・FXで自動売買をするメリット・デメリットを知りたい
・自動売買の始め方がわからない
本記事のテーマ
EAの始め方や注意点を理解して効率よくトレード!
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
FXの自動売買(EA)とは、FX取引を自動的に行うプログラムのことです。24時間自動的に取引を実行するため効率よくトレードができる一方で、正しい知識を持っていなければ表面上だけよい数値のプログラムを選んでしまい、長期的に大きな損失を被る可能性もあります。
今回の記事では、FX自動売買(EA)のメリット・デメリットや始め方について初心者の方にもわかりやすく解説します。
FX自動売買(EA)とは
FXの自動売買(EA)は、「FX取引を自動的に行うプログラム」のことです。英語でExpert Advisor(エキスパートアドバイザー)と呼ばれるため、略して「EA」と言われています。
EAは、事前に設定された売買ルールやテクニカル分析に基づいて、24時間休むことなく自動的に取引を実行します。MT4などの取引プラットフォーム上で動作するプログラムとして提供されています。
簡単に言えば、「価格の変動」や移動平均線やRSIなどの「テクニカル指標」の動きを常に監視し、設定された条件に合致した場合のみ、売買注文・決済をしてくれるものです。
自動売買を始めるためには、販売されているEAを購入するか、無料で提供されているものをダウンロードしてEAを準備する必要があります。また、MQL4と呼ばれる言語で自分でカスタムしたEAの作成も可能です。

EAにはさまざまなプログラムがある!
有料EAと無料EA
自動売買(EA)には有料と無料のEAがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
有料EAは、専門家やプログラマーによって開発された商用プログラムで、通常は詳細なテスト結果や運用実績が提供されています。
開発者による「サポート」や「アップデート」が期待でき、取引ロジックの精度も比較的高いものが多いです。ただし、購入には数万円から数十万円程度かかるため、資金が少ない方にはハードルが高いです。
一方で、無料EAは誰でも気軽に使えますが、開発者のサポートが限定的であったり、ロジックに安定性のないEAが多くあります。無料で利用できるため、小額で自動売買を始めたい方には向いています。



はじめは無料EAで理解を深めよう!
FX自動売買(EA)の分類
FX自動売買(EA)は、取引方法や戦略によって大きく3つのタイプに分類されます。
「ロジック型」「繰り返し型」「選考型」があり、これらは取引手法やリスク管理の方法が異なります。トレーダーは自身の投資方針や運用スタイルに合わせて、最適なタイプを選択する必要があります。
ロジック型
ロジック型EAは、プログラムに組み込まれた明確な取引ルールに基づいて売買を行うタイプの自動売買です。MT4のEAがロジック型の代表例です。
テクニカル指標やチャートパターンなど、具体的な数値やパターンを基準として、取引の判断を行います。
例えば、移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスを利用したり、RSIなどのオシレーター系指標の数値に基づいて売買を判断します。
ロジック型の特徴は、取引ルールが明確で一貫したトレードができ、バックテストによる過去の成績が再現しやすい点です。このため、市場が想定通りの場合は、安定した収益を上げられます。
ただし、市場環境が大きく変化した場合には、プログラムされたロジックが機能しなくなる可能性があり、定期的なロジックの見直しやアップロードが必要です。



永遠に効くロジックはないと考えよう!
繰り返し型
繰り返し型のEAは、一定の値幅で繰り返し取引を行うタイプの自動売買システムです。MT4でも繰り返し型を採用したEAが多くあります。
繰り返し型のEAでは、マーチンゲール法やグリッドトレード法など、定期的に取引を行う手法を採用しています。このタイプのEAは、相場のボラティリティを利用して、小さな値幅の積み重ねで利益を増やします。
例えば、「ドル円の価格が150円になったら買い、155円になったら売り、そしてまた150円になったら買い」などある価格を売り買いの基準にしてトレードを繰り返します。
繰り返し型の特徴は、相場の状況に関係なく取引機会が多く、レンジ相場では効果的に機能する点です。しかし、急激な相場変動時にはリスクが高まる可能性があり、適切なリスク管理が必要不可欠です。さらに、取引回数が多くなるため、取引コストにも注意しましょう。



