「スキャルピング海外FX」のトップページへ

為替操作国認定&監視リストとは?FXトレーダーが注意すべきこと

為替操作国認定&監視リストとは?FXトレーダーが注意すべきこと
このような方にオススメの記事

・為替操作国に認定される条件を知りたい方
・為替操作国認定前後の相場の特徴を知りたい方

本記事のテーマ

為替操作国認定&監視リストを知ってリスクヘッジ

<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届けします>

為替操作国認定&監視リストは、FXトレーダーにとって決して無視できない重要な要素です。このリストに含まれる国々は、為替市場において特定の取引政策をとっているため、市場の動向やトレード戦略に深刻な影響を与える可能性があります。

今回の記事では、そのリストの詳細やその影響について解説し、トレーダーが注意すべきポイントをご紹介します。

目次

為替操作国認定・監視リストとは?

為替操作国とは、米国が「対米貿易を有利に進めるために、為替相場を不正に操作している」と認定した国のことです。一方、監視リストは、為替操作国予備軍のリストを指します。

米国に為替操作国に認定される具体的な基準は、以下の通りです。

為替操作国に認定される基準

・対米貿易で年間150億ドル以上の黒字
・経常収支がGDP比3%以上の黒字
・過去12ヶ月間のうち8ヶ月の為替介入、かつGDP比2%以上の介入総額

毎年4月と10月に、米財務省が為替報告書を議会に提出しますが、そのときに3つの基準のうち、2つを満たすと監視リストに掲載されます。すべて満たすと、為替操作国に認定される、という仕組みです。

認定・リスト掲載されるとどうなる?

米国によって為替操作国に認定された国は、米国と協議を行い、ほとんどの場合は米国から通貨の切り上げを要求されます。

通貨の切り上げとは、通貨が高くなる方向に操作すること!

通貨の切り上げを行った場合は、為替操作によって価値が下落した通貨は上昇の動きを見せる傾向があります。監視リストの掲載では、協議やペナルティはないため、相場に影響はありません。

米国との協議がうまく進まない場合は、追加関税などの制裁が行われる可能性があります。

為替操作国への認定前と認定後では、米国との協議内容により通貨のトレンドが真逆になる可能性があるため、FXトレーダーは注意しておきましょう。

為替操作国に認定された通貨の値動き

ここからは、実際に為替操作国に認定された国はどのような値動きを見せたのか、為替操作から為替操作国に認定されたあとまで時系列で解説します。

ほとんどの場合、為替操作の効果は一時的で、根本の問題が解決されていない以上、操作前の相場に戻っていくよ!

2019年の中国

<米ドル/中国元 リアルタイムチャート:4時間足>

2019年、中国は為替操作を行い、米ドル/中国元(USDCNH)は一時的に大きく上昇しましたが、米国に為替操作国に認定された後はその勢いを失い、大きく下落しました。

中国が為替操作国に認定されるまでの経緯は、以下の通りです。

中国の為替操作国までの経緯

①2018年から米中間で貿易戦争が勃発
②米国が、中国の輸出商品に対して2019年8月1日に追加関税の制裁を発表
③2019年8月5日に米ドル/中国元のレートが大きく上昇
④米国は、中国が為替操作で元安に誘導したとして、為替操作国に認定

2019年8月5日の米ドル/中国元の1時間足チャートを見ると、為替操作によりレートが「6.97754元→7.10866元」まで大きく上昇しています。

2019年の中国の為替操作

為替操作国に認定された後の値動きを日足チャートで見てみましょう。認定後、「7.19590元」の高値を更新していきましたが、伸びずに下降のトレンドをつけていきました。

2019年に中国が米国から為替操作国認定される

ただし、米国は切り上げなどの通貨を動かす要求をしなかったため、この下落は中国が為替操作国に認定されたことによる値動きではなく、為替操作前の流れに戻っただけの可能性もあります。

操作前の価値に戻ったのか、認定の影響を受けたのかは、意見が二分されるところ!

2020年のスイス

<米ドル/スイスフラン リアルタイムチャート:4時間足>

2020年、スイスは為替介入を行いましたが、介入の具体的な日時は公表しませんでした。相場の動きを見てみると、米国により為替操作国に認定された後は、値動きが乏しくなり、下落していることが分かります。

スイスが為替操作国に認定されるまでの経緯は、以下の通りです。

スイスの為替操作国までの経緯

①2020年新型コロナの感染拡大で、安全通貨のスイスフランが大量に買われる
②輸出依存度の高いスイスにとって自国通貨高は経済成長の足かせに
③スイスは、通貨高を抑えるため、2020年に断続的に為替介入実施
④4四半期にわたり3つの基準に該当したため、米国は2020年12月16日にスイスを為替操作国に認定

2020年の米ドル/スイスフランの日足チャートで、1月〜6月の為替介入の動きを見てみましょう。断続的な介入だったため、900億フラン(約10兆3,200億円)と多額の介入にも関わらず、上昇が目立たない相場になっています。

2020年のスイスの為替介入

為替操作国に認定された後の値動きを1時間足チャートで見てみましょう。認定後、「0.89190フラン」付近の高値を試すも超えられず、下降トレンドをつけていきました。

2020年にスイスが米国から為替操作国認定される

米国から切り上げなどの通貨を動かす要求がなかったため、スイスが為替操作国に認定されたことによる値動きではなく、通常の相場の流れの可能性もあるでしょう。

安全通貨と呼ばれるスイスフランでも認定の影響は大きい!

日銀の為替介入と為替操作の関係性

日銀の為替介入は「投機筋による為替相場の急激な変動を抑えて、安定化を図る」ためですが、為替操作は「対米貿易を有利に進めるために為替相場を不正に操作する」ためなので、目的が違います。

<ドル/円 リアルタイムチャート:4時間足>

日本は為替介入を繰り返すと為替操作国認定される?

通貨の安定化を図るための為替介入だとしても、先述の3つの基準をすべて満たせば、為替操作国に認定されるでしょう。

現在、日本は「対米貿易で年間150億ドル以上の黒字」と「経常収支がGDP比3%以上の黒字」基準に該当して監視リストに掲載されているので、為替操作国に認定される可能性はあるといえます。

日本は現在、監視リストに掲載されてるよ!

日本が為替操作国認定された際のデメリットは?

もし日本が為替操作国に認定された場合、諸外国からの印象が悪くなり、通貨価値が下がる可能性があります。ああ

通貨価値の下落によって円安が更に加速してしまうのは、大きなデメリットです。結果的に流動性の低い通貨になり、テクニカルも効きづらくなるかもしれません。

ただし、日銀の為替介入は対米貿易を有利に進めるためではなく、米国と協議の上での介入のため、為替操作国に認定される可能性は極めて低いでしょう。

介入時や認定時は相場が大きく動く分、スキャルピングでは稼ぎどき!

為替操作国認定・監視リストとは まとめ

今回の記事では、為替操作国や監視リスト、為替介入について解説しました。

為替操作や為替介入については一瞬で急変動を見せるので、知識を持たないままトレードを続けると大きな損失につながります。十分に注意して取引してください。

最低限取引している通貨の情勢は確認しておき、リスクを減らした堅実なトレードをしていきましょう。

目次