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FXでの「デッドキャットバウンス」の活用方法や注意点を解説

FXでの「デッドキャットバウンス」の活用方法や注意点を解説
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本記事のテーマ

大きく稼ぐチャンス!「デッドキャットバウンス」を見逃すな

<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>

「デッドキャットバウンス」はトレード用語の一つで、大幅な価格下落後に一時的な上昇が見られるものの、その後再び下落する現象を指します。デッドキャットバウンスを理解すると、下落トレンドでの一時的な反発時や再下落する時のトレード戦略が立てやすくなります。

ただし、デッドキャットバウンスも他のトレード手法と同様に聖杯ではないので、デッドキャットバウンスのリスクを知っておくことも大事です。本記事では、デッドキャットバウンスの定義から具体的な活用方法、注意点、インジケーターの使い方まで詳しく解説します。

目次

デッドキャットバウンスの基本知識

デッドキャットバウンスの基礎知識と、過去のチャートから有名な事例を紹介します。

デッドキャットバウンスとは?

デッドキャットバウンス(Dead Cat Bounce)の意味は「高いところから落とせば、死んだ猫でも跳ね返る」で、価格が大きく下落した後の一時的な上昇している時に使われます。

大幅な価格下落後に一時的に反発が起きる要因としては、ショートカバーやショートスクイーズが考えられるでしょう。ショートカバーとは売りポジションの決済による買いで、ショートスクイーズとは相場が売りに傾いているときに買いを入れることで相場を上昇させようとすることを指します。

ショートカバーとショートスクイーズの買いによって一時的に反発することが多いですが、反発後に再び下落が再開するかはチャートが出来上がった後でないとわかりません。

そのため、相場と向き合っているときは、さまざまな角度から分析してデッドキャットバウンスかどうかの判断をする必要があります。

デッドキャットバウンスは投資家心理やテクニカルなどさまざまな要因が絡み合って発生!

為替市場でのデッドキャットバウンスの事例

為替市場で有名なデッドキャットバウンスの事例としては、トルコリラ円が挙げられます。

トルコリラは財政不安や度重なる利下げなどが原因で長期にわたって大きく下落しており、以下の画像のように長期的に下落トレンドが続いているためです。

画像中央付近では少し反発しているものの、再び下落の流れが続いています。上記の画像は日足チャートですが、強い下降トレンドだと一時的に反発しても下落の流れが続きやすいです。

以下の画像はオージードルの1時間足です。1時間足レベルまで落とすと、さまざまな通貨ペアで長い下落トレンドが続きやすいので、デッドキャットバウンスが出現しやすいです。

同じような場面でも毎回発生するとは限らない!

デッドキャットバウンスの活用方法

デッドキャットバウンスをFXトレードで活用する方法として「反発後の再下落を狙う順張り戦略」と「一時的な反発を狙う逆張り戦略」の2つを紹介します。

反発後の再下落を狙う順張り戦略

デッドキャットバウンスは大幅に価格下落した後に一時的に反発するチャートパターンです。そのため、大局の下落トレンドが続くと想定して、反発後の再下落を狙う戦略が考えられます。

具体的な戻り売りポイントとしては、以下の場面が挙げられます。

具体的な戻り売りポイント

10SMAや20SMAなどの短期移動平均線にタッチ
直近高値と安値のフィボナッチリトレースメント23.6%や38.2%戻しの水準
日足や週足レベルでの重要なレジスタンスラインにタッチ
下落を後押しするような材料が出た

上記のような戻り売りポイントが複数出た場合は、ショートエントリーの期待値が高くなります。

ただし、50SMAなどの中期の移動平均線や直近高値と安値のフィボナッチリトレースメント38.2%戻しの水準などを上抜けると、上昇トレンドに転換する懸念が出てくるので注意が必要です。

複数の根拠が重なったらエントリーを検討!

一時的な反発を狙う逆張り戦略

大幅な価格下落が起きると多くのショートポジションがたまり、潜在的に買いの需要が多くなるので、一時的な反発を狙ったエントリーも有効です。

ただし、タイミングよくエントリーしないと損切りラインが適切に設定できずに、リスクリワードの悪いトレードになる可能性があります。

反発する可能性があるタイミングとして以下の場面が挙げられます。

反発する可能性があるタイミング

RSIが30や25を割った
ボリンジャーバンドが-3σにタッチ
日足や週足レベルでの重要なサポートラインにタッチ
上昇を後押しするような材料が出た

大幅な価格下落後は需給関係から買いが入りやすくなるので、上記のような反発しそうな根拠が複数ある場面では、トレードの期待値が高くなるでしょう。

なんとなくでのエントリーは厳禁!