リスク管理は徹底!
選択型
選択型EAは、FX会社が用意した「複数の取引手法」や「優秀なトレーダーのトレードをもとにした取引方法」の中から、自分で利用したいものを選択して取引を行う自動売買システムです。
選択型の特徴は、複数の取引手法を組み合わせることで、リスク分散を図ることができます。FX会社が提供する取引手法は、売買ロジックや運用実績が公開されていることが多く、自分の投資スタイルに合った手法を選択できます。
ただし、提供される取引手法が限定的なため、ロジック数は少なく、提供している業者の口座でしか利用できません。
FXの自動売買のメリット
FXの自動売買(EA)のメリットは下記の通りです。
FXの自動売買(EA)のメリット
・感情に惑わされず、一貫した取引ができる
・チャート画面に張り付く必要がない
24時間取引チャンスを最大限生かせる
自動売買(EA)を利用することで、自分が寝ている時間帯や仕事中であっても、取引のチャンスを見逃すことなく取引できます。FX市場は世界中の金融センターによって管理されているため、24時間稼働しています。そのため、土日を除いて一日中トレード可能です。
例えば、日本時間の深夜に開催される重要な経済指標の発表や、欧米市場の重要なニュースによる相場変動など、通常であれば見逃してしまうような大きな取引チャンスを活かせます。逆に相場が予期せぬ方向に動いた場合でも、EAによってリスクを最小化できます。
このように、時差のある海外市場の値動きも逃すことなく取引できるため、より多くの利益が期待できます。



FXトレードは日本時間の「夜中」が本番
感情に惑わされず、一貫した取引ができる
自動売買(EA)は、あらかじめプログラムされた取引ルールに従った一貫した取引ができます。
トレーダーが自分で注文・決済を行う「裁量取引」では、損失への恐怖や利益確定への焦りなど、さまざまな感情が取引の判断に影響を与えてしまい、本来のロジック通りのトレードができないことが多くあります。



裁量トレードは少しの判断ミスで大きな損失につながることも!
しかし自動売買(EA)を使用することで、「損切りの遅れによる損失の拡大のリスク」や連続で損切になった時など、「感情的になって損失を取り返そうとする無謀な取引」を防げます。
あらかじめプログラムされたルールに基づいた一貫した取引を続けることで、「長期的な収益の安定」が期待できます。
チャート画面に張り付く必要がない
自動売買(EA)を利用することで、トレーダーはチャート画面を常時監視する必要がなくなります。これにより、本業や私生活とFXの両立ができ、効率的に時間が使えます。
自動売買(EA)が自動的に取引を実行してくれるため、トレーダーは定期的な稼働のチェックと調整を行うだけです。
チャートに張り付くことによる精神的・肉体的な疲労を軽減できるだけでなく、相場を見続けることにより、必要以上に取引したくなる衝動に駆られることもなくなります。長期的にトレードで成功するための大きなメリットです。



仕事や家事で忙しい方でもチャンスを逃さない!
FXの自動売買のデメリット
FXの自動売買(EA)のデメリットは下記の通りです。
FXの自動売買(EA)のデメリット
・EAの購入や稼働にコストがかかる
・EAの売買ロジックによって性能が違う
予期せぬ相場変動に弱い
FX自動売買(EA)の最大の弱点は、プログラムされたロジックの想定を超える相場変動に対して柔軟に対応できない点にあります。
例えば、重要な経済指標の発表時や地政学的リスクの発生時には、相場が急激に変動することがあります。このような突発的な相場変動に対して、EAは機械的にプログラムされた通りの動作しかできないため、大きな損失を被る可能性があります。
相場の急激な変動時には、裁量トレードであれば状況を判断して取引を一時停止したり、ポジションを手動で決済したりすることができます。しかし、EAはそのような柔軟な判断ができないため、プログラムされたロジック通りに取引を続けることで、損失が拡大してしまう可能性もあります。



