・トレード手法の幅を増やしたい方
・シンプルなチャートを極めたい方
本記事のテーマ
ポイントアンドフィギュアなら相場状況を一目で認識できて効率的にトレードを進められる!
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
ポイントアンドフィギュア(P&F)は、横軸の時間の概念を除いて、縦軸の価格の変動のみ重視した非時系列チャートです。
「◯」と「✕」により構成されて、価格が下落した場合に「◯」、上昇した場合に「✕」がつくため、相場の流れを一目で認識できます。
ポイントアンドフィギュアは、シンプルな見た目ゆえに分析には精度が求められ、どちらかというとFX中上級者向けのチャートと捉えられています。しかし、一度見方や使い方を覚えてしまえば、さまざまな相場で有効的に活用可能です。
ポイントアンドフィギュアとは?
多くのFXトレーダーに使用されているチャートといえばローソク足チャートです。ローソク足チャートは、時間ごとに価格が更新されるので「時系列チャート」と呼ばれます。
一方、ポイントアンドフィギュア(P&F)は時間的概念がなく、価格の変化だけを表わしているので、「非時系列チャート(不規則時系列チャート)」と呼ばれます。非時系列チャートは、考え方としては日本の練行足と近いといえるでしょう。また、トレンド系テクニカル指標という捉え方もあります。
非時系列チャートの特徴は「価格があまり動かない時はチャートに変化がなく、大きく動いた時だけ変化が現れる」というものです。
<MT4のポイントアンドフィギュア>
ポイントアンドフィギュアは値動きだけに注目したチャート!
ポイントアンドフィギュアの作成方法
MT4の場合、ポイントアンドフィギュアは外部のインジケーターを追加すれば導入可能です。
また、自分の好みに合わせてエクセル(Excel)などで自作もできます。ここでは自作方法を学びながら、ポイントアンドフィギュアの基本的な仕組みを見ていきましょう。
値幅を設定する
ポイントアンドフィギュアでは、設定した値幅以上の値動きがあった場合にのみ、チャートが更新されます。
そのため、最初に重要となるのは値幅の設定です。設定した値幅が大きすぎると更新されにくくなり、反対に小さすぎると頻繁に更新されてしまい、ポイントアンドフィギュアの利点を活かせなくなります。
FXの場合、値幅設定は1枠を10pipsと設定するのが一般的です。
「◯」と「✕」を記入する
ポイントアンドフィギュアでは、下落した場合に「○印」、上昇した場合に「✕印」をマス目に記入します。あらかじめ決めた値幅を1ポイントとして、1枠に記入していくのが基本ルールです。
また、○印や✕印は、1列に必ず3枠以上続いていなければいけません。価格が反対方向に動いた場合も、3枠続いていない状態であれば、次の列には進まないようにしましょう。
P&Fの6つの作成ルール
・価格が下落したら○、上昇したら✕
・同じ列に○か✕、どちらかを3枠以上記入
・転換後、1枠目は空白にして記入
自分で作成するのが面倒な場合、MT4ならインジケーターで表示できるよ!
ポイントアンドフィギュアの3つのメリット
P&Fの3つのメリット
・大きな波を捉えやすくノイズに騙されにくい
・チャートパターンを見つけやすい
上昇トレンド、下降トレンドを判断しやすい
ポイントフィギュアは、価格変動のみに着目するための指標です。そのため、相場の流れやトレンドを瞬時に読み取れるメリットがあります。
○が並んでいる時は売り優勢、✕が並んでいる時は買い優勢となり、必要最低限の情報のみで戦略を立てられます。
大きな波を捉えやすくノイズに騙されにくい
小さな値動きでついついエントリーしてしまう方も、ポイントアンドフィギュアを活用すればダマシに遭うリスクを抑えられます。
ポイントアンドフィギュアでは、小さな値動きが反映されないため、大きな波を捉えやすくなります。そのため、結果的にはノイズ的な値動きに騙されにくくなるのです。
チャートパターンを見つけやすい
ポイントアンドフィギュアでは、マス目を利用するため、トレンドラインを引かなくても簡単にチャートパターンを発見できます。
ポイントアンドフィギュアとチャートパターンを併用してトレードする方法については、後ほどご紹介します。
P&Fはシンプルだからこそ応用自在!
