コーヒーは世界中で最も多くの人々に飲用されている嗜好飲料。新興国を中心に愛好者急増で、今後の需要拡大に期待。
コーヒー相場の状況<2024年現在>
コーヒーの国際価格は、上値が重い状況にあります。新型コロナウイルスの感染拡大で景気の落ち込みが予想され、コーヒー豆の需要も減少するとの懸念が強まっているためです。
特に、コロナウイルスの発症地となった中国は、コーヒー豆の最大生産国のブラジルにとって最大の輸出先です。近年、中国のコーヒー消費量は増え続けてきました。スターバックスや新興カフェチェーンのラッキンコーヒーがブームをけん引し、お茶文化が強い中国でコーヒー文化を広げてきたのです。しかし、コロナウイルスはその勢いにストップをかけました。
コーヒーの消費量が減少する一方、ブラジルのコーヒー生産量は過去最高水準の豊作が見込まれています。需給の悪化により、コーヒー相場はさらなる下値を探る展開になるものと思われます。
<コーヒー(COFFEE)の週足チャート>
コーヒーとは
コーヒーの用途
コーヒーは世界中で最も多くの人に飲まれている嗜好飲料といわれ、生産量のほとんどが飲料用として消費されています。生産量全体の70~80%を占めるアラビカ種は、香りが高く品質の良い高級種であり、主に単品での飲用に使われています。生産量2番手のロブスタ種は、病害虫に強く栽培がしやすい一般種であり、主に缶コーヒーやインスタントコーヒーの材料として利用されます。これら以外にもコーヒーには様々な品種がありますが、国際的に広く流通しているのは、アラビカ種とロブスタ種が圧倒的といえる状況です。
コーヒーの銘柄はたくさんあるけど種の種類は2つがメインなんだ
どこで生産されるのか
コーヒーの主要生産地としては、ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシアなどが挙げられます。中でもブラジルは圧倒的な存在感を誇っており、世界生産量の実に3割以上を担っています。品種別に見ても、主に生産しているアラビカ種では当然トップ、ロブスタ種の生産でも2位のポジションです。ロブスタ種の生産量1位はベトナムで、全体生産量で見てもブラジルに次ぐ生産大国です。なお、ほとんどのコーヒーが地球の北回帰線と南回帰線の間の「コーヒーベルト」と呼ばれる地帯で生産されるという点も特徴的です。
ブラジルは有名だけど2位にベトナムが入るのは意外な事実ね
コーヒーの主要生産地
主要生産国
主要消費国
取引市場と価格の動き
投資商品としてのコーヒーの価格については、アラビカ種がニューヨークのインターコンチネンタル取引所(ICE)、ロブスタ種はロンドンのLIFFE取引所が中心となって形成されます。東京穀物商品取引所にも、アラビカ種、ロブスタ種の双方が上場されていますが、流動性の面でICEとLIFFE取引所の価格が世界な取引値の指標になっているといえます。2012年をピークに価格の下落が続き、2014年には1ドル(100セント)を割ったところで下げ止まりました。その後、大きく価格が戻る場面もあったが2018年から始まった「ヘッジファンドの仕掛け」により現在は12年ぶりの安値を記録しています。
基本データ | |||
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主要品種 | アラビカ種、ロブスタ種 | 主な生産国 | ブラジル、ベトナム、コロンビア |
利用用途 | 嗜好飲料 | 主な輸入国 | アメリカ、ドイツ、日本 |
年間生産高 | 約800万トン | 日本の輸入量 | 年間45万トン |
価格変動の要因は?
