・FXの逆張りトレードを極めたい方
・ウォルフ波動で堅実に利益を上げたい方
本記事のテーマ
ウォルフ波動はシンプルゆえにFXで応用自在!
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
ウォルフ波動とは、押す力に対して必ず反発する力が働くという「作用・反作用の法則」に基づいて作られたFXの理論及びチャートパターンです。
知名度はそれほど高くありませんが、「リスクリワード比が高い」「エントリーポイントと利確ポイントが明確」などの特徴があり、FXのトレードで活用すれば大きな利益を狙えるパターンだと言えます。
今回は、ウォルフ波動の見つけ方や引き方や注意点などを分かりやすく解説します。
ウォルフ波動とは?
作用・反作用の法則を使った逆張り手法
ウォルフ波動を利用したトレードは逆張り狙いです。チャートでウォルフ波動を発見した際は、トレンドと反対方向にエントリーを狙うことが鉄則です。
そもそもウォルフ波動とは、ビル・ウォルフ氏とその息子ブライアン・ウォルフ氏によって発見されたチャートパターンです。ウォルフ親子はチャートに「現在発生しているトレンドと反対方向に強く動く法則性」を発見しました。
この理論の根底にあるのは、物理学の「作用・反作用の法則」です。「作用・反作用の法則」は、下降(上昇)した波はいずれ逆向きの力を受けて上昇(下降)するという経験則に基づいています。
ウォルフ波動のエントリー・利確ポイント
上昇のウォルフ波動
ウォルフ波動には、チャートを「波」として捉える特徴があります。上昇のウォルフ波動の場合は、下降ウェッジからの上抜けを狙いましょう。
「安値1⇒高値2⇒安値3⇒高値4⇒安値5」の下降トレンドが形成された場合、「安値1」と「高値4」を結んだラインまでの上昇が予想されます。
そのため、上昇のウォルフ波動を利用したトレードでは、まず「安値5」で買いエントリーを行い、その後「安値1」と「高値4」を結んだラインを利益確定の決済ポイントとします。
なお、ウェッジに関する知識やトレード手法が気になる方は下記の記事をご参照ください。
下降のウォルフ波動
下降のウォルフ波動の場合、「高値1⇒安値2⇒高値3⇒安値4⇒高値5」の上昇トレンドが形成された後、「高値1」と「安値4」を結んだラインまで下落すると予想されます。
なので、下降のウォルフ波動を利用したトレードでは、「高値5」で売りエントリーを行った後、「高値1」と「安値4」を結んだラインが利益確定の決済ポイントです。
ウォルフ波動を発見できれば、エントリー&利確ポイントの判断は簡単
ウォルフ波動のメリット
エントリーポイントと利確ポイントが明確
ウォルフ波動をしっかり見極めれば、エントリーポイントと利確ポイントが明確になります。
エントリーの基準を明確にすることで、余計なことを考えなくて良くなり、トレードへの負担も少なくなるでしょう。
同時に、損切りポイントも比較的分かりやすいのがウォルフ波動の特徴です。
エントリーから逆行し、ウェッジが崩れようとするポイントで損切りを行えば、傷口の浅いうちに撤退できます。
リスクリワード比を大きくとれる
ウォルフ波動では、トレンド相場でエントリーを行うこともあり、1回で狙える利益が大きくなります。
また、エントリーポイントから損切りポイントまで非常に近いため、トレード1回あたりの損失も最小限に抑えられます。FXで勝つための格言「損小利大」が実現可能です。
「逆張りエントリーの損失リスクは高い」からメリットは大きい
トレンドの天井や底が分かりやすい
ウォルフ波動が成立したら、それは「値動きが反転するサイン」だと判断できます。
天井や底を把握することで、ウォルフ波動を根拠とするトレードで利益を出せるのはもちろんのこと、それ以外のトレードも優位に進められます。
また、天井や底を把握することで、逆張りで大きなリターンを狙いやすくなります。利確を行った後もトレンドが継続するようであれば、再度エントリーを行っても良いでしょう。
ウォルフ波動のデメリット
トレンドが転換しないことがある
ウォルフ波動では逆張りが基本です。中長期的なトレンドと同じ方向にエントリーを行う場合でも、局所的には逆張りを行わなければなりません。逆張りは順張りに比べると、少し難しい手法です。特に高い勝率を上げることは、プロトレーダーでも難しいといわれます。
そのため、トレードを繰り返して利益を上げていくためには、こまめな損切りも覚悟するあります。適切な損切りを行わなければ、トレンドの波に飲み込まれて、1度のトレードで大きな損失が生じる可能性が高くなります。
ウォルフ波動を見つけるのは難しい
慣れていないうちは、実際のチャートでウォルフ波動を見つけることを難しく感じるかもしれません。ウェッジというチャートパターンが、それほど多く発生しないこともその原因の1つです。
たくさんのチャートを見てトレード経験も積むことで初めて、ウォルフ波動の発生を見つけやすくなります。
ウォルフ波動の見つけ方・引き方
ステップ① トレンドを見極める
ウォルフ波動は、トレンドが発生している時でなければ効果を発揮しません。
そのため、相場でトレンドが発生しているか・いないか、発生している場合は上昇トレンドなのか・下落トレンドなのか、しっかり見極める必要があります。
相場の判断目安
下落トレンド:安値更新・高値切下げ
