・専業トレーダーになることを考えている方
・専業トレーダーの生活やメンタルの状態を知りたい方
本記事のテーマ
専業トレーダーになるための最初の資金とその後の年収
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届けします>
今回の記事では、専業トレーダーに転身することを考えている方や、FXトレーダーの生活や年収、貯蓄に興味がある方に向けて、「専業トレーダーの実態」をご紹介します。
筆者は専業トレーダーになって5年目ですが、専業になるまで他の専業の方々との繋がりはありませんでした。なので、人はどのようなきっかけで専業に転身するのか、軍資金やその後の稼ぎなど、分からずに不安に感じていたこともあります。
日本に「FX収入だけで生活する人」が何人いるのかは不明ですが、現在の筆者の肌感では意外と多いように感じられます。今回の記事が、これからFX専業トレーダーになることを検討している方の参考になれば幸いです。
FXの専業トレーダーの資金とは?
平均日給は1.5〜3万円
筆者の周りには、独身の方や家庭を持っている方など、様々な種類の専業トレーダーの方がいます。「ほとんどの人は、平均すると1.5〜3万円の日給」という印象です。
専業トレーダーの取引スタイルは人それぞれですが、大きくは下記の2つに分けられると思います。
2種類の専業トレーダー
②:①と同じように毎日チャートは見ているが、取引するのは月に2〜3回
②の場合は、1回の取引で大きく稼ぐ、といった感じです。①と②でどちらがより稼いでいる、というのは特にありません。
「専業のわりに収入が少ない」と感じるかもしれません。正直にいうと、多くの専業トレーダーの実情は想像よりも地味なものといえます。毎日10万円以上稼ぐトレーダーはごく少数です。
専業トレーダーの年収は、平均すると一般的なサラリーマンの方々の年収(500〜650万円)と同じくらいといえます。
当然、専業トレーダーの中には億単位の資産を得た「億り人」もいます。しかし、「年収1,000万円を超える専業トレーダーは、20人に1人くらい」というのが筆者の印象です。
心の拠り所は「まとまった資産」
年収の高さに関係なく、全ての専業トレーダーにとって最大の課題は「どのようにメンタルをコントロールするか」です。FXの収入は安定的に入ってくるものではないので、精神面の健康の維持が重要です。
たしかに「面倒な上司や部下がいない分、比較的楽な生活」という一面はあるかもしれません。しかし、1日中パソコンの前で働いたにも関わらず、その日の収入はマイナスという日もあります。毎日2万円が確実に入るサラリーマン生活とは「精神的な安定」が大きく違ってきます。
そこで、専業トレーダーにとって精神的な拠り所になるのが「まとまった資産」です。
毎日の収支で一喜一憂せずにコツコツとトレードできるのは、「ある程度の資産があり、生活を脅かすような大きな損失を出さず、地道なトレードができているから」だといえます。
安心して生活できるだけの資産がなければ、専業トレーダーの精神はもたず、冷静な取引を続けられずに負け越す結果になるかもしれません。専業トレーダーにはまとまった資産があるからこそ「心を整える」ことができて、着実に利確と損切りを続けられるといえます。
「まとまった余剰資金」が必須!
FXの専業トレーダーを始めるための必要資金は?
元手は最低でも3,000万円は必要
拠り所になる「まとまった資産」はどれくらいあると、専業トレーダーとして安心して生活できるのでしょうか?
「資産30万円」でもFX一本の専業トレーダーにはなれますが、筆者としては、同世代のサラリーマンの方々と同じ生活水準を保つためには「資産3,000万円」は必要と思っています。
この金額には、色々な意見があるかもしれません。また、「資産数万円から年収1,000万円を超えた」という話も耳にしないわけではありません。しかし、筆者からすると、それは強靭な精神力を持った方のかなりレアなケースに思えます。
専業トレーダーを自営業者として考えた場合、家の太さや特別な人脈、特許や設備などを持たない専業のFXトレーダーは、一番最初に軍資金(元手)が3,000万円くらいあれば、専業になる前と同じ精神状態でFX取引を続けられる、と思えます。
その後の年収の最低ラインは300〜350万円
専業トレーダーは、資産が底をついた時点でキャリア終了になり、収入源も絶たれます。そう考えると、やはり必要最低資金は3,000万円といえるでしょう。
「毎年の利益は、最低300〜350万円」は欲しいところです。
年収額が300万円は少なく感じられるかもしれません。しかし、「資産ベースで考えると年利10%超」になるので、成績としては超優秀なファンドマネージャー級です。
また、考えようによっては、資産3,000万円でも、専業トレーダーとして生活するには少し頼りないといえるかもしれません。
重要なのは「月に25万円稼ぐ」ではなく、「年に300万円稼ぐ」に重きを置いてトレードを続けること!