ポイントアンドフィギュアの3つのデメリット
P&Fの3つのデメリット
・トレンドに乗り遅れることがある
・もみ合い相場の期間が分からない
小さな波を捉えにくい
ポイントアンドフィギュアは、大きな波を捉えやすいメリットがある一方、小さな波は捉えにくいデメリットがあります。
なので、ローソク足のプライスアクションのように、短期的な値動きを分析するトレードは難しいでしょう。また、一時的な反発を狙った逆張りも行いにくくなります。
トレンドに乗り遅れることがある
先述した通り、ポイントアンドフィギュアでは、一定の値幅を越えないとチャートが更新されません。
そのため、売買のタイミングが遅くなり、トレンドに乗り遅れてしまう可能性があります。乗り遅れてしまった場合、損切りポイントが遠くなり、損失を小さく抑えることが難しくなります。
もみ合い相場の期間が分からない
ポイントアンドフィギュアでは、値動きの小さいもみ合い期間が続いた場合もチャートが更新されないため、もみ合い相場がどのくらい続いたのかを把握することが難しくなります。
もみ合い相場は、次のトレンドに向けて力を溜めている状態です。
もみ合い相場の期間を把握することで次の一手を打ちやすくなるので、基本的にはローソク足チャートと併用することをオススメします。
P&Fは他のチャートとの併用がオススメ!
ポイントアンドフィギュアの見方
ポイントアンドフィギュアの見方には、パターン分析・トレンド分析・カウンティング分析の3種類があります。
P&Fの3種類の見方
トレンド分析:ラインを引いてトレンドの方向性を探る手法
カウンティング分析:過去の値幅を見て未来の目標値を探る手法
ポイントアンドフィギュア:パターン分析
パターン分析の特徴は、ポイントアンドフィギュアで作成したチャートの形状を見て分析を行う点です。パターン分析は、ダブルトップ&ダブルボトムやペナントなどを分析するのに適しています。
ダブルトップ&ダブルボトム
直前の高値を上抜いて上昇した場合は、ダブルトップとなります。なので、直前に記入された✕印の高値を上抜いた際には、買いでエントリーを行いましょう。
反対に、直前の安値を下抜けて下落した場合は、ダブルボトムとなります。○印の安値を下抜けた際は、売りでエントリーを行いましょう。
パターン分析のダブルトップ&ダブルボトム
売りエントリー:○印の安値を下抜けた時(ダブルボトム)
こちらはローソク足のチャートパターンとは見方が異なるので、間違えないように注意しましょう。
ペナント
ペナントは保ち合い相場で出現するパターンです。3角ペナントを上抜ければ買い、下抜ければ売るのがセオリーとなります。
パターン分析のペナント
売りエントリー:3角ペナントを下抜けて直前の○印を下回った時
厳密なエントリーポイントは、ペナントを抜けた時ではなく、上抜けの場合は直前の✕印を上回った時に、下抜けの場合は直前の○印を下回った時となります。
ポイントアンドフィギュア:トレンド分析
トレンド分析では、最安値or最高値から角度45度のラインを引きます。
最安値から右上がりに引いた45度線は、サポートラインとして機能します。基本的には買いですが、下記チャートのように、45度線をポイントアンドフィギュアが割った場合は弱気相場に転換すると判断しましょう。
反対に、最高値から右下がりに引いた45度線は、レジスタンスラインとして機能します。こちらは売りが基本で、45度線を上抜けた際に強気相場への転換が示唆されます。
トレンドの方向性や転換点を掴もう!
ポイントアンドフィギュア:カウンティング分析
カウンティングとは値幅観測を意味し、枠数を数えて目標値を計測する方法です。水平カウンティングと垂直カウンティングの2種類がありますが、一般的には水平カウンティングの方がメインです。
水平カウンティングでは「保ち合い相場を抜けた際に、高値と安値の目標値がどこになるのか」を判断できます。
保ち合い期間(横の長さ)を数えて、3枠転換の3と掛け合わせれば、目標値の算出完了です。上の図のように5列のもみ合いが続いた場合は「5×3=15」となり、15枠分の上昇が見込まれます。
利確ポイントを決める時に役立つね!
ポイントアンドフィギュアを使ったトレード例
トレンドについていく順張り
ポイントアンドフィギュアを活用して、トレンドについていく順張りを行う際は、もみ合い期間からのブレイクを狙います。下記のチャートの場合、トレンドが一時的に休止している期間を確認した後で、エントリーの準備を行うのがオススメです。
再度トレンド方向に動き出し、直近の高値をブレイクしたタイミングでエントリーを行います。
押し目買いや戻り売りのイメージだ!
