・ZigZagを使ったチャート分析を知りたい方
・ZigZagを使ったおすすめトレード手法を知りたい方
本記事のテーマ
ZigZagはトレンド判断やサポレジライン特定に大活躍
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届けします>
ZigZag(ジグザグ)は、価格の上昇と下落の山と谷を視覚的に表示できるため、海外FXトレーダーに人気のあるインジケーターです。
エリオット波動に基づくトレンド判断や、水平線のサポートライン・レジスタンスラインの特定など、他の分析や指標と組み合わせることで、さまざまな場面でFXトレードに活用できます。
今回の記事では、ZigZagの基本的な見方や使い方、おすすめのトレード手法や注意点、MT4/MT5に表示する方法を詳しく解説します。
ZigZagとは?
高値と安値を結ぶインジケーター
ZigZagは、チャート上の高値と安値を「直線」で結ぶことで、価格の上昇と下降の山と谷を視覚的に分かりやすく表示するインジケーターです。
<ZigZag>
複雑な値動きを端的にチャート上に表示できて、値動きの方向性を判断する際に活用可できます。
短期でも長期でも有効活用できるよ!
ZigZagの計算方法
ZigZagの基本となる高安値は、「3ステップ」で計算されます。
ZigZagが形成される過程
②暫定高値を超える上昇が発生したタイミングで、暫定高値が更新。
③暫定高値から価格が下落し、期間Aの中で暫定安値が形成された時、暫定高値が高値として確定。
③で高値が確定後は、②に戻り、安値を同様の手順で計算します。これを繰り返すことで、価格変動の山谷が表示されます。値動きによっては、ノイズを排除するため高安値が削除される場合もあります。
最初はデフォルトの設定がおすすめ!
ZigZagの3つのパラメーター
ZigZagには、高安値を計算するためのパラメーターが3つあります。パラメーターの設定により、高安値の山谷の大きさが変化します。
3つのパラメーター
Deviation:高安値の転換率を指定(小さな値動きを排除)。
Backstep:高安値を更新する最小期間を指定(ノイズを排除)。
高安値の計算に最も影響するのは「Depth」です。上のチャートのように、Depthを大きくすると、小さな山谷には反応しなくなり、大きな波を描くようになります。
「Deviation」と「Backstep」は、極端な値動きを排除する役割を果たしますが、影響は大きくありません。
ZigZagを使ったチャート分析手法3選
ZigZagのチャート分析手法3選
・ダウ理論を組み合わせてトレンド判断
・水平線と組み合わせてレジスタンスラインを引く
エリオット波動のカウント
ZigZagは高安値を明確に表示できるため、エリオット波動のカウントにおすすめです。
エリオット波動は、値動きを規則的な波動のパターンとして捉え、トレンドの継続や転換点を判断する分析手法です。
ZigZagの山谷から現在の値動きがエリオット波動のどこに位置しているのかを把握し、トレード戦略に活かせます。
視覚的に分かりやすいのが最大のメリット!
ダウ理論を組み合わせてトレンド判断
ZigZagとダウ理論を併用すれば、トレンド継続やトレンド転換の判断が明確になります。
ダウ理論は、「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで続く」という原則に基づいたものです。
下のチャートのように、安値を更新し、高値を切り上げた場合は「下降トレンド」、下降トレンド中に安値を更新できず、高値が更新された場合「上昇トレンドへの転換」と判断できます。
ダウ理論では高安値の更新がトレンド判定の基準となっているため、ZigZagでチャート上の目立つ高安値を明示することで、トレンドの見極めが簡単にできます。
トレンド転換を瞬時に察知できるぞ!
水平線と組み合わせてレジサポラインを引く
チャート上で、サポートラインやレジスタンスラインを引く際も、ZigZagが有効です。
ZigZagがチャート上で高値や安値の節目を示してくれるため、高安値が集中している箇所はサポートラインやレジスタンスラインとして機能しやすくなります。
ZigZagは、価格変動のノイズを排除することで重要な山谷を視覚化できるので、精度の高いサポレジラインだけを見つけられます。
ZigZagを使ったおすすめトレード手法4選
ZigZagのおすすめトレード手法4選
・トレンドラインを組み合わせたトレンドフォロー
・フィボナッチ・リトレースメントを組み合わせたトレンド転換
・オシレーター系を組み合わせた逆張り手法
水平線を組み合わせたロールリバーサル
ZigZagと水平線を活用して、「ロールリバーサル」を狙ったトレードができます。
ロールリバーサルとは、それまでサポートやレジスタンスとして機能していた水平線が破られた後、逆にレジスタンスやサポートとして機能の転換が起こる現象です。
ZigZagが示す高安値の節目と水平線が一致し、水平線の役割が「レジスタンス」から「サポート」に変化するタイミングを見計らいます。
トレンドラインを組み合わせたトレンドフォロー
ZigZagの高値や安値を結んだトレンドラインを引くことで、相場の波に乗ったトレンドフォロー手法が使えます。
上のチャートのような下降トレンドの場合には、高値を結んだトレンドラインが「抵抗線」となり価格が下落しやすくなります。
トレンドラインまでしっかり引きつけて、価格がラインにタッチし、反発したことを確認できてからエントリーすることで確実性が上がります。
トレンドフォローはスキャルピングの基本!
