・ローソク足の基本形を知りたい方
・ローソク足のプライスアクションを覚えたい方
本記事のテーマ
最低限覚えておきたいローソク足の基本形をご紹介
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
FXトレードを始める前には、まずローソク足の見方と形成される仕組みを学ぶ必要があります。また、特定のローソク足が示すトレンド継続や転換のサインも把握しておけば、より精度が高いチャート分析が可能です。
今回の記事では、初心者トレーダーの方が最低限覚えておきたいローソク足の基本パターンをまとめました。ローソク足の組み合わせでチャート分析する方法やプライスアクション手法についてもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
FXのローソク足の基礎知識
ローソク足の見方
ローソク足には「陽線(ようせん)」と「陰線(いんせん)」の2つがあります。陽線は始値(はじめね)よりも終値(おわりね)が高いものを指し、陰線は始値よりも終値が低いものを指します。
終値:最後の値段
高値:期間内で最も高い値段
安値:期間内で最も安い値段
実体:始値から終値までの部分
ひげ:実体部から伸びた部分
初期設定では、陽線が赤色か黒色、陰線が青色か白色で表示されています。
ローソク足の期間設定
ローソク足には、1分足・5分足・日足・週足・月足・年足などがあり、それぞれ新しいローソク足が形成される期間が異なります。1分足の場合、ローソク足が形成されてから1分経つと、次の新しいローソク足が形成されます。
短期間で売買を繰り返すスキャルピングでは1分足か5分足、1日の間にトレードを完了させるデイトレードでは1時間足、中長期的なスイングトレードでは日足・週足・月足がメインに利用されます。
終値が次のローソク足の始値になる?
為替レートは一瞬で変動するため、終値が次のローソク足の始値になるとは限りません。
「終値=次の始値」の場合もありますが、そうではない場合の方が多いのでご注意ください。
また、同じ価格で重なり合っていないローソク足間の隙間は「窓」と呼ばれます。チャート分析では窓にも注目する必要があるので、頭の隅に入れておきましょう。
為替相場では一瞬ごとに「価格の点」がついて、便宜的にその点を集約させたのがローソク足だと捉えておこう!
FXのローソク足の種類
ここからはローソク足の基本パターンを10個ご紹介します。どの形も汎用性が高く、相場状況を見極めるのに非常に有効なので、まずはこの10個から覚えるようにしましょう。
大陽線・大陰線
「大陽線」と「大陰線」は、周りのローソク足よりも実体が長いローソク足を指します。値幅が何銭以上、または実体がひげの何倍以上という基準はなく、周りのローソク足と比較して判断します。
大陽線は、上昇相場で出現した際、相場のトレンド継続のサインとして機能します。一方、下落相場で出現した際には、転換点のサインと捉えられます。
大陰線は、大陽線の逆バージョンです。上昇相場で出現した際はトレンドの転換を示し、下落相場で出現した際は下落が続くことを示します。
大陰線:上昇相場で反転、下落相場で継続のサイン
小陽線・小陰線
「小陽線」と「小陰線」は、他のローソク足よりも実体が短く、上下のひげも短いローソク足を指します。別名は「小休止」や「コマ」です。
小陽線も小陰線も、一定の変動幅で上がり下がりを何度も繰り返すレンジ相場(ボックス圏相場)でよく出現します。
どちらも「トレーダーたちによる様子見を表している」ことを覚えておきましょう。小陽線では、買いと売りが均衡しつつ少し買われた状態を示し、小陰線では少し売られた状態を示します。
小陰線:買いと売りが均衡しつつ、少し売られたサイン
陽線坊主・陰線坊主
「陽線坊主」と「陰線坊主」は、実体の長さに関係なく、上下にひげがないローソク足を指します。
陽線坊主は、買いの勢いが強いことを示し、その後も上昇が続くサインと捉えられます。一方、陰線坊主は売りの勢いが強いので下落が続くことを示唆します。
陰線坊主:売りの勢いが強く、下落が続くサイン
上影陽線・上影陰線
「上影陽線」と「上影陰線」は、上ひげが長いローソク足を指します。ひげの長さが実体の何倍以上、という明確な基準はありません。
上影陽線も上影陰線も、高値圏で出現した際は下落のサインとして機能します。しかし、上影陽線は、安値圏で出現した際は上昇への転換を示唆する場合があります。
上影陰線:高値圏で下落のサイン
