・仲値での変動理由や動きの特徴を知りたい方
・レートの動きが読みやすい場面で手堅いスキャルをしたい方
本記事のテーマ
ゴトー日のドル円仲値トレード&スキャルピング手法
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
ゴトー日と呼ばれる5日、10日、15日、20日、25日、30日の午前中のドル円相場は、ある程度の決まった動きをすると言われています。
FXトレードをする方は「ゴトー日の仲値」は必ず意識するポイントであり、初心者でも狙いやすいエントリーポイントであると言えます
この記事では、仲値やゴトー日の基礎知識から順番に紹介します。今まで仲値やゴトー日に注目していなかった方でも、トレード手法を理解できるようになるはずです。
仲値とは?
仲値とは、銀行と顧客の間で行われる外国通貨取引の基準となる交換レートのことです。
平日、為替レートは刻々と変化しています。私たちFXトレーダーはその変動によって利益を得れるのですが、貿易や両替などの実需ではレートが変化し続けると取引が成立しません。
「その日の通貨の価値」が固定されないと公平な取引にならない!
そこで、その日の交換レートを午前中に決めてしまおう、ということになりました。その時に決定されるレートが仲値と呼ばれるものです。
仲値の決定は平日の9時55分に三菱UFJ銀行によって行われ、10時には他の都市銀行や地方銀行に仲値が公示されます。仲値が決定されたら、それを基準に各企業が実需的な取引を行う流れになります。
仲値とは
海外旅行時に日本円をドルやユーロに交換する時の価格もこの仲値から算出されてるよ
仲値を参考に行われる実需取引とは?
東京時間は「実需取引」が相場に影響
ここで実需取引とは何なのかについてチェックしておきましょう。
実需とは企業や個人が輸出入を行ったり、海外の利益を交換したりする際に通貨を両替することです。海外を交えた経済活動に伴って、必ず行わなければならない通貨の両替のことです。
私たちや金融機関が行うFX取引は、売買差益を狙ったものだから実需取引には該当しない!
なお、近年の為替市場を大きく動かしているのは、売買差益を狙って取引を行うヘッジファンドや証券会社などの投機筋です。
しかし、欧州の参加者が少ない東京時間は、ロンドン時間やニューヨーク時間に比べると、投機筋の影響は小さいため、企業の実需取引が為替レートに影響を与える影響が相対的に大きくなる傾向にあります。
東京時間は「投機取引」より「実需取引」の方がレートの変動要因になりやすいってことね
仲値は「輸入企業の実需」と深い関係
石油や金属などの資源を輸入する企業では、海外から資源を米ドルで購入することになります。その時、大量の円をドルに交換することになるのですが、その時の交換レートに仲値が使われます。
なお、輸入企業だけでなく輸出企業もドルと円を大量に交換する必要があります。
日本国内の輸出企業の売り上げはドルなどの外貨です。で、それらの外貨を最終的には円に交換する必要があり、タイミングは3月と9月の決算期に集中します。
なお、この「輸出企業のドル売り」は仲値とは関係なくオープン市場で行われます。輸出市場の規模は大きく、額も大口取引となるため、これらは3月と9月の大きな変動要因となります。
ニュースなどで「期末の実需」と言われるのがコレ。「ドルが大きく売られる局面」を想定しておこう。
仲値にかけてドル円が上がる理由
実需取引に備える銀行のドル買い
企業が海外から輸入する場合、支払いのため大量のドルが必要になります。ただ、実際に為替取引を行うのは銀行です。
銀行も為替差益で利益を上げなくてはいけません。ドルを大量保有するのであればなるべく安いレートで購入しておきたい銀行は仲値の少し前の安い状況でドルを買い、仲値で企業の送金手続きを行います。
その結果、ドル円は仲値前に上昇するというパターンが生まれます。
仲値にかけてドル円レートが上がる流れ
②ドルのレートが上昇する
③上昇したドルのレートを参考に仲値が決定される
④仲値で企業取引の送金を行うことで、銀行の利益となる
なお、④が少しわかりにくいと思うので例を使って解説しておきます。
ドル円レートが1ドル110.0円の時に銀行がドルを買い込んだとします。その後、仲値が近づくにつれて、実需のドル買いが進行し、9時55分で決まる仲値が1ドル110.3円になったとしましょう。
110.0円の時に購入したドルを、輸入企業の支払いのために仲値の110.3円で売却すると、0.3円分の為替差益を得られたことになります。
安く買って高く売りたい銀行の行動がレートを上昇させているんだね
仲値の影響が大きくなるゴトー日とは?
