大豆は高タンパク食材として、欧米でも食用が進む人気穀物。 油や家畜飼料、工業利用など各分野で高い需要を持つ。
大豆相場の状況<2024年現在>
大豆の国際価格が急上昇しています。米農務省により発表された「中国が米産農産物の大量購入を行う」という情報により大豆価格は急上昇しました。
一方、足元では新型コロナによる外食産業の低迷などで需要自体は弱い状況にあります。さらに、大豆の最大輸出国ブラジルでは過去最高の豊作が確定し、すでに出荷が始まっています。上昇している大豆相場ですが、ファンダメンタルズはまだ改善されていません。
原油相場が18年ぶりの安値をつけるなど、大豆以外の国際商品の相場は総じて低迷しています。マーケット関係者の「大豆相場の上昇は一時的」との声は多く、反発は早晩終息する可能性があります。
<大豆(BEANS)の週足チャート>
大豆とは
大豆は食用として利用されるほか、絞って大豆油を抽出したり、そのカスを家畜飼料とするなど、非常に利用価値の高い穀物です。工業利用も進んでおり、近年ではバイオエタノール燃料の材料としても注目されています。他の穀物同様、世界的な人口増加を背景として常に供給不足が懸念されており、値上がりなどを見込んで投資商品としても高い人気を集めています。
大豆の用途
日本人にとって大豆は、豆腐や味噌、醤油などの材料としてなじみの深い食品です。植物性の高タンパク食材という性質から、最近では欧米でも大豆を口にする人が増えてきており、食用としての存在感はこれからも増していくことでしょう。大豆を絞ると大豆油となり、残ったカスは「大豆かす」として家畜飼料になります。工業用品としての利用も進んでおり、大豆インクやプラスチックなどが代表的です。他の穀物と同様に、バイオエタノール燃料の材料としても利用が始まっており、この分野の需要は今後も増大することが予想されます。
僕たちも毎日食べているのが「大豆」だよね
さらに「燃料」としての役割にも期待されているから、需要はこれからも増えそうなんだよね
どこで生産されるのか
大豆の主要生産地としては、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、中国、インドなどが挙げられます。アメリカとブラジルは輸出国としても大きな存在感を持っていますが、中国は自国生産量だけでは国内需要を賄えず、逆に世界一の輸入国になっています。世界生産量の4割近くを生産し、最大の輸出国となっているアメリカでは、コーンベルト地帯の多くが大豆の生産地と重複しており、とうもろこしと大豆の生産量には密接な関係が生じています。また、ブラジルの輸出量も近年は大きく伸びている傾向があります。
大豆は「中国の方の食卓」に影響を受けやすい銘柄だね
大豆の主要生産地
主要生産国
主要消費国
取引市場と価格の動き
大豆の価格は、他の穀物同様に、シカゴ商品取引所(CBOT:Chicago Board of Trade)や東京穀物商品取引所などで形成されています。世界の大豆価格の基準となっているのは、やはりCBOTで取引される大豆先物の価格です。CBOTには大豆油と大豆ミールも上場されており、これらも国際的な大豆油、大豆ミール価格の重要な指標となっています。価格動向は他の穀物と同様、世界規模での人口増加を背景として、乱高下しながらも右肩上がりの状況が続いていました。特に2008年、2013年の穀物全面高の局面では、大豆価格も大きく反応しました。
基本データ | |||
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穀物の種類 | マメ科の1年草 | 主な生産国 | アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、中国 |
利用用途 | 食用(油含む)、家畜飼料、資源材料等 | 主な輸入国 | 中国、オランダ、日本、メキシコ |
年間生産高 | 約2億5,000万トン | 日本の輸入量 | 年間500万トン |
価格変動の要因は?