重要な経済指標発表時などのみEAを停止しておくのもひとつ!
自動売買(EA)の購入や稼働にコストがかかる
自動売買(EA)の導入には、初期費用だけでなく、継続的なランニングコストが発生します。
優れたEAは高額な購入費用が必要となることが多く、また月額利用料が発生するケースもあります。さらに、EAを稼働させるためには、「安定したインターネット環境」や「常に稼働しているパソコンもしくは、専用のVPSサーバー」が必要となるため、これらの維持費用も考慮する必要があります。
自動売買(EA)を自分のパソコンで運用する場合は、常にパソコンの電源をON(スリープ状態もNG)にしてEAを稼働しておく必要があるので注意しましょう。
自動売買(EA)の売買ロジックによって性能が違う
自動売買(EA)の性能は、プログラムされた売買ロジックに大きく依存します。このため同じ相場環境でも、EAによって全く異なる取引結果となります。
また、ある期間は優れた成績を残したEAでも、相場環境が変化すると途端に性能が低下することもあります。例えば、繰り返し型のEAのようにレンジ相場では利益が積み上がり良い成績になりますが、トレンド相場では成績が悪くなります。
さらに、売買ロジックが公開されていないEAの場合、なぜその取引が行われているのか理解できず、適切なリスク管理が難しくなる可能性があります。
EAの中には、過去のバックテストでは良好な結果を示していても、実際の運用では期待通りの成績を残せないものも存在します。これは、売買ロジックが過去のデータに過度に最適化させられている(オーバーフィッティング)ためです。



いくつかのEAに分散させることも検討!
FX自動売買(EA)のおすすめの選び方
FX自動売買(EA)を選ぶ際には、いくつかおすすめの判断基準があります。適切なEAを選択することで、安定した運用と収益確保の可能性が高められます。


おすすめの判断基準は下記の通りです。
FXの自動売買(EA)を選ぶ際の判断基準
・取引の頻度が少なすぎないこと
・成績グラフが右上がりになっていること
・収益性が十分良いこと
・最悪の場合のリスクが小さいこと
過去の成績が良いものを選ぶ
EAを選ぶ際に最も重要な判断材料となるのが、過去の運用実績です。「バックテスト」や「フォワードテスト」の結果を確認することで、そのEAの性能を客観的に評価することができます。
「バックテスト」は、過去の相場データを使用して試験的に取引を行った結果です。一方、「フォワードテスト」は、実際に進行中の相場で自動売買(EA)取引を行いながら成績を蓄積した結果です。
実際の取引結果がすべてのため、「バックテスト」よりも「フォワードテスト」のほうが信頼性が高いです。
ただし、「フォワードテスト」は公開されていないものや期間が短いものが多いです。そのような場合は、「バックテスト」で長期の運用結果を確認してください。最低でも3年以上の実績があることが望ましいです。



期間の短いEAは避けよう!
長期間の実績を確認することで、トレンド相場やレンジ相場など、様々な相場環境下での性能を確認可能なため、EAの実力をより正確に把握できます。
取引の頻度が少なすぎないこと
EAの取引頻度は、「信頼性」と「EAの特性」を理解する上で重要な指標です。
取引頻度が少ないEAは、「信頼性が低い」可能性があります。例えば、コインを投げて表が出る確率は50%ですが、投げる回数が10回と少ない場合、結果は3回の時もあれば7回でることもあります。しかし、投げる回数を増やして、1000回投げれば結果は500回程度に収まります。
EAの場合もコインと同様で、取引回数が少ないと、たまたま成績が良くなるケースがあるので注意が必要です。目安としては、最低でも「100回以上」は取引があるEAを選ぶことをおすすめします。



バックテストの期間が長くても取引回数が少なければ信頼性が低い!
逆に、取引頻度が高いEAは、それだけ多くの取引コストが発生します。そのため、過去の実績を確認する際に、きちんと「スプレッド」などのコストが反映されていることを確認してください。
成績グラフが右上がりになっていること


EAの性能を確認する上で、成績グラフの形状は非常に重要な指標となります。
理想的な成績グラフは、長期的に見て右上がりの傾向のものです。安定した収益が上げられる可能性が高いです。
ただし、グラフの形状を見る際は、単純な右上がりだけでなく、その上昇過程にも注目する必要があります。急激な上昇と下降を繰り返すグラフは、リスクが高い可能性があります。
どんな相場環境でも「なだらかな右上がりのグラフ」が、安定した運用が行われていることを示す良い指標となります。