FXの専業トレーダーに必要なメンタリティは?
その過酷なFX専業トレーダーの「心の整え方」には、学ぶべき点がたくさんあるといえます。
仕事を持ちながらFX取引をする兼業トレーダーの方々も、同じく大切なお金を運用するので、専業トレーダーの緊張感を身につけるに越したことはありません。
1日単位ではなく1年間単位の収支で考える
専業トレーダーとして投資だけの日々が続くと、良くも悪くも「口座の中にあるお金がただの数字にしか見えない状態」になってきます。ある意味では麻痺した状態ともいえますが、一喜一憂しない精神性という側面からは重要になると思います。
1日単位の収支で考えると身が持ちませんが、週や月単位で考えれば穏やかな気持ちでトレードできます。そのため、冷静なトレードで自分の実力を出し続けるためには、資産計画は中長期的に考えるべきだといえます。
「手元にある軍資金でどう戦うか」を考えた上で、「トータルの収支は1年間単位」で捉える心持ちが重要です。日々の細かな増減は気にしてはいけません。
月収ではなく「年収」を意識しよう!
周りに惑わされず自分のスタイルを継続する
仮に負けたとしても、その負けを取り返す気持ちで挑んでは絶対にいけません。トータルで勝てる投資家は負けた額は気にせず、手元に残った資金をベースに考えて次のトレードに挑みます。
FX初心者や中上級者に関わらず、周りが儲けると自分の収益に満足いかずに、投資リズムを崩す人がいます。仮想通貨バブルの時などが分かりやすい例ですが、周囲の儲け話に焦りが出て、投資方針のみならず、投資額やレバレッジまで自分の基準と違うことを始めてしまいます。
諸々の価値観や方針が違う人の行動なので、参考にする程度にとどめて自分のスタイルを継続すること必要があります。
「負けを取り返す気持ち」はNG!
【結論】FXの専業トレーダーに必要なのは「まとまった資金」と「メンタルの強さ」
専業トレーダーの苦悩と喜び
私の場合は、「こちらの記事」で紹介しているような方法で資産を築き、専業トレーダーになれました。しかし、安定したお仕事を抱えている方は、安易に専業トレーダーの道を選ばないことをお勧めします。
FXの懇親会でもネット上でも「専業トレーダーになることを目指しています」という方をよくお見かけます。しかし、決して楽な毎日ではなく、資産・技術に加えて、強い精神性も必要になります。
「資産が減ったとしても精神が擦り切れないメンタリティ」を持ち合わせていないと専業トレーダーになることは難しいといえます。
筆者がスキャルピングの父「ボブ・ボルマン氏」に独占インタビューを行った際、ボブ・ボルマン氏は「取引の良し悪しを完全には無視できないが、取引の目的は長期的な利益を得ることだと考えている」と仰っていました。
専業トレーダーを目指している方へ
ストレスなく投資をしながら生きていくには最低1億円ほどの資産は欲しいですし、大負けせずに毎日利益を積み上げられる技術も必要です。
しかし、兼業トレーナーから専業トレーナーに転向する場合は、下記の2つの要素を満たしていることが重要だと思います。
専業トレーダーに必要な2つの要素
・収支を間単位で考えられるメンタルの強さ
あるいは、2つとも満たしていない場合も、どちらか1つが圧倒的に秀でている場合は、半年や1年間と期間を決めて、専業トレーダーに挑戦してみるのも良いかもしれません。
FXの専業トレーダーになるためのチェック項目
5つのチェック項目
・まとまった資金はあるか?
・メンタルコントロールを上手くできるか?
・家族や友人からの理解は得られるか?