仲値の影響が特に大きくなるゴトー日です。ゴトー日は、五十日と表記されることもあるように、数字の「5」や「0」がつく日のことを意味します。ゴトー日にあたるのは以下の日にちです。
ゴトー日/五十日に該当する日
もし、これらの日が祝日や土日で市場がクローズしていれば、直前の平日が実質的なゴトー日になります。
ゴトー日は相場が大きく動きやすくなる傾向があります。理由としては、輸入企業の支払いの決済日がゴトー日に設定されていることが多いためです。
仲値で購入された大量のドルがゴトー日に決済されるから相場に影響するんだね
ゴトー日のドル円仲値トレードとは?
仲値発表の前後を狙う仲値トレード
仲値が決まる時間帯を狙ってトレードを行うことを仲値トレードと言います。仲値で取引を行うのは日本企業に限られていること、東京時間に行われるトレードということで、通貨ペアは米ドル円を狙います。
前述したように、仲値にかけては輸入企業が資金調達を目的に米ドルの買い注文まとめて行う傾向があるため、米ドル買いが進行することが多くなります。
仲値に向けたドル円の上昇を狙ってロングを仕掛けよう
仲値の決定時刻である9時55分にかけて上昇したレートは、利益確定によってどこかで下落することになります。
下落するポイントは毎回微妙に異なりますが、仲値の決定前後にレートが天井に達したタイミングで、売り(ショート)でエントリーしておけば、その後の下落で利益を上げることができます。
仲値トレードの2つの戦略
②仲値発表前後に発生する一時的なドル円下落を狙う
ゴトー日の仲値スキャルピングが狙い目
仲値トレードは企業の実需取引が盛んに行われるゴトー日に絞って行うことで勝率をアップさせることはできます。
仲値にかけて輸入企業が買いを入れる動きは毎日ありますが、為替レートは仲値以外の要因によっても変化します。ゆえに仲値トレードは絶対的なものではなく、毎回利益を上げられるものではありません。
輸入企業の実需より、その他の要因がレートを動かす場面は多い。
しかし、ゴトー日は、その他の日よりも実需取引がレートに大きく影響するため、普段の仲値トレードより値幅も大きくなり利益を取りやすくなるためです。
ゴトー日なら仲値発表の前後に実需取引がハッキリと動く!
とはいえ、ゴトー日だからといって、いつも同じように値動きするわけではありません。相場に絶対はないことを頭に入れて、リスク管理は徹底するようにしてください。
仲値トレードのスキャルピング戦略
時間帯ごとに狙いが変わる仲値トレード
まずトレードを行う時間帯は東京市場がオープンする9時00分前後から、仲値発表後の10時00分前後までの間です。1時間以内に数回、スキャルピングを行うことになります。
仲値トレードの時間帯
仲値トレードは1時間程度という短い間で行うことになりますが、その中でも時間帯ごとの狙いがあります。ここではゴトー日(5日)の一例に紹介します。
<5日のドル円1分足チャート>
東京市場がオープンしてレートが上昇し始めたら買いでエントリーを行いましょう。
<東京市場のオープン後の上昇で買いエントリー>
上記の例のように天井をつけて反転することがあるため、その場合は利益確定の決済を行います。決済を行った後、押し目を付けて再び上昇が始まった場合は、買いで再エントリーも狙いにいきます。
ゴトー日は仲値発表まで上昇トレンドが続く場面が多いので強気に追随
9時30分ごろにドル円相場に勢いが付き始めたら、決済の準備を行います。決済のタイミングは仲値が決定される「9時55分よりも前」がお勧めです。
<仲値発表前に利益確定>
上昇トレンドは9時40分~50分まで続くことが多いのですが、下落する兆候が見られれば、欲張らずに9時40分より前に利益確定をする心づもりで挑みます。
「ゴトー日の仲値発表が生むトレンド」を狙う投資家も多いので、発表より前に強い売りに押されることも想定しておこう
最後は仲値が決定された後のスキャルピングです。仲値の決定に向けて、銀行はドルを大量に買い入れますが、仲値が決定された後はドル売りが行われます。
このルーティン化された売買を利用して、ショートでエントリーすればドル円のレート下落に合わせて利益を狙うこともできます。
<仲値決定後のドル売りを狙ったスキャルピング>
ドル売りは数分程度の短期的なものなので、エントリーから決済までは長くても10分程度と考えておけばよいでしょう。