一気に資金を増やせるEAはないと考えておこう!
収益性が十分良いこと
EAの収益性を評価する際には、単純な利益額や利益率だけでなく、様々な指標を総合的に判断する必要があります。
収益性を確認する指標は、プロフィットファクター(PF)、リカバリーファクター(RF)があります。これらの指標は、リスクに対する「収益の効率性」を示すものとして重要です。
PFは「損失」に対する「利益」の割合を計算したもの、RFは「最大の損失(最大のドローダウン)」に対する「利益」の割合を示したものです。例えば、過去の実績の利益が100万円、損失が75万円、最大の損失が10万円だった場合、PFは1.3(=100/75)、RFは10(=100/10)倍となります。
PFとRFの値が大きいほど、収益性が良いと判断できます。目安としてPFが1.3以上、RFが15倍以上あれば、良好な収益性があるとされています。
最悪の場合のリスクが小さいこと
EAを選ぶ際には、「最大ドローダウン」や「連敗数」、「損切の上限」など、リスク管理も忘れてはいけません。
過去の運用実績において、最大どの程度の損失を記録したのか、また、それがどのような相場環境で発生したのかを確認することが必要です。
リスク管理機能として、「損切機能」や、「ポジションサイズの自動調整機能」などが実装されているかどうかも確認すべきポイントです。また、急激な相場変動時の対応策や、システムトラブル時のサポート機能の有無なども、重要な選択基準となります。



EAでも分析は必要!
FX自動売買(EA)で失敗しないための5つのポイント
失敗しないための「5つのポイント」は、下記の通りです。
FXの自動売買(EA)で失敗しない5つのポイント
・売買ルールは絶対に守る
・過去実績から自動売買(EA)を停止する基準を設ける
・過去の実績と実際の稼働結果を確認する
・相場の基礎知識を身につける
自動売買の設定を正確に行う
FX自動売買(EA)で失敗しないためには、正確な初期設定が不可欠です。設定ミスは予期せぬ損失につながる可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。
例えば、「移動平均線の算出期間」や「RSIの売買基準値(「RSIが30」の時に買うなど)」を任意に設定できるEAが多くあります。EAの「バックテスト」や「フォワードテスト」と同じ設定になるようにしてください。バックテストと異なる設定にすると、成績が悪くなる場合が多いので注意が必要です。



少しの違いで大きく変わる!
さらに、「ロット数(取引する数量)」の設定も重要です。資金に応じて適切に設定する必要があります。多くのEAでは推奨の「証拠金」と「ロット数」が掲載されています。
例えば、「10万円の証拠金」に対して「0.1ロット」で運用してください、など提供者からの推奨値を参考にしてください。証拠金に対してロットが大きいと「ロスカット(含み損が多くなった場合に、強制的に損切)」される可能性があります。
売買ルールは絶対に守る
FX自動売買(EA)を運用する際は、設定した「売買ルール」を厳守することが重要です。
自動売買(EA)を導入する最大のメリットの一つは、感情に左右されず一貫した取引ができることです。感情的になってルールを変更したり、利益を確保するために手動で決済したりすることは、システマチックなトレードのメリットがなくなります。
また、EAが損失を出している場合でも、慌てて設定を変更したり、EAを停止したりすることは避けましょう。事前に決めたルールを途中で変更することは、その後の大きな利益の機会を逃すだけでなく、より大きな損失を招く可能性があります。
設定したルールを守り続けることで、長期的には安定した運用ができます。ルールの変更が必要な場合は、十分なバックテストと検証を行った時のみしましょう。



