバ取引やロスカット体験をされることをお勧めします。