プラチナは金を超える希少性と価格を備える貴金属。 価格変動性が高く、投資商品としても高い人気を持つ。
プラチナ相場の状況<2024年>
プラチナ(白金)の現物相場は、 新型コロナウイルスの感染拡大による株安を受けて軟調に推移すると、欧州での感染者急増により急落しました。
感染者が急増したイタリアでは欧州の自動車・部品メーカーが生産を停止・縮小しています。フィアット・クライスラー・オートモービルズは、欧州工場の大半を閉鎖しています。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、工場閉鎖が長引くようなら、自動車触媒である白金の需要が減少します。
イタリアではコロナの感染状況が一旦落ち着きを見せていますが、まだまだ油断はできません。しばらく、白金相場はボラティリティの高い展開になることが予想されます。
<プラチナ(PLATINUM)の週足チャート>
プラチナ(白金)とは
プラチナ(白金)の用途
指輪やネックレスなど宝飾品の材料として広く利用されています。プラチナ製といえば高級品の代名詞でもあり、実際に高額で取引される宝飾品が珍しくありません。中国、日本のプラチナ選好度が特に高く、両国では特に利用が盛んです。銀と同様に工業用の需要も多く、主に排気ガスを無毒化するための自動車触媒として相当量が利用されています。ハードディスクの磁気体、燃料電池の電極、液晶テレビなどの分野でも利用されており、これら工業用需要は今後ますます伸びる可能性があります。
稀少性が高い上に利用価値も高いことから価格は必然的に高くなるよね
どこで生産されるのか
プラチナの生産は、南アフリカとロシアにほぼ集中しています。特に南アフリカの産出量は圧倒的で、全世界のプラチナ生産の7割以上は南アフリカが占めています。この理由は、プラチナ鉱床が過去の隕石衝突によって誕生したものであるという説が有力であり、実際、南アフリカには円形状に薄いプラチナ鉱脈が広がっています。近年ではスクラップ回収による生産も存在感を増しており、世界生産量の1割程度(ロシアの生産量と同規模)は、スクラップ回収による生産が占めているといわれています。
スクラップからの回収が1割もあると無視できない量ですね
プラチナ(白金)の主要生産地
主要生産国
主要消費国
取引市場と価格の動き
プラチナの価格は、スイスのロコ・チューリッヒ市場、イギリスのロコ・ロンドン市場、ニューヨークのNYMEX市場、東京工業品取引所などで形成されます。金や銀と異なり、NYMEX市場より東京工業品取引所のほうが流動性が高く、大きな存在感を持つという特徴もあります。金や銀と同様に2000年以降、価格は右肩上がりの傾向がありますが、2008年後半には自動車触媒の需要が落ち込むとの観測から大暴落を起こしています。この局面では金や銀も値を下げていましたが、プラチナの下落幅は圧倒的に大きく、金銀との価格差が縮まることになりました。
ただし、その後2019年までは主要生産国である南アフリカのランド安が続いたことで、プラチナの価格も下落するという相場が現在まで続いています。
基本データ | |||
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元素記号 | Pt | 元素番号 | 78 |
利用用途 | 宝飾品、工業用品、現物保有用等 | 主な生産国 | 南アフリカ、ロシア、北米地域 |
年間生産高 | 約200トン | 主な輸入国 | 中国、日本 |
プラチナ価格の変動要因は?