EAは長期的な目線を持って運用しよう!
過去実績から自動売買(EA)を停止する基準を設ける
予期せぬ相場変動に対応できない場合もあるため、システムを停止する明確な基準を設けることも必要です。
自動売買システムにも限界があり、必ず相性の悪く成績が上がらない時があります。その場合にどうなったら、EAを止めるのかを決めておけば感情に左右されず運用できます。
基準として、過去の実績の最大の損失割合を示す「最大ドローダウン」を確認する方法が最も有効です。最大ドローダウンは「証拠金が最大で何%減ったか」を表す数値です。例えば、バックテストの最大ドローダウンが「20%」だった場合、それを超えた場合にEAを停止すると基準を定めます。
このようにEAを停止する基準は、過去のバックテスト結果などを参考に、自分の許容できるリスクに応じて設定しましょう。
過去の実績と実際の稼働結果を確認する
自動売買(EA)の運用では、定期的なパフォーマンス検証が不可欠です。
FXでは過去と全く同じ値動きになることはありません。このためEAの実際の運用結果は、バックテストの結果と乖離します。この乖離が「設定ミス」や「運用環境」によって引き起ったものではないことを確認するためにも、実際の稼働状況のチェックが欠かせません。
例えば、「勝率」や「リスクリワード(損益比率)」を確認し過去の実績と数十%以上の乖離がある場合は、設定を再確認したり、推奨されている通貨ペアではないもので運用していないか、再確認します。
これらの項目を定期的にチェックし、正常に稼働しているのにも関わらず、過去の実績との乖離が大きい場合は、必要に応じて運用方針の見直しを行います。



見直しは必ず必要!
相場の基礎知識を身につける
自動売買(EA)を活用するとはいえ、適切に運用するためには相場の基礎知識は必要です。相場の仕組みやテクニカル分析、ファンダメンタルズの理解がなければ、適切なEAの選択や運用・管理はできません。
特に重要な基礎知識は、「資金管理」についてです。どれほど優秀なEAを使用していてもFXの基本である、「証拠金」や「ロット数」について理解できていないとEAの運用が困難です。
さらに、EAで使用している「インジケータ」や「チャートパターン」などのテクニカル分析の特徴を知っておくことも大切です。
これらの知識があることで、EAの動作原理を理解し、より効果的な運用につながります。



相場の基礎知識があればEAへの理解が深まる!
MT4で自動売買(EA)を始める方法
MT4で自動売買(EA)を始める手順は以下の通りです。
MT4で自動売買(EA)を始める手順
②使いたい自動売買(EA)をダウンロード
③MT4に自動売買(EA)のファイルをインストール
④自動売買(EA)をチャートで稼働するように設定
⑤自動売買(EA)を開始
【手順1】自動売買(EA)が認められている信頼できる業者で口座開設
MT4で自動売買(EA)を始めるためには、まず信頼できるFX業者で口座を開設する必要があります。
信頼できる業者とは「金融ライセンス」を取得し、FX業者としての「実績が長い」業者です。金融ライセンスがなく、実績が短い業者で取引すると「出金できない」、「口座が凍結される」などのリスクがあるので、必ず口座開設前に確認してください。
また、口座開設時に必ずMT4での自動売買を許可している業者であることの確認が必要です。一部の業者は自動売買を許可していない場合があるので注意してください。
さらにスプレッドが狭く、取引手数料が低いことは利益を大きくするために重要です。
【手順2】使いたい自動売買(EA)をダウンロード
自動売買(EA)は、「MetaTrader4の公式サイト」や販売所・個人のサイトなどからダウンロードできます。
初心者の場合は、実績のある会社が提供するEAの使用をおすすめします。ダウンロードする際は、必ずEAの過去の実績や売買ロジック、動作環境(ハイスペックなパソコンでないと動かない場合があり)を確認します。
ダウンロードしたEAファイルは通常、「.ex4」もしくは「.mq4」という拡張子を持っています。これらのファイルはMT4で実行できるEAの形式です。セキュリティの観点から、ファイルをダウンロードする際はウイルススキャンを行い、信頼できないサイトからのダウンロードは避けましょう。
【手順3】MT4に自動売買(EA)のファイルをインストール
MT4へのEAファイルのインストールは、下記の手順で行います。
1. MT4で「Experts」フォルダを開く
まず、ダウンロードしたEAファイルをMT4に保存するために「Experts」フォルダを開きます。MT4の「ファイル」メニュー内の「データフォルダを開く」をクリックします。


クリックすると「エクスプローラー」が開くので、次に「MQL4」フォルダを開きその中の「Experts」を選択します。




2.「Experts」フォルダにEAのファイルを保存する
「Experts」フォルダが開けたら、ダウンロードしたEAの「.ex4」の拡張子のファイルを「Experts」フォルダに「.ex4」ファイルをコピーして保存します。