デッドキャットバウンスを活用するうえでの注意点

デッドキャットバウンスを活用するうえでの注意点は以下のとおりです。

デッドキャットバウンスを活用する際の注意点

一時的な反発だと誤認するリスクがある
感情に流されてトレード戦略を破らない

デッドキャットバウンスを効果的に活用するためにも、注意点も知っておきましょう。

一時的な反発だと誤認するリスクがある

大幅な価格下落後に反発して、再び下落すればデッドキャットバウンスの完成です。しかし、当然ながら反発後に下落トレンドに戻らず上昇トレンドに回帰する場合もあります。デッドキャットバウンスでの小幅反発と本物の反発は見極めるのが難しく、一時的な反発だと誤認してしまうことも多いです。

一時的な反発かどうかを見極めるには、以下の方法があります。

一時的な反発かどうかを見極める方法

経済指標や政策金利の動向が下落を示唆する状況のままか
取引する通貨ペアだけでなく関連する通貨ペアの動向も確認する

FXで長期的なトレンドを形成する理由はさまざまですが、代表的な理由は2か国の政策金利の動向です。そのため、根本的な政策金利の動向に変化がないのであれば、一時的に反発しても再度下落する可能性が十分あります。

また、取引する通貨ペア以外にも関連する通貨ペアを確認して、通貨の強弱を確認すると大局の流れがつかみやすくなるでしょう。たとえばデッドキャットバウンスでトルコリラ円でのトレードを検討している場合は、トルコリラ円だけでなくドル円やユーロ円、ポンド円なども確認するということです。

関連する通貨ペアがすべて下落トレンドであれば円の強さが際立っているので、トルコリラ円が一時的に上昇したとしても、再び下落する可能性が高いでしょう。

長期足になるほどファンダメンタルズの影響が強い!

感情に流されてトレード戦略を破らない

デッドキャットバウンスを活用したトレードでは、あらかじめ想定していたトレード戦略を守ることが大切です。なぜなら、デッドキャットバウンスが発生する状況では、ボラティリティの高さによって損益変動幅が大きくなり、感情的になりやすいためです。

感情的にならないようにする対策としては、以下の方法が挙げられます。

感情的にならないようにする対策

口座に入れる金額を少なくする
ポジション量を小さく調整する
証拠金維持率が一定以下になったらロスカットになる設定をする

上記の対策を講じることで感情的になることを防ぎ、ボラティリティの高い相場でも冷静な判断を下しやすくなるでしょう。

リスク管理は徹底しよう!

デッドキャットバウンスで活用するのがおすすめなインジケーター

デッドキャットバウンスで活用するのがおすすめなのは以下のインジケーターです。

おすすめインジケーター

移動平均線(SMA)
ボリンジャーバンド
フィボナッチリトレースメント

移動平均線(SMA)

移動平均線を用いてデッドキャットバウンスを使ったトレードをする場合は、短期〜長期までの複数の移動平均線を表示させましょう。長期の移動平均線で大局の流れを把握しつつ、短期の移動平均線で具体的なエントリータイミングを計れるからです。

以下のチャートは、10SMA〜200SMAまで表示させたトルコリラ円の日足チャートです。

黄色の10SMAが赤色の20SMAをゴールデンクロスして、上昇トレンドに転換しそうになったものの、再び10SMAが20SMAをデッドクロスして下落トレンドに回帰しました。

上記のように、一時的に反発しても短期MAが中期MAをデッドクロスすると、再び下落が加速しやすいことがわかります。

20SMAを上抜けした段階で上昇トレンド転換の可能性が十分あり、20SMAまで下がらずに50MAなどの中期MAにタッチした場合はトレンド転換したか、レンジ相場に移行した可能性が高まるでしょう。

下落トレンド終了の可能性が高まった場合は、下落を後押しする材料が出ない限りは20SMAを下抜けしたり短期MAがデッドクロスしたりしたとしても、ショートエントリーを見送るのが無難です。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、価格変動の統計的分析に基づくテクニカル指標です。

統計学ではボリンジャーバンドの±2σは約95.4%、±3σは約99.7%の確率で範囲内に収まるとされているため、デッドキャットバウンスでの反発や再下落を図るのに、ボリンジャーバンドの±2σや±3σを活用できます。

以下のチャートでも-3σ付近で反発していることが多く、その後はボリンジャーバンドのミドルライン付近から下落する場面が目立っています。

上のチャートでは、勢いよく反発しても+3σがレジスタンスとなって再度下落しています。再下落するポイントを見つける指標としても、ボリンジャーバンドが機能しました。

ボリンジャーバンドが反発や再下落を判断する指標として機能する場面もありますが、バンドウォークが続いている相場では一時的な反発を狙ったトレードはうまくいきません。

たとえば、以下のチャートのように強い下落トレンドが続いている場合は、±2σや±3σにタッチしてもなかなか反発しないので、ボリンジャーバンドで一時的な反発を狙うのは難しいでしょう。

ボリンジャーバンドで一時的な反発を狙う場合は、RSIや移動平均線、日足や週足レベルでのサポートラインなど他の根拠と組み合わせたほうがよいといえます。

根拠が重なる場面は期待値が高くなる!