あくまで数分間の短期的な下落で小さなpipsを稼ぐトレード
10時以降の買いエントリーも有効
ここからは仲値トレードと言えるのかは微妙なところですが、仲値発表後に決済を行った後に再び買いエントリーしても利益を狙える場面があります。
ちょうど押し目を作るように、再び上昇局面に転じることが多々あり、東京市場の株高と連動するようにレートが上がれば、合わせて利益を狙うことが可能です。
上記のチャートでも、10時前後に値下がりして利益確定を行ったポイントから10分程度と短い時間ではありますが、上昇局面に入っていることが確認できます。
10時以降の上昇狙いは「日経平均株価が上昇している場合に限る!」
仲値トレードが成立するかの判断
仲値トレードを行うときにチェックしておきたい点は以下の4つです。トレードを行うときは以下の項目を押さえておきましょう。
① | ゴトー日にあたることを確認 |
② | 前の晩から朝にかけて、欧州市場や米国市場でドル円相場に影響を与える大きなトレンドが発生していないことを確認 |
③ | 仲値の時間帯にかけて、国内で相場を大きく変動させる要因がないか確認(重要な経済指標の発表や政治の要人発言などを中心にチェック) |
④ | ドル円のチャートを見ながら仲値トレードのエントリーに備える(30分足や1時間足などもチェックし相場を俯瞰) |
チェックポイントのうち、①②③は仲値トレードを行うときの条件とも言えます。①②③のうち、どれか一つでも欠けていたら、仲値トレードを見送った方がよいでしょう。
①②③の条件がすべて整ったことを確認できて初めて④のトレードの準備を行います。
条件が揃った時だけ狙うというルールは徹底しよう
ゴトー日の仲値トレードで稼げるのか?
1トレードで狙うのは5〜10pips
今回はゴトー日の仲値トレードについて紹介しましたが、仲値トレードはそれほど大きく稼げるわけではありません。
今回は8月5日のドル円チャートを使ってシミュレーションを行いましたが、エントリーから決済まで獲得できた値幅はそれぞれ1トレードあたり6〜10pipsでした。
これは欧米市場がオープンしている時の投機筋が絡んだレート変動に比べると、実需取引によるレートの変動幅はそれほど大きくならない傾向にあるためです。
大きな値動きにならないから、小さなpipsをコツコツと確実に稼ぐスキャルピングに適しているんだ
また、輸入企業の実需取引によって直接的な影響を受けるのは、普段からボラティリティが小さめのドル円に限られることも値幅が小さくなる要因の一つです。
クロス円を取引してもOK
ゴトーの仲値トレードでは、ユーロ円やポンド円、豪ドル円などのクロス円通貨を取引してもOKです。ゴトー日の実需取引が直接値動きに影響を与えるのはドル円のみですが、ドル円が上昇しているときはクロス円も連れ高となりやすいからです。
ドル円に比べると値動きが大きいため、よりハイリターンを狙うことが可能となります。ただし、クロス円とドル円とがいつも連動するとは限らないので、その日の通貨間の値動きを確認しておく必要があるでしょう。
クロス円を取引するときはドル円の値動きも確認しておこう
専業トレーダーならスキャルで狙う
毎月6回ほど訪れるゴトー日の度に、コツコツと利益を積み重ねていきたい人にはお勧めの手法です。
仲値トレードの時間帯的なことを考えれば、専業トレーダーにとっては、非常に良いチャンスです。特にスキャルピングを中心にトレードを行っている専業トレーダーはエントリーしている人は多いはずです。
専業のスキャルパーは「ゴトー日の仲値」は見逃さない!
また兼業トレーダーの方でも、スマホやタブレットを利用すれば、トレードができないわけではありません。空き時間などがあり、トレードが可能な場合は挑戦してみても面白いと思います。
初心者にもおすすめの「仲値スキャルピング」
ゴトー日の仲値トレードは初心者にもオススメしたい手法です。その理由は以下の2つです。
ゴトー日の仲値スキャルピングが初心者向きの2つの理由
②値幅が大きすぎない(値が飛ばない)
この2つの特徴から、リスクを小さくして安定的な利益を狙うことができます。初心者にとっても決して難易度の高い手法ではないので挑戦してみる価値は十分にあるでしょう。
なお、XMの<レバレッジ1,000倍+ゼロカット制度>を活かせば少額かつリスクを抑えたスキャルピングができるので、仲値トレード初心者の方にもオススメです。