・通貨強弱の仕組みや見極め方について知りたい方
・通貨強弱を使ったFX手法を知りたい方
本記事のテーマ
通貨強弱を活用するトレード手法&インジケータ
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
FXで取引するときに選択する通貨ペアは2つの通貨が組み合わさっているものですが、通貨単体での売り買いの強弱で値動きが決まってくることをご存じでしょうか?
また、強弱とともに通貨の表記が右側か左側かによっても値動きが変わりますが、実際にそこまで考えながら取引するのは難しいかもしれません。
そこで今回は、通貨単体での強弱を見極めて、トレンドを予測できるように通貨強弱の基礎知識から仕組み、分析方法について詳しく紹介します。
また、通貨強弱(currency strength)を見極めるのに便利なインジケーターやアプリのご紹介もします。
通貨の強弱とは
通貨強弱とは「円」や「ドル」など単体でどの程度の売り買いがあるのかを分析することです。
通貨の強弱について(ドル円の場合)
- 1ドル100円→101円になる=米ドルが強く、円が弱い
- 1ドル100円→99円=円が強く、米ドルが弱い
それぞれの通貨には「買われやすい通貨=強い通貨」「売られやすい通貨=弱い通貨」があり、2つの通貨が組み合わさることで、値動きが発生しています。
そのため、通貨の強弱(単体の売り買い)を分析すれば、値動きの予測がしやすくなりトレードを有利に進めることができます。
通貨価値のギャップ
FXの取引で扱う通貨には米ドルや円以外にはユーロ、ポンド、豪ドル、などがあり、それぞれの通貨はその国の経済力や持っている資源などにより、注目される(買われる)場面が異なります。
以下に、主要通貨の一般的な特徴をまとめました。これらの特徴をもった通貨のペアに注目度や重要度の強弱が生まれることで相場は変動し続けています。
<FXの主な通貨とその特徴>
通貨 | 特徴 |
---|---|
米ドル(USD) | 基軸通貨であり、世界中で取引に使われている。影響力が大きく戦争などの有事の際に買われることが多い。 |
ユーロ(EUR) | 準基軸通貨であり、米ドルと逆相関の関係の値動きが多い。 |
円(JPY) | 日本は29年連続の世界最大の対外純資産国であり、米ドル同様に有事の際に買われることが多い。 |
スイスフラン(CHF) | 永世中立国の通貨であるため、地政学的リスクから資金逃避先として、有事の際には買われやすい。 |
加ドル(CAD) | 石油や天然ガス、金属等のエネルギー資源が豊富であり、資源価格と連動した値動きをとる。 |
豪ドル(AUD) | 石炭、石油、天然ガス等の天然資源が豊富で、カナダと同様に資源価格と連動した値動きをとる。 |
ポンド(GBP) | 別名「殺人通貨」と呼ばれる。ポラティリティが大きい通貨ペアは、GBP関連。 |
経済や政治情勢は変化しているため、それぞれの特徴により通貨価値にギャップが生まれる!
通貨強弱からトレンドを予測
単体での通貨同士の力比べの結果、通貨ペアの価格は上下します。通貨の強弱の差が大きければ大きいほど、強い通貨買われ、弱い通貨は売られることで、トレンドが発生しやくなります。
通貨の力関係(通貨ペアの左通貨/右通貨)
- 左通貨が強い=アップトレンド
- 右通貨が強い=ダウントレンド
- 通貨の強さが同じ=レンジ相場
例えば、USD/JPY(ドル円)の場合、ドルが円より強くなると、チャートが上に引っ張られるチカラが強くなるため、アップトレンドが発生しやすくなりますが、円がドルより強くなると、チャートが下に引っ張られるチカラが強くなるため、ダウントレンドが発生しやすくなります。
通貨強弱のチェックポイント
通貨強弱の具体的なチェック方法は2つあります。
通貨強弱のチェックポイント
- 前日比%を見る
- 相関係数(相関チャート)を見る
それぞれのやり方や注意点について紹介するよ!
前日比%を見る
前日比は、通貨ペアの前日の終値と比較した値のことですが、前日比のポジション割合がプラスかマイナスによってトレンドの発生状況が変化します。
<前日比%>
上記の表は「FX株マップ.com」で閲覧できます。前日比で通貨強弱の分析をするときに便利です。
前日比とトレンドの関係性
- 前日比の割合がプラス=アップトレンドが発生しやすい
- 前日比の割合がマイナス=ダウントレンドが発生しやすい
前日比の数値は「プラス=左側の通貨が強い」「マイナス=右側の通貨が強い」という判断をしよう!