レンジ相場:高値や安値の更新が見られない
ステップ② ウェッジを探す
ウェッジとはテクニカル分析で、トレンド転換のサインとして意識されるチャートパターンです。トレンド相場にあることを確認した後は、ウェッジを探します。
トレンドラインとアウトラインを引いて、両ラインの幅が徐々に狭くなっていっていることを確認しましょう。
トレンド相場とウェッジの関係
下降トレンド相場の場合:下降ウェッジを探す
ウェッジを見つけるのは難しくないので常にラインを引こう
ステップ③ ウォルフ波動のジグザグパターンを探す
ウェッジが明確になった後は、ウォルフ波動のジグザグパターンを探します。5つのポイントをチャート上に書き込んでみましょう。
上下に動くジグザグパターンが見つけられた場合、後はエントリーのチャンスを待つだけです。エントリー時には、あらかじめ利確ポイントと損切りポイントを明確にしておきましょう。
ここまでの作業ができていれば、エントリー後に判断することは何もありません。ルール通りに利確、もしくは損切りを行えばトレード完了です。
ウォルフ波動を活用したFXトレード方法
ウォルフ波動の基本的なトレード
<ドル円1分足のチャート>
ウォルフ波動を利用した基本的なトレードでは、短期的な上昇トレンドから短期的な下降トレンドへの転換ポイントを狙います。
上昇ウェッジのライン(上昇トレンドライン+アウトライン)を引き、「高値5」の売りエントリーポイントが来るのを待ちましょう。
「高値5」で売りエントリーを仕掛けたら、ローソク足が「高値1」と「安値4」をつなぎ合わせたラインに到達するのを待ちます。ローソク足が利確ラインに差し掛かったら利益確定の決済を行いましょう。
利確ポイントを過ぎた後も下落が継続しますが、利確ポイントから再度ウェッジの方向に価格が戻ることも多いので、一度しっかり利確を行うことをオススメします。
スイートゾーンを併用したトレード
先述した通り、ウォルフ波動を用いたトレードでは、ウェッジの中でジグザグに動くチャートパターンを利用します。しかし、ウェッジはいつもきれいに形成されるわけではありません。
ローソク足の一部がラインをオーバーすることもあるため、それを見てエントリーを控えてしまうとせっかくの利益獲得チャンスを逃してしまいます。そんな時にオススメしたいのが、スイートゾーンの利用です。
<ユーロドル1分足のチャート>
「安値5」では、ローソク足が下降ウェッジを下に抜けています。そこで、「高値2」から「高値4」の下降トレンドラインと平行のラインを「安値3」を起点に引いてみましょう。
下降ウェッジのアウトラインと新しく引いたラインの間は、「スイートゾーン」を呼ばれます。
この場合は、スイートゾーンの中で反発したポイント「安値5」がエントリーポイントです。その後の流れは、ウォルフ波動の基本的なトレード方法と同じです。
ウォルフ波動を活用する際の注意点
波がきれいに出ることは少ない
ウォルフ波動のチャートパターンがきれいに出現することは稀です。実際のチャートを見ると、ウォルフ波動と判断して良いのか微妙なことが多々あります。
また、ウェッジがきれいに引けない場合や、エントリーポイントや利確ポイントが理論上のポイントから少しズレている場合も少なくありません。
しかし、基本的に多少のズレは無視して構わないので、ウォルフ波動を利用したトレードではスイートゾーンも積極的に活用しましょう。
ズレに惑わされてエントリーのチャンスを逃さないように!
インジケーターを活用する
ウォルフ波動を目安にトレードする場合は、インジケータの利用をオススメします。ウォルフ波動を用いたトレードは逆張りです。そのため、RSIは行き過ぎた相場を見極めるのに非常に役立ちます。
特にダイバージェンスはトレンド反転のサインとなるので、トレード中は意識したいサインといえます。また、RSI以外にもトレンド転換を把握しやすいインジケータを使用しても良いでしょう。
トレンド転換を把握するオシレーター系のインジケータと併用しよう
【応用編】ウォルフ波動の反転パターン
ウォルフ波動は、中長期的なトレンドが反転する時にも活用可能です。上昇トレンドから下降トレンドへの転換時に現れたウォルフ波動でエントリーを考えてみましょう。
<ユーロドル1時間足のチャート>
ウェッジを形成した後、「高値5」が売りのエントリーポイントとなります。エントリー後も上昇が継続しますが、ローソク足がウェッジの中に収まっているため、ポジションの保有を続けましょう。
「高値1」と「安値4」を結ぶラインを引き、ローソク足がラインを割ったら利確を行います。
このトレードでは2〜3日ポジションを持ち続ける必要があります。このような中長期的なトレンドが反転する時にも、ウォルフ波動を根拠に利益が出せます。
ウォルフ波動はスイングトレードでも十分に使える
ウォルフ波動のまとめ
ウォルフ波動は探すのが簡単ではなく、頻繁に現れるチャートパターンでもないため、初心者の方には取っ付きにくい印象があるかもしれません。
また、トレンドに対して逆張りになるため、しっかりと逆指値を入れてリスクを限定する必要もあります。
しかし、ウォルフ波動を捉えることができれば、トレンド転換時にエントリーすることで高いリスクリワード比を狙えます。ウォルフ波動を使って、トレードの幅を広げてみてはいかがでしょうか。