下影陽線・下影陰線
「下影陽線」と「下影陰線」は、下ひげが長いローソク足を指します。
下影陽線も下影陰線も、安値圏で出現した際は上昇のサインとして機能します。しかし、下影陰線は、高値圏で出現した際は下落への転換を示唆する場合があります。
下影陰線:安値圏で上昇、高値圏で下落のサイン
トンカチ
「トンカチ」は、上ひげが長く、実体は短く、下ひげがほぼないローソク足を指します。
トンカチは、上影陽線と上影陰線の派生形で、始値から大きく上昇した後に大きく下落したことを表しています。
陽線のトンカチが安値圏で出現した場合、または陰線のトンカチが高値圏で出現した場合は、相場の転換を示します。
陰線のトンカチ:高値圏で相場転換のサイン
カラカサ
「カラカサ」は、上ひげがほぼなく、実体は短く、下ひげが長いローソク足を指します。トンカチの逆バージョンと覚えておきましょう。
カラカサは、下影陽線と下影陰線の派生形で、始値から大きく下落した後に大きく上昇したことを表しています。
陽線も陰線も、安値圏で出現した際は上昇への転換を示し、高値圏で出現した際は上昇トレンドの終わりを告げる天井を示します。
トウバ
「トウバ」は、上ひげが長く、実体はとても短く、下ひげがほぼないローソク足を指します。トンカチよりも実体が短い場合は、トウバと呼ばれると覚えておきましょう。
トウバは、始値から大きく上昇後、始値と同じ価格まで終値が下落したことを表しています。高値圏で出現した場合は、これ以上は上昇しない相場の上げ止まりと示す傾向があります。
トンボ
「トンボ」は、上ひげがほぼなく、実体はとても短く、下ひげが長いローソク足を指します。カラカサよりも実体が短い場合は、トンボと呼ばれると覚えておきましょう。
トンボは、始値から大きく下落後、始値と同じ価格まで終値が上昇したことを表し、相場の転換を示す傾向があります。
十字線
「十字線」は、始値と終値が同じで、上下のひげの長さも同じくらいのローソク足を指します。別名は「寄引同事線(よりひきどうじせん)」です。
売り買いの勢力が互いに張り合っていることを示し、高値圏や安値圏で出現した際は相場の転換を示す傾向があります。
以上がローソク足の基本形だ!
FXのローソク足を組み合わせたパターン
次に、ローソク足の組み合わせで、相場分析を行う手法をご紹介します。トレンドの継続や転換を見極めるのに非常に有効なので、積極的にチャート分析に利用してみましょう。
包み線(抱き線)
「包み線(抱き線)」は、陽線や陰線問わず、新しいローソク足が1つ前のローソク足を包み込んでいる形を指します。
包み線は、1本目のローソク足の始値と終値を包み込むほどの大きな値動きがあったことを表し、トレンド転換を示唆します。
はらみ線
「はらみ線」は、陽線や陰線問わず、新しいローソク足が1つ前のローソク足にはらまれている状態を指します。
はらみ線は、1本目と比べると大きな値動きがなかったことを表しますが、包み線と同様にトレンド転換を示します。
酒田五法
酒田五法(さかたごほう)とは、ローソク足の組み合わせにより、上昇や下向のタイミングを予測する分析方法です。
中上級者向けの分析方法ですが、視覚的に分かりやすい「三山」と「三兵」は初心者の方にもおすすめです。
三山
「三山(さんざん)」は、上昇相場で上げ下げが3回繰り返され、3つの山が形成された状態を指します。
三山が出現した際は、相場が下落に転向する傾向があります。また、真ん中の山が最も高い際には「三尊(さんぞん)」と呼ばれ、下落の可能性がより高くなります。
「逆三山」は、三山の逆バージョンです。逆三山が出現した際は、相場が下落に転向する傾向があります。
逆三山:上昇トレンドへの転換サイン
三兵
「三兵(さんぺい)」は、陽線、または陰線が3本連続して現れた形を指します。
陽線が3本並んでいる場合は「赤三兵」、陰線の場合は「青三兵(黒三兵)」と呼びます。どちらの場合も、トレンドの継続を示唆することを覚えておきましょう。赤三兵は、上昇を示す買いのサインとして機能し、青三兵は下落を示す売りのサインとして機能します。
しかし、赤三兵でも、それぞれの陽線に長い上ひげが伸びている場合は「赤三兵の先詰まり」と呼ばれ、上昇力が弱まっていることを表します。この場合は、売りのサインとして捉えられるのでご注意ください。
青三兵:下落を示す売りのサイン
三川(さんせん)
三川は、大陰線の下に窓(スキマ)ができてから十字線(コマ)が出現し、その後ふたたび窓ができてから大陽線が出現した状態を指します。大陰線と大陽線の間に十字線が挟まれている形と覚えておきましょう。