フィボナッチ・リトレースメントを組み合わせたトレンド転換
ZigZagとフィボナッチ・リトレースメントを組み合わせて、トレンド転換を狙う手法も使えます。
フィボナッチ・リトレースメントは、値動きが反転する可能性の高い「支持ライン」を高安値からの割合を利用して算出できるツールです。「38.2%」や「61.8%」のラインがよくトレードに用いられます。
価格の上昇中に、一時的に価格が下落しフィボナッチ「38.2%ライン」まで戻りを見せ、安値が形成された場合は、下落の勢いが衰えたと判断して、反転上昇を狙ったエントリーができます。
オシレーター系を組み合わせた逆張り手法
ZigZagをRSIなどのオシレーター系のインジケーターと組み合わせれば、逆張りトレードもできます。
オシレーター系のRSIやストキャスティクスは、価格が「一方的」に買われている、もしくは売られていることを示すインジケーターです。
一般的に、RSIは、70以上が買われすぎ、30以下が売られすぎの水準とされています。
価格の下落中にRSIが30以下、ZigZagの安値が発生したタイミングで、逆張りのロング、逆にRSIが70以上で高値が形成された場合は、ショートエントリーを狙えます。
ただし、オシレーターが「買われすぎや」を「売られすぎ」を示したとしても、トレンド相場ではレートが反転しないことも多いので、逆張りトレードは「短期手法」と考えておきましょう。
ZigZagを使う際の2つの注意点
ZigZagの2つの注意点
・リペイントで高値・安値が書き換わる可能性がある
レンジ相場では判断材料になりにくい
レンジ相場では、ZigZagの高安値によって値動きの方向性を判断する材料になりにくいです。
ZigZagは大きな方向性のある相場で威力を発揮しますが、狭いレンジ相場では上下を繰り返すだけで、価格の動きを明確に捉えられません。
そのため、ZigZag線の「傾きが緩やか」になった場合は、ZigZagを根拠にトレードしないのが良いでしょう。
切り上げや切り下げが曖昧な場合は注意しよう!
リペイントで高値・安値が書き換わる可能性がある
ZigZagは、その後の値動きによってリペイントされ、高値・安値が更新される可能性があります。
ZigZagは、高値・安値は計算方法で解説した通り、「暫定」の段階でチャートに表示されます。価格が暫定の高安値を更新した場合は、新たな高安値に表示が切り替わり、元々の暫定高安値は削除されます。
また、パラメータの「Backstep」で指定した期間内にある「過去の高安値」も同様にリペイントで更新される可能性があります。
ZigZagをMT4/MT5で表示させる方法
MT4/MT5で、ZigZagをチャート上に表示させる方法は以下の通りです。
MT4/MT5の「挿入」タブ→「インジケーター」→「カスタム」→「ZigZag」を選択してクリックします。
インジケーター設定ウィンドウが開くので、パラメーターの値を入力します。デフォルトでは「Depth:12」、「Deviation:5」、「Backstep:3」になっています。
パラメータ設定後、「OK」ボタンを押すと、チャートに表示できます。
ZigZagはMT4/MT5に標準搭載!
ZigZagの基本的な見方と使い方 まとめ
ZigZagは、値動きの高値と安値を視覚的に表示できるインジケーターです。
3つのパラメーターによってインジケータの感度を調整できるので、すべての時間軸で利用可能です。特に「Depth」は山谷の大きさを決定する重要な項目です。
実際の海外FX取引においては、本記事で紹介したロールリバーサル手法、トレンドフォロー手法、フィボナッチリトレースメントでトレンド転換のタイミングを狙う手法などと組み合わせて利用されることが多いです。
ただし、一度描写された高安値は書き換わる可能性があるため、ZigZagだけを見てエントリーするのではなく、他の分析を考慮して海外FXトレードすることが有効です。