コーヒーは農作物であり、主要生産地の天候状態が価格に大きな影響を与えます。特に一大生産地であるブラジルの天候状態は注目されるところでしょう。嗜好品という特性から国民の生活水準が上がるとコーヒー消費は増える傾向にあり、新興国の新たな需要増も価格変動要因になります。この点でもブラジルの動向がポイントであり、すでに世界一のコーヒー消費国になることが見えてきています。
現在はコーヒーが「投機家が利益を狙うターゲット」となったことでブラジル、ベトナム、コロンビアのコーヒー農家が大きなダメージを受け、社会問題化していることも見逃せない事実です。
主な価格変動要因
生産地の天候
ブラジルはもちろん、主要生産地であるベトナムやコロンビアなどの天候状態も価格に影響を与えます。季節外れの長雨や干ばつだけでなく、寒波にも注意が必要です。
新興国の需要
経済発展に伴い、コーヒー消費量を伸ばす新興国が増えています。中国やインドも例外ではなく、莫大な人口を抱える両国が本格的にコーヒーを消費し始めると、需要は急拡大していきます。
投機マネーの動向
他の銘柄に比べると、コーヒーの取引市場は小規模であるため、ヘッジファンドなどの投機筋が大量に資金を投入してくると、それだけで価格が大きく変動する可能性があります。
ブラジル(アラビカ種)とベトナム(ロブスタ種)の収穫期
「コーヒーの木」を植えてから、コーヒー豆を採取できるようになるまでは数年かかります。ブラジルはアラビカ種、ベトナムのロブスタ種を主に生産していますが、それぞれの収穫期は大きく異なります。
収穫時期は乾季で、日本でいうところの秋冬に相当します。
・北半球の産地(10月~3月頃)…中米、カリブ海、エチオピア、ベトナムなど。
・南半球の産地(4月~9月頃)…ブラジル、ペルーなど
・赤道直下(年に2回)…コロンビア、インドネシア、タンザニア、ケニアなど
消費大国としての存在感も増すブラジル
世界の3割以上のコーヒーを生産し、輸出量も突出しているブラジルですが、近年は急速に経済発展を続けている新興国としての一面もあります。生活水準の向上に伴い、嗜好品の消費量が増えるのは世界共通の現象ですが、ブラジルのコーヒー選好度は極めて高く、特に近年のコーヒー消費量の伸びは、生産量の増加分を上回る勢いです。2020年にはアメリカを抜く消費量になるという観測もあり、その動向が注目されます。
注目指標など
他の銘柄同様、アメリカ農務省(USDA)の発表する需給関連資料が注目されます。また、コーヒー輸出入に深く関わる国々の多くは、国際コーヒー機関(ICO)に加盟していることから(日本も加盟)、各国情報が多数集まるICOの発表資料もコーヒー価格を見るうえでの大切な指標となります。
マーケットが小さい分、発表情報による価格変動が大きいのがコーヒー
ICOのレポート
コーヒー生産や貿易などに関する協定を円滑に協議・実施するため、コーヒーの輸出入にかかわる関係各国は、ロンドンに本部を置く国際コーヒー機関(ICO)に参加しています。このICOからは、コーヒーの価格や需給に関する詳細レポートが随時発表されており、コーヒーの価格を左右する重要な指標のひとつになっています。
CFTC建玉明細
アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)が毎週金曜日に発表。投機マネーの大量流入は、市場規模の比較的小さいコーヒー相場に大きな影響を与える可能性がありますが、CFTC建玉明細では、商社などの当業者に加え、ヘッジファンドや年金基金など大口トレーダーの建玉状況を把握することができます。
コーヒー消費国に変化も
新興国が大きくコーヒー消費量を伸ばしており、中長期的にはその動向が一番のポイントでしょう。特に生産地であるブラジルの消費量が飛躍的に増えている点は大いに注目したいところです。近年ではロシア、インドネシアの消費量が増加しており、今後の価格変動要因となる可能性もあります。
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コーヒー(COFFEE)の取引時間
夏時間(日本時間) | 冬時間(日本時間) |
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月曜日16:20~土曜日00:55 ※平日01:25~16:20はメンテナンス |
月曜日17:20~土曜日01:55 ※平日01:55~17:20はメンテナンス |
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