売り買いの勢力が互いに張り合っていることを示し、トレンド転換のサインとして機能します。
三空
三空(さんくう)は、3本以上の陽線、または3本以上の陰線で、それぞれ窓ができている状態を指します。この場合の窓は、3回連続でできている必要があります。
上昇トレンドでも下降トレンドでも、三空はトレンドの転換を示唆します。上昇トレンドで出現した三空は「三空踏み上げ」と呼ばれ、売りのサインとして機能します。一方、下降トレンドで出現した三空は「三空踏み下げ」と呼ばれ、買いのサインとして機能します。
三空踏み下げ:下降トレンドで上昇のサイン
三法
「三法(さんぽう)」は、3つの同じ方向のローソク足が、反対の勢力のローソク足に挟まれている状態を指します。
大陽線の次に短い陰線が3本連続で出現し、ふたたび大陽線が出た形を「上げ三法」と呼び、その逆パターンは「下げ三法」と呼ばれます。
三法は、相場の方向性が定まらないレンジ相場でよく出現します。ただし、三法が出現した際には、あくまでトレンドは停滞(小休止)しているだけで、基本的には継続すると捉えておきましょう。
酒田五法についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
FXのローソク足のプライスアクション分析
プライスアクションとは、ローソク足の値動きそのものから相場分析を行う手法を指します。
欧米の投資家たちがよく利用する手法で、彼らが市場に与える影響は大きいため、日本人トレーダーの方もプライスアクションを把握することは重要といえます。ここでは代表的なローソク足のプライスアクションを4つご紹介します。
ピンバー
「ピンバー」は、陽線や陰線問わず、片方のひげが実体の3倍以上の長さをもつローソク足を指します。
大きく値が動いた後に戻ってきたことを表し、相場の転換、または一時的な停滞を示す傾向があります。
ピンバーはシンプルな見た目ですが、非常に奥が深いローソク足の形です。詳しくは下記の記事にまとめています。
リバーサル
強気リバーサル
「強気リバーサル」は、陰線の流れから大陽線が発生し、その次のローソク足の始値付近が、大陽線の1つ前の陰線の始値や高値を上回っている状態を指します。
下落基調が終わりを告げる上昇のサインとして機能するため、買いエントリーが有効とされています。
弱気リバーサル
「弱気リバーサル」は、陰線の流れから大陽線が発生し、その次のローソク足の始値付近が、大陰線の1つ前の陽線の始値や安値を下回っている状態を指します。
上昇基調が終わりを告げる下落のサインとして機能するため、売りエントリーが有効です。
弱気リバーサル:下落を示す売りのサイン
スラストアップ&スラストダウン
<スラストアップ> <スラストダウン>
「スラストアップ」は、直前のローソク足の高値を次の陽線の終値が上回っている状態を指します。
「スラストダウン」は、直前のローソク足の安値を次の陰線の終値が下回っている状態です。
スライスアップが連続で出現した場合は上昇の勢いが強いことを示し、スラストダウンが連続した場合は下落の勢いが強いことを示します。そのため、どちらの場合もトレンドフォローの順張りが有効とされています。
インサイド&アウトサイド
<インサイド> <アウトサイド>
「インサイド」は、陽線や陰線問わず、1つのローソク足の高値から安値までの範囲内に、その次のローソク足、またはそれ以降の複数のローソク足が収まっている状態を指します。
「アウトサイド」は、長いローソク足が高値から安値までの範囲内に、それ以前までのローソク足を収めている状態です。
どちらの場合も、その後強いトレンドが発生しやすい傾向があります。
欧米にはプライスアクションだけで取引するプロトレーダーもいるぞ!
プライスアクションを用いた具体的なトレード手法を詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
FXのローソク足種類 まとめ
今回の記事では、ローソク足の基礎知識や組み合わせで相場分析する方法、プライスアクションまで解説しました。これからFXを始める初心者トレーダーの方は、まずは最初の10個の基本形から覚えることをおすすめします。
また、ローソク足だけによるチャート分析方法を把握しておけば、瞬時に相場状況を読み取ってエントリーや利確が可能です。ローソク足の組み合わせによる分析やプライスアクションは積極的に自身のトレードに取り入れてみましょう。