XM(XMTrading)では法人口座を開設できません。しかし、代替手段として個人でも法人化すれば、法人口座運用とほぼ同等のメリットが得られます。今回の記事では、個人が法人化すべき収益&所得の目安や注意点について解説します。
XMは法人口座を開設できない【2024年現在】
法人口座の受付は2018年に停止
2024年現在、XMでは法人口座は開設できません。
XMは2018年から、法人口座の新規受付を停止しています。
海外法人でも法人口座は開設不可
XMでは、海外法人であっても法人口座開設はできません。
法人の所在地に関わらず、法人口座そのものの新規受付が停止されているのでご注意ください。
XMでは法人口座が開設不可!
法人口座を開設できないXMでの代替手段は?
個人でも法人化すればトレード損益を法人の損益に計上可能
XM及び海外FX会社では、個人の方でも法人化すれば、個人口座の損益を法人としての損益として計上できて、税金を安く抑えられる場合があります。
XMでは法人口座の開設はできませんが、個人でも法人化というステップを踏めば、個人口座でも法人口座と同じような効果を得られます。
法人の事業として約款に追加すれば税制面で有利
法人化した場合、法人の事業としてFXの損益を約款に追加すれば、税制面で有利になる可能性が高いです。
個人の場合、所得税と住民税(一律10%)で税率は最大55%です。所得税は、収入に応じて高くなる(累進課税)ため、収入が多いほど税率は高くなります。
一方、法人化した場合、法人税・法人事業税・法人住民税が課せられますが、どれだけ稼いでも税率は最大33.2%です。
個人も法人化すれば、法人口座の運用とほぼ同等のメリットを得られる!
法人口座を開設できないXMではいくら稼げば法人化すべき?
個人が法人化した方が良い大体の目安は、FXの利益を含む所得が「700万円」を超えた場合です。
個人の税率は、所得が700万円を超えると33%になり、法人化した場合の税率とほぼ同等になります。この場合、法人化した方が経費にできる範囲が広がるので、より納税できる可能性があります。
個人 (所得税+住民税) |
法人 (法人税+事業税など) |
|
---|---|---|
税率 | 15〜55% | 21.8〜33.2% |
所得500万円 | 30% | ~33.2% |
所得700万円 | 33% | ~33.2% |
所得1,000万円 | 43% | ~33.2% |
トレード損益と法人設立&維持費の分岐点
700万円以上稼いだら法人化すべき、というのは1つの目安ですが、法人化には法人設立費や維持費などのコストがかかります。
設立費やランニングコスト、法人の決算申告の複雑さに伴う税理士への依頼費用などを踏まえると、ざっくりと730万円以上稼いでいる場合は、法人化した方がお得になる可能性が高くなります。
個人 | 法人 | |
---|---|---|
設立費用 | – | 10万~50万円 |
経費の範囲 | 狭い | 広い |
損失繰越 | 不可 | 10年間 |
損益通算 | 狭い (海外FX・仮想通貨など) |
広い (事業所得全般) |
含み損益の計上 | なし | あり |
確定申告 | 簡単 | 複雑 (税理士に依頼した場合、約15万円) |
赤字が出た際の申告 | 課税なし (確定申告も不要) |
法人住民税7万円~が徴収 (決算申告の必要あり) |
法人設立の費用は、株式会社の場合は25万円以上、合同会社の場合も10万円ほどかかります。
FXの利益を含む所得が730万円以上なら、法人化を検討しよう!
法人口座を開設できないXMで個人が法人化するメリットとデメリットは?
ここからは、法人口座を開設できないXMで、個人が法人化するメリットとデメリットを解説します。
法人化のメリット
法人化の3つのメリット
・経費として計上できるものが多くなる
・損益通算や損益繰越が可能
最大税率が20%ほど安くなる
先述した通り、個人はFX利益を含む所得が約700万円を超えた場合、所得税が法人化した場合のものと同等になります。
個人の場合は稼ぐほど税率が上がり、最大税率は55%になります。しかし、法人化した場合は、どんなに稼いでも最大税率は33.2%です。
経費として計上できるものが多くなる
法人の場合は、経費として計上できるものが多くなります。
個人口座が経費計上できるもの
・インターネット料金
・FXに関する書籍や新聞代
・FXに関するセミナーの参加費用および交通費
・FXに関するメルマガ代
・取引に利用する部屋の家賃や光熱費
・自動売買用のVPS契約費用
・EAやインジケーターの購入費用
・ECN口座などの取引手数料
法人の場合は、上記に加え、以下の費用も経費算入ができます。
法人口座のみ経費計上できるもの
・役員社宅としての住居の家賃
・接待交際費
・出張費および交通費(海外旅行含む)
・生命保険の保険料
・退職金
個人が法人化した際、多くの場合は、車や家賃の半分、ネット代などを経費として計上するパターンが多いようです。
損益通算や損益繰越が可能
個人の海外FX口座の場合、損益通算できる対象は、仮想通貨やバイナリーオプション、アフィリエイトなどに限られています。
一方、個人が法人化した場合、他の事業と損益通算が可能になります。例えば、FX以外の事業で損を出している場合、FXの利益と損益通算が可能です。
また、法人化では、損失を翌年以降(最大10年間)に繰延べできる損益繰越も可能です。例えば、1年目に50万円の損失が出てしまい、2年目に100万円の利益が出たとしましょう。この場合、1年目に確定申告を行って損失繰越を行っておけば、2年目の利益と相殺できます。
他の事業と損益通算は大きな魅力だね!