フィボナッチリトレースメント

フィボナッチリトレースメントは、トレンド相場での価格の反転ポイントを予測するためのテクニカル指標です。

以下のチャートのように直近の高値と安値を基準としてフィボナッチ比率を描画することで、23.6%、38.2%、50.0%などの反転しやすい押し目、もしくは戻り目ポイントを見つけられます。

実際に上のチャートでは一時的に23.6%戻しの水準を上抜けしたものの、38.2%戻しの水準の手前で再下落した後は、23.6%戻しの水準がレジスタンスとして機能しています。

デッドキャットバウンスは強い下落トレンド中に一時的な反発を見せるチャートパターンなので、フィボナッチリトレースメントの38.2%より戻した場合は、上昇トレンド転換の可能性も考慮したほうがよいでしょう。

フィボナッチリトーレスメントは多くのトレーダーが見ている!

【実践例】デッドキャットバウンスでのトレードシナリオ

デッドキャットバウンスでのトレードシナリオとして、以下の2つを紹介します。

デッドキャットバウンスでのトレードシナリオ

RSIとボリンジャーバンドを活用した反発狙い
移動平均線とフィボナッチリトレースメントを活用した再下落狙い

RSIとボリンジャーバンドを用いた短期的な反発狙い

RSIが25以下、ボリンジャーバンドが-3σにタッチすると、売られすぎの状態にあるため、反発する可能性が高いと考えられます。

具体的には以下のチャートのようにRSIが25以下、ボリンジャーバンドが-3σにタッチしてから、下ひげの長いローソク足(できれば陽線)が出現すれば、反発する可能性が高まります。

さらに反発する可能性が高い場面に絞りたい場合は、先ほどの条件(RSI20以下、ボリンジャーバンド-3σタッチ、長い下ひげ出現)を満たしたうえで、直近安値付近などのトレンド転換しやすい場所でエントリーするのがおすすめです。

損切り位置としては、状況に応じて以下のような場所に設定するのがよいでしょう。

損切りの設定位置

エントリー直前の下ひげを割れたとき
上位足で目立つ前回安値を割れたとき
RSIの20割れ

そして、デッドキャットバウンスは一時的な反発が前提なので、エグジットポイントの目安は以下のように欲張りすぎないのがおすすめです。

エグジットポイントの目安

直近高値と安値のフィボナッチリトレースメント23.6%戻しの水準
RSIが70ライン以上に到達
ボリンジャーバンドの+2σに到達
長い上ひげ陰線が出現したとき
下落を後押しする材料が出たとき

短期的な反発を狙う場合はエグジットポイントを伸ばしすぎない!

移動平均線とフィボナッチリトレースメントを用いた再下落狙い

移動平均線やフィボナッチリトレースメントは、押し目や戻り目の水準を考えるトレーダーに意識されやすいテクニカル指標です。そのため、デッドキャットバウンスでの再下落を狙うトレードでは、移動平均線やフィボナッチリトレースメントは有効活用できます。

以下のチャートでは、急下落から反発直後まで黄色の10SMAがレジスタンスとして機能しており、その後は赤色の20SMAやフィボナッチリトレースメント23.6%戻しの水準が意識されました。

戻り売りポイントとしては、移動平均線の場合5SMAや10SMA、20SMAなどで、フィボナッチリトレースメントでは、23.6%戻しや38.2%戻しの水準が考えられます。

強い下落トレンドであれば大きく戻さない場合が多いので、フィボナッチリトレースメント38.2%戻しの水準を上抜けした場合は、上昇トレンド転換を疑って損切りするのが無難です。

エグジットポイントは反発の起点となった安値を目安にして、その時の状況に応じて手前で利確するか判断すると良いでしょう。

デッドキャットバウンスの活用方法や注意点まとめ

本記事では、デッドキャットバウンスの基本知識や事例、活用方法などを幅広く紹介しました。デッドキャットバウンスの場面を捉えるのは簡単ではありませんが、分析を重ねることで順張り・逆張りどちらでも利益を得られるようになります。

ただし、デッドキャットバウンスは万能はパターンではないため、移動平均線やボリンジャーバンドなどの紹介したインジケーターを組み合わせて判断したほうがよいでしょう。また、感情に流されてしまうとどんなに勝率の高い手法やパターンでも、継続して利益を得るのは困難です。

リスク管理を徹底したうえでチャート分析を行い、デッドキャットバウンスを活用しましょう。

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