プラチナの生産地は南アフリカとロシアに偏っており、しかもロシアは生産量のほとんどが国内消費に回ることから、世界のプラチナ生産はほぼ南アフリカ一国に依存している状況です。このため、南アフリカランドとの相関性が高まる結果となります。
また、南アフリカとその鉱山会社の動向が、価格変動に影響を及ぼし、自動車触媒としての需要が大きなウエイトを占めることから、自動車業界の動向も見逃せません。
主な価格変動要因
南アフリカの動向
一大生産地である南アフリカに何か問題が発生すると、プラチナ価格も反応する可能性があります。特に電力供給については不安を抱えている国であり、その動向が注目されています。
自動車業界の動向
プラチナの工業需要のうち、半分は自動車触媒が占めているといわれます。自動車生産台数が増えれば、必然的にプラチナの需要も伸び、価格を押し上げる要因となります。
鉱山会社の動向
鉱山会社の中には世界生産量の3分の1以上にあたる70トン以上も生産する会社があり、上位企業での寡占が進んでいることから、これらの動向もプラチナ価格に影響を与えます。
ETFなどの動向
プラチナを投資対象とするETFなども近年では多数設定されています。これらの中には、現物プラチナを保管するタイプのものもあり、供給量を大きく圧迫する存在となっています。
宝飾用需要の動向
プラチナは指輪などの宝飾用需要が大きなウエイトを占めるため、この動向も価格を大きく左右します。特に日本はプラチナ選好度が高く、宝飾用需要を見るうえでは注目の存在です。
投機マネーの動向
プラチナは産出量・取引量が少ないことから、時に大きな値動きをすることがあります。このため、一獲千金を狙う投機マネーのターゲットになるケースも少なくありません。
南アフリカの鉱山事情と電力問題
南アフリカでは近年、鉱山死亡者が多数出ていることを背景として、安全対策に関する基準が引き上げられています。問題のある鉱山は操業できず、生産量が落ち込むというケースもあります。実際、南アフリカの鉱山会社最大手アングロ・プラチナム(ANGRO PLATINUM)は、安全対策のために2007年には大きく生産量を減らしたといわれています。また、南アフリカの電力問題と雇用問題は深刻であり、2008年には同国電力公社エスコム(Eskom)が電力供給を停止したことや、2017年にも労働組合のストライキが起きたことで供給がストップすることもありました。またこれらの問題は2019年現在もリスクとして継続しています。
①アングロ・プラチナム
②インパラ・プラチナム
③ロンミン
④アクエリアス・プラチナム
⑤ノーザム
注目指標など
米国雇用統計などの重要指標、そして金をはじめとする貴金属全般の価格が最大の参考指標といえますが、プラチナ独自の注目材料も少なくありません。投機マネーの動向によって価格が大きく変動するケースもありますので、アメリカのCFTCが発表する建玉明細にも注目したいところです。
ロコ・チューリッヒ市場の取引価格
世界的なプラチナ現物取引の場であるロコ・チューリッヒ市場の価格は、貴金属取引の巨大市場であるロコ・ロンドン市場に大きな影響を与えます。ロコ・ロンドン市場では午前と午後に1回ずつ取引価格が発表されますが、そこから先物を含む世界の取引市場のプラチナ価格が形成されていく流れが一般的です。
専門調査会社のレポート
生産地が限られ、公開情報も少ないプラチナの場合、専門調査会社のレポートに価格が左右されることも少なくありません。特にジョンソン・マッセイ(Johnson Matthey)社の「世界需給レポート」は、その発表後にプラチナの価格が大きく反応することもあります。また、世界的な貴金属調査会社であるGFSM社のレポートにも注目が集まります。
今の「プラチナ価格」はここがポイント
近年は南アフリカランド円の下落に引きづられ下落を続けた白金(プラチナ)ですが、2019年に入ってからいよいよ底打ち感が出てきました。プラチナの需要を支えているのは、今や自動車触媒などの工業用品が大半であり、工業用需要としての価値が高まりつつあります。ただし、将来的には、排ガスを一切出さない自動車が一般的になり、プラチナの需要が急減するのではないかとの意見も見え始めています。
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シンボル | PLAT |
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最低価格変動 | 0.01000 |
最低スプレッド | 3 |
1ロットあたりの価格 | 10 Troy ounces※ |
レバレッジ | 22.2倍 |
※1Troy ounces=31.103g
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プラチナ(PLAT)の取引時間
夏時間(日本時間) | 冬時間(日本時間) |
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月曜日06:05~土曜日05:50 ※平日05:55~06:05はメンテナンス |
月曜日07:05~土曜日06:50 ※平日6:55~07:05はメンテナンス |
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