法人化のデメリット
法人化の2つのデメリット
・赤字の場合も法人住民税が発生する
法人設立&維持費にコストがかかる
法人を設立するには、10万~50万円の初期費用がかかります。株式会社の場合は25万円以上、合同会社の場合は10万円ほどです。
また、法人の維持費は、どんなに安く抑えても15万〜30万円ぐらい、と考えておきましょう。ただし、経費計上などで相殺すれば状況は変わるため、法人化前には一度シミュレーションを行って慎重に検討するのがおすすめです。
初年で30万ぐらい、翌年以降は最低15万〜30万円ぐらいコストがかかるから、法人化前は要検討が必須!
法人の維持費
・税理士や公認会計士などの利用費用
赤字の場合も法人住民税が発生する
法人化すると、年間所得が赤字の場合も、最低7万円の法人住民税がかかります。
法人では1年に1度必ず決済を行い、法人住民税を収めなければなりません。個人の場合、所得がマイナスの際は確定申告は不要ですが、法人の場合は決算申告が必須で法人住民税の納税義務も発生します。
法人口座を開設できるおすすめ海外FX業者3選
Exness
運営会社 | Exness Limited | ||
---|---|---|---|
公式サイト | https://www.exness.com/ja/ | ||
設立年 | 2008年 | ||
取引方式 | NDD方式 | ||
レバレッジ | レバレッジ無制限 | ||
ロスカット | 証拠金維持率 0%以下 | ||
取引ツール | MT4/MT5 | ||
ボーナス | なし | ||
平均スプレッド | ドル円 | ユーロドル | ポンド円 |
1.10pips | 1.00pips | 2.01pips |
Exness(エクスネス)は、レバレッジ無制限と極狭スプレッドは魅力の、中上級者御用達の海外FXブローカーです。
XMのスタンダード口座でFXトレード経験を積んだ後、ExnessでゴールドなどのCFD商品を取引して稼ぐ専業やプロトレーダーは方は多くいらっしゃいます。
Exnessのメリット
・国内FXにも負けない狭いスプレッド
・ゴールドなどのCFD銘柄はスワップフリー
Exnessのデメリット
FXGT
運営会社 | 360 Degrees Markets Ltd. | ||
---|---|---|---|
公式サイト | https://fxgt.com/ja | ||
設立年 | 2019年 | ||
取引方式 | NDD方式 | ||
レバレッジ | 最大1,000倍 | ||
ロスカット | 証拠金維持率 20%以下 | ||
取引ツール | MT4・MT5 | ||
ボーナス | ・口座開設ボーナス(12,000円) ・入金ボーナス(最大130万円) |
||
平均スプレッド | ドル円 | ユーロドル | ポンド円 |
1.65pips | 1.69pips | 3.34pips |
FXGTは、仮想通貨トレードにも力を入れており、仮想通貨取引所としても高い人気を得ています。
FXやCFD以外にもビットコインやイーサリアムなどを取引したい方におすすめです。
FXGTのメリット
・FXトレーダーと仮想通貨トレーダーの両方から評判が良い
FXGTのデメリット
・入金ボーナスには獲得条件がある
Axiory
運営会社 | Axiory Global Ltd. | ||
---|---|---|---|
公式サイト | https://www.axiory.com/jp/ | ||
設立年 | 2011年 | ||
取引方式 | NDD方式 | ||
レバレッジ | 最大400倍 | ||
ロスカット | 証拠金維持率 20%以下 | ||
取引ツール | MT4・MT5・cTrader | ||
ボーナス | 入金ボーナス(不定期開催/最大10万円) | ||
平均スプレッド | ドル円 | ユーロドル | ポンド円 |
1.20pips | 1.23pips | 1.99pips |
Axioryは、Exnessに並ぶ極狭スプレッドで、かつ板情報を確認できる取引プラットフォームcTraderに対応している数少ない海外FX業者です。
AXIORYのメリット
・安全性が高い海外FXの中でFX取引ツール「cTrader」に唯一対応
AXIORYのデメリット
・ボーナスが不定期開催&高額ではない
法人口座を開設できないXMでよくある質問
いくら以上稼いでたら法人化した方がお得?
所得税の税率の低さだけで見ると、個人でも法人化した方が良い目安は、FXの利益を含む年間の収益が700万円を超えた場合です。
法人設立費や維持費なども踏まえると、大体730万円以上稼いだ場合は真剣に法人化を検討した方が良いといえます。
個人が法人化するのに資本金はいくら必要?
法人は資本金が1円でも設立できます。
ただし、株式会社では25万円以上、合同会社では10万円ほどの設立費がかかります。
法人化した後は1年間でいくらコストがかかる?
どんなに安く見積もっても、年間15万円以上のコストがかかると考えておくのが安心です。
年間の所得が赤字の場合も、法人住民税が7万円程度かかります。また、書類を集めた決算申告時にも税理士費用(15万円〜)がかかるので、諸々の費用を踏まえると年間所得が730万円以上から法人化検討がおすすめといえます。
法人化を真剣に検討すべきボーダーは、所得が730万円を超えた時!
法人口座を開設できないXMでの代替手段 まとめ
XMでは法人口座を開設できません。しかし、個人も法人化をする方法で、他の海外FX会社の法人口座の口座タイプと同等の効果を得られます。
法人化した方が良いボーダーは、個人のトレード状況や環境により異なります。FXの利益が年間700万円を超えた場合は、経費計上での相殺などを踏まえて慎重にシミュレーションを行い、法人化を検討してみるのがおすすめです。