・ドルコスト平均法で稼げるかを知りたい方
・FXでドルコスト平均法をするメリット・デメリットを知りたい方
本記事のテーマ
ドルコスト平均法はFXには不向きなので参考知識程度がおすすめ
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届けします>
株などへの長期投資では、ドルコスト平均法で安定的な利益が期待できることが知られています。「FXでもドルコスト平均法で稼げるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
FXは、株式投資と異なって「投機」であり、レバレッジを利用した短期的な取引に特徴があるため、ドルコスト平均法の有効性について慎重な検討が必要です。
今回の記事では、FXでドルコスト平均法を使うメリットとデメリットについて解説し、さらにFXでドルコスト平均法を実践した際の利益シミュレーションもご紹介します。
ドルコスト平均法は個別株やインデックス投資向き!
FXはドルコスト平均法で稼げる?
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法とは、一定期間ごとに決まった金額を投資する手法です。市場の短期的な価格変動に左右されず、長期的な資産形成を目指す投資戦略となります。
例えば、毎月1万円分のドルを購入する、毎年5万円分の金を購入するなど、期間や金額を決めて、毎回同じ金額の取引を繰り返します。
ドルコスト平均法の基本的な考え方は、市場の価格が上下するタイミングを予測することは難しいため、定期的な投資によって「リスクを分散」させることです。
投資対象の価格が高い時には少ない量、低い時にはたくさんの量を購入することで、平均取得価格を抑えます。これにより、市場の価格変動に大きく影響されることなく、長期的な視点で安定した資産形成が可能です。
長期的に利益を上げる手法だぞ!
積立投資との違い
積立投資とドルコスト平均法は、どちらも分散して投資する手法のため似ていますが、その方法には違いがあります。
積立投資には、定額積立と定量積立の2種類があり、ドルコスト平均法は定額積立です。そのため、ドルコスト平均法は、「積立投資の一種」といえます。
定額積立と定量積立の違い
定額積立は、決まった期間ごとに「一定の金額」を投資していく積立方法なのに対して、定量積立は、「一定の数量」を購入する方法です。
定額積立は「毎月1万円分のドルを積立する」と決めた場合、ドルの価格によらず毎月1万円ずつ継続的に買っていきます。例えば、1ドル100円の時は1万円で100ドル買い、1ドルが125円の時は80ドル買えることになります。
一方、定量積立は「毎月100ドルを積立」のように、積立てる数量を決める方法です。毎月100ドル積立する場合、1ドル100円の時は1万円ですが、1ドル125円の時は1万2,500円分積立てることになります。
定量積立では、ドルの価格変動に関わらず一定量の数量を保有できますが、毎月の円換算での積立額が変動します。定額積立では、毎月の積立額は固定です。定量積立は積立額が「変動」、定量積立は積立額が「固定」です。
一般的には、定額積立のほうが定量積立よりもリスクを分散でき、長期投資で効果を発揮しやすいです。
ドルコスト平均法は毎月同じ「金額」を投資するんだね!
ドルコスト平均法のメリットは?
ドルコスト平均法のメリットは、リスクを分散することで、長期的な視点で安定した投資が可能なことです。
価格変動に左右されず、一定金額を定期的に投資することで、高値掴みを避け、平均取得価格を抑えられます。定期的に分割して投資することで、一度に大きな損失を被るリスクも避けられます。
さらに、心理的な負担が軽減される点も大きなメリットです。市場の急激な変動に対して慌てて取引判断をする必要がなく、感情や誤った判断に左右されず、長期的に安定した投資を実現できます。
FXでドルコスト平均法を実践する4つのデメリット
短期的な収益性が低く投機であるFXには不向き
ドルコスト平均法は長期的には安定した収益が見込めますが、レバレッジを利用して短期的に大きな利益を上げるFXには向いていません。
ドルコスト平均法のメリットであるリスク分散は「長期的な投資」によって成り立ちます。決まった期間でコツコツ一定額購入することで平均取得価格を下げる効果が、時間の経過とともに徐々に現れます。
FXは短期的な価格変動によって収益をあげられる点が最大の特徴なので、FXにはドルコスト平均法は不向きといえます。
インデックス投資などで長期投資に適した銘柄にはおすすめ!
スプレッドや取引手数料などのコストが膨れ上がる
ドルコスト平均法をFXで実践する場合、取引回数が多くなり、スプレッドや取引手数料などのコストが膨れ上がります。
これらのコストは積み重なると無視できない額になり、最終的な利益を圧迫します。例えば、毎月1回の取引であっても、年間12回の取引手数料が発生し、これが数年間続くとさらに大きなコストとなります。
ドルコスト平均法を実践する場合は、事前に取引コストをシミュレーションして把握することが重要です。
スプレッドは変動するから長期的なコストも読めない!
急騰や急落時のチャンスに即座に対応できない
ドルコスト平均法は決まった時期に一定額を投資する手法のため、市場の急騰や急落といった変動に即座に対応できません。
FXでは、経済指標の発表が予想から乖離した場合や政治的なイベントによって相場が急変した場合、レバレッジを最大限活用し、そのチャンスに乗ることで大きく稼げます。
一方、ドルコスト平均法では取引する時期があらかじめ決まっているため、臨機応変に相場に対応できず、このような絶好の機会を逃します。
豪ドルならまだしも、円やポンドでは危険!
有効性を発揮するまでにかなりの時間がかかる
ドルコスト平均法は長期的な視点で取引する手法なので、有効性を発揮するのに時間がかかります。
短期間でもドルコスト平均法を行うことは可能ですが、最大の魅力である平均取得価格が下がりにくいため、ドルコスト平均法の特徴を活かせません。
ドルコスト平均法は数年、数十年単位で行うことではじめて有効性を発揮します。短期で稼ぐFXのような取引には、あまり向いていないので注意しましょう。
FXでドルコスト平均法を実践した際の利益シミュレーション
投資金額が毎月1万円の場合
毎月1万円をドル円に投資するシミュレーションを行います。ここでは、毎月の1万円でドル円を1,000通貨、買いエントリーしたと仮定しています。なお、このシミュレーションでは、スプレッドと取引手数料などは考慮していません。
1ヶ月目 | 2ヶ月目 | 3ヶ月目 | 4ヶ月目 | 5ヶ月目 | 集計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ドル円 | 130円 | 125円 | 140円 | 135円 | 140円 | 平均単価 134円 |
購入数量 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 合計 5,000通貨 |
投資額 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 合計 50,000円 |
損益 | ±0 | -5,000円 | +25,000円 | +10,000円 | +30,000円 | +60,000円 |
実際の取引ではコストが発生するため、シミュレーションの通りにはなりませんが、FXでもドルコスト平均法で、長期的には一定の利益を生む可能性はあります。
ただし、レバレッジを抑えて取引した場合でも、長期的な価格の変動によって含み損が大きくなり、ロスカットとなるリスクもあるため安定的な取引は難しいです。
FXはハイレバで短期で稼げるのが最大の魅力だから、それを活かそう!
ドルコスト平均法の嘘&デメリット まとめ
FXでは、ドルコスト平均法は参考知識程度にとどめておきましょう。
ドルコスト平均法は平均取得価格を下げることで「長期的」に利益を出す手法です。このため、FXのように短期的な取引では、その効果を十分に発揮することが難しいです。
さらに、定期的な取引によるスプレッドや手数料などのコストの増加が利益を減らしてしまうことやレバレッジを最大限活かすことが困難なことを考慮すると、海外FXでドルコスト平均法を行うことは、おすすめな手法とはいえません。