大豆の価格は、アメリカを中心とする主要生産地の天候状況に大きく左右され、作付けから収穫の時期までは主に天候相場が形成されます。アメリカではとうもろこしの耕作地と大きく重複していることもあり、とうもろこしの生産状況も無視することはできません。また、中国の輸入量は近年、国際価格に多大な影響を及ぼすほど増大しており、その動向にも大きな注目が集まります。
主な価格変動要因
生産地の天候
大豆は農作物ですから、主要生産地の天候状況が価格に大きな影響を与えます。アメリカの天候状況が一番注目されますが、近年ではブラジルの天候状況への関心も高まっています。
中国の輸入動向
中国の大豆輸入量は、今やアメリカの輸出量を上回る規模となっており、大規模な輸入政策をスポット的に展開するケースも少なくないことから、その動向を見逃すことはできません。
投機マネーの動向
他の穀物と同じように、ヘッジファンドや年金基金などの投機マネーが価格を動かすケースも少なくありません。歴史的な大暴騰のほとんどは、投機マネーの参入が一因となっています。
大豆の生産スケジュール
主要輸出国であるアメリカでは、5月から7月ごろまでが作付け時期となっており、10月から11月ごろに収穫を迎えます。作付けから生育・成熟の時期にかけては天候相場が展開されます。
とうもろこしの生産状況との関係
アメリカの大豆生産地の多くはコーンベルト地帯と重複しており、同じ農家がとうもろこしを生産したり、大豆を生産したりしています。このため、大豆ととうもろこしの生産量は常に「綱引き」のような状況になっていて、とうもろこしの作付け面積が増えれば、大豆の作付け面積が減るという関係にあります。とうもろこしの作付けは、大豆よりも1ヵ月ほど早く、とうもろこしの作付けが大量に行われると、大豆の作付け面積減→生産量の減少と予測され、大豆価格が早々に上昇する傾向があります。アメリカの農家は、作付け時期の前に大豆の価格ととうもろこしの価格を見比べて、より価格の高いほうの作付けを選択するともいわれ、こうした農家の意向を読み取ることが大豆価格を予想するうえで重要なポイントとなります。
注目指標など
他の穀物と同様、アメリカ農務省(USDA)の発表する需給統計、アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)の発表する建玉明細が、価格変動を予想するための最重要指標となります。また、豊作・不作を左右する天候状況についてはアメリカ農務省のホームページで詳細を確認することができます。
天気の影響を受けやすいからアメリカの天候をチェックするのね
USDA需給統計
アメリカの農務省(USDA)が毎月10日前後に発表。生産量、消費量、期末在庫、期末在庫率など、価格変動に大きな影響を及ぼす重要情報を把握することができます。この需給統計はUSDAのホームページで確認できますが、日本の農林水産省も、USDA発表後の比較的早い段階でポイントを翻訳・公表しています。
CFTC建玉明細
アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)が毎週金曜日に発表。前週火曜日の建玉状況のため、事後的にはなりますが、商社などの実需筋、ヘッジファンドなどの投機筋の建玉状況をそれぞれ確認することができます。投機マネーの動向が大豆価格についても大きく左右してきた実績があることから、注目しておきたい指標です。
トウモロコシと相関関係に
大豆ととうもろこしの間には、どちらかの作付けが多ければ、どちらかは絶対に少ないといった興味深い関係があります。高値でとうもろこしが売れると思えば,とうもろこし農家が増えます。すると,大豆や小麦を作付けする農家が減り,その年の大豆や小麦の生産が減少する傾向にあるので、それらの予測を上手に活かしたところです。なお、一般的にコーンと大豆の比価は2.5程度で見られることが多く、コーン有利<2.5<大豆有利と言われます。
XMの大豆のスプレッド&レバレッジなど
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シンボル | SBEAN |
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内容 | US Soybeans |
最低価格変動 | 0.0001 |
値動きの最初値 | USD 0.04 |
最低スプレッド | 0.01 |
1ロット | 400 Bushels※ |
最少/最大取引サイズ | 1/250 |
必要証拠金率 | 2% |
レバレッジ | 50倍 |
※1Bushels(ブッシェル)は容量35リットルのこと。大豆は約27.2キロにあたります。
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大豆(SBEAN)の取引時間
夏時間(日本時間) | 冬時間(日本時間) |
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月曜日08:05~土曜日03:10 ※平日20:40~21:35、02:10~08:05はメンテナンス |
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