3.MT4を更新(もしくは再起動)してEAが保存できていることを確認
「Experts」フォルダに「.ex4」ファイル保存できたら、MT4を更新します。MT4の「ナビゲータ」内の「エキスパートアドバイザー」を右クリックし、「更新」ボタンを押すか、MT4を再起動することで更新できます。


更新できたら、「ナビゲータ」の「エキスパートアドバイザー」内に保存したEAのファイルが表示されます。


【手順4】自動売買(EA)をチャートで稼働するように設定
EAのファイルが保存できたら、チャート上でEAを稼働させる設定を行います。
まず、MT4の「ツール」メニューから「オプション」を選択し、「エキスパートアドバイザー」タブで「自動売買を許可する」をチェックします。




次に、EAを使いたい通貨ペアのチャートを開き、ナビゲーターウィンドウからEAをドラッグ&ドロップします。その際、EAの設定画面が表示されるので、「全般」タブ内の「自動売買を許可する」にチェックをし、パラメーターを適切に設定して右下の「OK」ボタンをクリックします。




【手順5】自動売買(EA)を開始
EAがチャートに設定ができたら、最後に稼働を開始します。
チャート上部の「自動売買」ボタンをクリックし、緑色になっていることを確認します。チャート右上に「スマイルマーク」が表示されたら、EAが正常に稼働しています。


「スマイルマーク」が表示されない場合は、自動売買が許可されていません。その場合は、「オプション」と「EAの設定」で「自動売買を許可する」にチェックをいれてください。
初回運用時は、いきなりリアル口座で運用するのではなく、デモ口座で正しく動作するか確認することをおすすめします。確認する項目としては、実際の取引環境でEAが正常に動作するか、設定した通りの注文ロットになっているかを確認します。



特に資金管理の設定は要チェック!
自動売買(EA)を始める際の注意点
FX自動売買(EA)を始める際には、下記の点に注意してください。
自動売買(EA)を始める際の注意点
・利益だけが強調された自動売買(EA)を選ばない
・1つのEAだけで運用しない
これらの点に気をつけることで、リスクを最小限に抑えられます。自動売買(EA)は便利なツールですが、適切な使用方法を理解することが成功への近道です。
いきなり大きな金額で運用しない
自動売買を始める際に最も注意すべきことは、「運用資金の設定」です。初めから大きな金額での運用は、予期せぬ損失を招く可能性が高いです。
まずは少額(運用できる資産の10%程度)から始めることで、自動売買(EA)の仕組みや市場との相性を確認できます。少額から運用を始めて、過去の実績の通り右肩上がりの成績グラフや勝率であることが確認できた後、段階的に運用資金を増やしていきましょう。
その過程で、自動売買(EA)の特性や安定した運用を行うための知識が身につき、大きな金額を運用できる技量も獲得できます。
利益だけが強調された自動売買(EA)を選ばない
自動売買(EA)を選択する際、華々しい利益実績のみを強調する商品には注意が必要です。安定した成果の出るEAは、利益が大きいだけでなく、損失が小さいという特徴があります。
利益だけでなく、「最大ドローダウン」や、「リスクリターン」などのリスク指標の確認も重要です。
また、都合のいいように過去の実績を切り取っている場合もあります。EAには得意な相場と苦手な相場があります。例えばトレンドが明確に出ているときは成績が良いが、レンジ相場には弱いEAの成績を「トレンドが出ていた期間」だけを切り取って実績を作成すれば、すごい利益がでているように見えます。
このようなEAを選ばないように、できるだけ過去実績の期間が長く、取引回数が多いものを選ぶようにしましょう。



勝率が異様に高いEAにも注意!
1つのEAだけで運用しない
自動売買(EA)を「1つだけ」運用するのは、リスクが大きいです。複数のEAを組み合わせて(ポートフォリオを組む)、リスクを分散させることをおすすめします。
リスクを分散させるために、それぞれのEAの特性を理解し、相関の低い複数のEAを組み合わせます。これにより、1つのEAが不調でも、他のEAでカバーできます。ただし、運用するEAの数が多すぎると管理が複雑になるため、3〜5個程度が現実的です。
複数のEAを選ぶ際は、開発者が取引ロジックや運用方針について明確な説明をしているかどうかが、重要です。取引ロジックが不透明なEAは、得意な相場と苦手な相場がわからないため組み合わせて使用するのに向きません。