トレンド転換を狙う逆張り
逆張りでは、パターン分析が効果を発揮します。まずはトレンドが転換しそうなポイントを探しておきましょう。
下記のチャートでは、トレンドが上下しながらも、やや下落傾向にあることが確認できたため、売りに優位性があると判断できます。
上昇した後、下落トレンドへの転換を示唆するダブルボトムが確認できたので、下抜けしたタイミングで売りエントリーを行います。
トレンド転換を狙う逆張り手法のメリットは、トレンドの初期にエントリーするため、ハイリターンを狙えることです。
ポイントアンドフィギュア分析はリスクリワード比を大きくできるぞ!
ポイントアンドフィギュアの注意点
値幅の設定に気をつける
ポイントアンドフィギュアで最も注意すべき点は、値幅の設定です。
1枠の値幅を小さく設定すると反応は良いですが、ダマシが多くなってしまいます。反対に、値幅を大きくすると、反応が悪くなり、トレンドに乗り遅れることが多くなります。
一般的な適正値幅を参考にしつつ、取引する通貨ペアや商品の値動き、トレード手法に合わせて、使いやすい値幅に設定してみましょう。
設定を変えて試してみよう!
ポイントアンドフィギュアと相性が良いテクニカル分析
水平線(レジサポライン)を引く
ポイントアンドフィギュアでもローソク足チャートと同様、水平線を引くことでエントリーポイントを把握しやすくなります。下記のチャートでは、レジスタンスされたポイントに水平線を引いています。
この場合、レジスタンスとして機能する水平線をブレイクしたポイントが、買いのエントリーポイントです。
反対に水平線を上抜けると、今度は水平線がサポートとして機能するようになります。なので、水平線付近で反発したタイミングが、買いのエントリーポイントです。
水平線で節目を把握しておこう!
移動平均線を使う
移動平均線を使うことで、トレンドの方向性を掴みやすくなります。ただし、ポイントアンドフィギュアに移動平均線の表示はできないので、ローソク足を併用しましょう。
下記のチャートでは、下のローソク足を見ると、中期移動平均線が長期移動平均線を上抜けするゴールデンクロスが発生しているのが確認できます。
ゴールデンクロスの発生は、上昇トレンドへの転換と捉えられるため、狙っていくのは買いエントリーです。また、スキャルピングの場合は、ポイントアンドフィギュアのチャートを見て、少し下がったことろを拾っていくとうまく利益を上げられるでしょう。
ポイントアンドフィギュアをMT4で表示させる方法
外部インジケーターの追加
ポイントアンドフィギュアはMT4に標準搭載されていません。そのため、外部のファイルをダウンロードして、MT4の「インジケータ」に追加する必要があります。
ファイルはネット上から無料でダウンロードできるぞ!
ポイントアンドフィギュアのファイルをダウンロードしたら、MT4を起動して「ファイル」⇒「データフォルダを開く」の順番にクリックします。
次に「MQL4」というフォルダをクリックします。
「Indicators」というフォルダに、ダウンロードしたポイントアンドフィギュアのファイルをインストールしましょう。
ここで一度MT4を閉じます。再度MT4を起動したら、インストールされたポイントアンドフィギュアを表示可能になっています。
MT4でポイントアンドフィギュアの設定
MT4を再起動後、「インディケータ」の「カスタム」で、インストールしたポイントアンドフィギュアを探してみましょう。
インストールしたポイントアンドフィギュアをクリック後、設定画面が開きます。設定画面では「外部エキスパートの使用を許可する」にチェックが入っているようにしましょう。
パラメーターの入力ページで、転換枠数が「3」になっていることが確認できたら、設定完了です。
ポイントアンドフィギュアの設定完了
設定完了後は、チャートの下にポイントアンドフィギュアが表示されます。
水平線や移動平均線との相性良し!
ポイントアンドフィギュア まとめ
今回は相場状況を一目で認識できて、なおかつダマシに遭うリスクを極限まで抑えられるチャート、ポイントアンドフィギュアをご紹介しました。
プロのトレーダーの中には、ローソク足よりも使いやすいという理由で愛用している方もいるので、相場状況やトレード手法によっては最適なチャートといえます。投資初心者の方や海外FXの口座開設をしたばかりの方は、慣れるまで時間が掛かるかもしれませんが、一度修得してしまえばFXや株価などの取引で自在に応用可能です。
手法の幅を広げたい方や、ローソク足チャートで上手くいかない方は、ポイントアンドフィギュアに挑戦してみることをオススメします。