前日比を見ればを細かい分析をしなくても、通貨の強弱を判断できます。上記の表ではクロス円がほぼプラスになっているので、日本円が弱くなっているという判断になります。
またその中でも英ポンド円の数値が高いので、全体的にポンドの価値が高まっていることもわかります。
GPB/〇〇〇という通貨ペアはアップトレンドが発生しやすいってことだね!
相関係数を見る
相関係数とは、通貨ペアごとの相関性を「-1から+1」までの値で示した数値のことです。「+1」に近づくほど相関性が強く、0に近づくほど相関性が弱くなっているので覚えておきましょう。
<相関係数>
「-1」に近づくと逆相関性(反対の動き)が強くなるよ!
相関係数を見れば相関性から通貨の強弱を判断することができます。また前日比と組み合わせることによって、予測の精度を向上させることも可能です。
ただし、相関係数は集計する期間によって変化するので、事前に確認してから取引することをおすすめします。
通貨強弱を使ったFXエントリー手法
通貨強弱はトレンド予測に役立ちますが、通貨強弱を利用する場合、どのような手順でエントリーするのかを紹介します。
通貨強弱を使用してエントリーするときの手順
- Currency Strength Chart&MAで通貨強弱を確認
- エントリー対象の通貨ペアを決定
- エントリー対象の通貨ペアのチャートを確認し、エントリーに適しているかを確認
- エントリー(指値と逆指値の設定)
①Currency Strength Chart&MAで通貨強弱を確認
通貨強弱を使ってエントリーするときは、トレーディングビューの「Currency Strength Chart&MA」のグラフを使って、通貨強弱を確認することから始めます。
まずグラフの見方ですが、数値が100に近いほど強く(買われる)、-100に近づくほど弱い(売られる)可能性が高くなるため、各通貨の上下の位置を見ます。
上記の表で通貨強弱を分析すると「AUD/〇〇〇」という通貨ペアはアップトレンドが発生しやすく、「CHF/〇〇〇」という通貨ペアはダウントレンドが発生しやすくなっていると判断できます。
他の通貨に関してもグラフを見て強弱を判断すれば、値動きの予測がしやすくなるので、TradingViewの「Currency Strength Chart&MA」を使ってみることをおすすめします。
②エントリー対象の通貨ペアを決定
「Currency Strength Chart&MA」の通貨強弱チャートで確認した結果、AUD(豪ドル)が最も強く、CHFが最も弱いことが分かるので、「AUD/CHF」の買いをエントリーの対象とします。
③エントリー対象の通貨ペアの通貨強弱チャートを確認
通貨強弱を確認後、分析した結果が正しいかどうかを判断する必要があるので、「AUD/CHF」のチャートを確認してみましょう。
上記はAUD/CHFの1時間足チャートになります。通貨強弱が示すように、チャートでもアップトレンドになっていることが分かります。
④エントリー【指値と逆指値の設定】
エントリーする位置はトレンドとは逆方向の下方向に押し目をつけている部分でエントリー(赤丸付近)をしてみましょう。
下ヒゲつきの陰線等が確定した付近がベストなポジション保有のタイミングになります。直近の高値付近に指値、直近の安値付近に逆指値を置いてコツコツと利益を狙いましょう。
通貨強弱を見分けるインジケーター
トレーディングビューでの表示&使い方
通貨強弱を見分けるときに使用するトレーディングビュー(Tradingview)の「Currency Strength Chart&MA」表示方法と使い方について解説します。
「Currency Strength Chart&MA」を表示させるときはトレーディングビュートップページの「チャート」をクリックします。
<トレーディングビューTOPページ>
「インジケーター」→「Currency Strength Chart&MA」を選択すると先ほどの通貨強弱を表示させることができます。
Currency Strength Chart&MAは、チャートの時間足の切り変えに連動して、4時間足、日足等の長い周期の通貨売買の状況を把握することができます。またインジケーターの境界を引き延ばすこともでき、視認性を高めることも可能です。
通貨強弱を把握することで、自分のトレードを有利に進めることができます。通貨強弱インジの「Currency Strength Chart&MA」を上手に活用して、取引時の選択肢を増やせるようにしましょう。