ロジックやバックテストの期間などを考慮した上で選ぼう!
FXの自動売買に関するQ&A
自動売買はどこでダウンロードできますか?
FXの自動売買(EA)のダウンロード方法には、3つあります。
1つ目は、MQL5.comのマーケットプレイスです。これは、MetaTrader4/5の公式マーケットで、世界中の開発者が作成したEAが多数販売されています。信頼性が高く、レビューやバックテスト結果も確認できるため、多くのトレーダーに利用されています。
2つ目は、EA開発会社や個人開発者のサイトです。日本国内でもいくつかの販売サイトがEAをウェブで販売しています。販売サイトでは口コミや過去の実績が公開されているので安心してEAを購入できます。
また開発者とのコミュニケーションが取りやすく、サポートも充実しています。
3つ目は、FX業者が提供する自動売買(EA)です。FX業者はそれぞれ独自のプログラムや自動売買システムを提供しています。各業者のウェブサイトやプラットフォームから利用できます。



EAの種類はとても数が多い!
システムトレードやコピートレードと自動売買の違いは何ですか?
システムトレードは、一定のルールに基づいて取引を行う手法の総称です。自動売買(EA)はシステムトレードの一種ですが、すべてのシステムトレードが自動化されているわけではありません。手動でシグナルに従って取引を行うシステムトレードも存在します。
コピートレードは、熟練トレーダーの取引を自動的にマネして取引する方法です。自動売買(EA)が機械的なルールに基づくのに対し、コピートレードは人間のトレーダーの判断に基づくという点が大きな違いです。
裁量取引との違いは何?
裁量取引と自動売買の違いは、取引判断を行うのが「トレーダー」か「あらかじめ決められたロジック」なのかです。
裁量取引では、トレーダー自身がチャートを分析し、エントリーやイグジットのタイミングを判断します。これにより、その時々の相場状況に応じて柔軟な対応が可能です。市場の急激な変化や重要なニュースなどにも柔軟に対応した取引ができます。
一方、自動売買(EA)では、あらかじめプログラムされたルールに従って機械的に取引が行われます。人間の感情や主観的な判断が入らないため、一貫した取引が可能です。また、24時間休むことなく取引機会を逃さないという利点があります。



裁量トレードはすべて自分で判断!
初心者は裁量取引と自動売買(EA)どっちが良いですか?
初心者の方には、まずは「裁量トレード」で経験を積むことをおすすめします。
FX取引を始めたばかりの初心者には、最初から自動売買(EA)を始めることは難しいです。FXの基本的な知識や相場の動きを理解していないと、EAの選択や運用判断が適切にできません。
そのため、初心者は最初に裁量取引でFXの基礎を学び、相場の値動きやチャートの見方、各種指標の意味を理解することが不可欠です。その後、自動売買(EA)を段階的に導入することで、より効果的に取引ができます。
Macで自動売買(EA)はできますか?
Macだけで自動売買(EA)はできません。MT4は「Windows向け」に開発されたソフトウェアのため、Macとの互換性が低く利用が困難なためです。
このため、Macユーザーが自動売買(EA)を稼働するには、VPSを利用する必要があります。VPSはインターネット上にあるレンタルの「Windowsパソコン」のようなものです。
VPSは常に電源が入っていて、インターネットにも接続されているため、Macでも自動売買(EA)ができます。



VPSは仮想パソコンなので手持ちのパソコンの電源が入ってなくてもEAを稼働できる!
FXの自動売買(EA)のメリット・デメリットまとめ
FXの自動売買(EA)は、感情に左右されることなく24時間取引が可能なため便利なツールです。一貫した取引ルールに基づいて売買が執行されるため、感情的な判断による損失を防げます。
一方で、予期せぬ相場変動への対応が難しいというデメリットもあります。EAを利用する場合は初期費用や維持費用が発生し、売買ロジックによって性能が大きく異なる点にも注意が必要です。
自動売買(EA)は便利なツールですが、万能ではありません。相場環境の変化に応じて適切な対応を取れるよう常に運用状況を把握し、場合によっては稼働を停止・見直しを行うことが重要です。