・生涯収支1億円を目指す気力を維持できるか?
専業トレーダーの自分をイメージできるか?
先ほど、専業トレーダーは、「①:毎日(or週に2〜3日)取引している」と「②:①と同じように毎日チャートは見ているが、取引するのは月に2〜3回」の2種類に分けられると説明しました。
当然、そうではないトレーダーもたくさんいますが、専業トレーダーになったばかりの頃はほとんどの場合、「①:毎日(or週に2〜3日)取引している」という取引スタイルになるのではないかと思われます。
そのため、まずは「デュアルモニターで複数のチャートを開き、パソコンの前に6〜10時間座っている姿」を想像してみることをおすすめします。
どのような時間帯にトレードするかは、トレードスタイル次第で変わります。しかし、トイレやお風呂、食事の時間も、常にiPadなどのタブレットでチャートが視界に入るようにしておかなければ、専業として生活していくには難しいかもしれません。(逆に専業になると、常に視界にチャートが入ってこなければ不安になってきます…)
プロの中には昼夜逆転生活も多い!
まとまった資金はあるか?
最低でも3,000万円の資金がなければ、専業トレーダーとして生計を立てるのは難しいと記載しました。
しかし、これはあくまでも筆者の個人的な意見なので、極端なことを言えば、無視していただいて構いません。ただし、筆者は専業トレーダーになったばかりの頃、「もっと軍資金を貯めてから専業になればよかった」と後悔したことは、一度や二度ではありません。
当然の話ですが、軍資金は多ければ多いほど、心に余裕を保てて冷静なトレードを続けやすくなります。また、生活水準を上げることは簡単ですが、下げることは難しく、筆者の周りでは残念ながら、生活水準を下げることに成功した方は一人もいません。
そのため、どんなに負けが続いても現在の生活水準を保てるまとまった貯金があった方が、自分を見失わずに海外FXトレードを続けられるといえるでしょう。
失敗した場合の逃げ道の確保は重要
「失敗した場合の逃げ道の確保」というのは、資金を全て溶かす前に一旦FXから身を引くことを指します。
なので、資金のうちのこれ以上は絶対に手をつけない、というボーダーを自分の中に設けておきましょう。
メンタルコントロールを上手くできるか?
上手なメンタルコントロールとは、一言で言うと「収支を年単位で考えられるだけの心の余裕を保つこと」です。
FXの目的は、あくまでも長期的に稼ぐことなので、「今週は負けが続いている」「上半期はトータルでマイナスだった」というようなことで、気分を左右されないように注意しなければなりません。
また、「デュアルモニターで複数のチャートを開き、パソコンの前に6〜10時間座っているけれども、半年間も負けが続いている状態」では、どれほど辛い精神状態になるかは容易に想像できると思います。
しかし、専業トレーダーとして生活をするためには、決してやけくそにならず、残りの半年間で1年間の収支をプラスにする堅実なトレードを続ける必要があります。
繰り返しになりますが、重要なのは「長期的に稼ぐこと」です。負けが続いている際には、デモトレードで自身のトレード手法を再検証したり、思い切って1週間ほどFXから離れたりすることが重要です。
筆者としては、「再検証しよう」「少しだけFXから離れてみよう」という発想が頭に浮かんで、それを実行できるということは、メンタルコントロールが上手くいっている証だと思います。
健康を保つことが勝率を上げるコツ!
家族や友人からの理解は得られるか?
これは完全に筆者の個人的な意見なので、無視していただいて一向に構いません。
筆者は「FXで困ったことがあった際に、それを正直に打ち明けられる人が周りに1人でもいれば、それはとても幸せなことだ」と思っています。家族や友人などに限らず、Twitterやオンライン上での友人でもOKです。
負けが続いて精神的に不健康になってしまった場合、誰かにそれを相談しても、「だからFXはやめとけと言っただろ、と言われるのではないか」と勘ぐってしまうことがあります。
しかし、「この人にならFX面での自分のどんな弱さもさらけ出せる」という人が周りに1人でもいれば、それだけで勇気と安心感が湧いてきて、トレードの冷静さを保つことができます。
人それぞれ冷静さの保ちかたは違うので、逆に周りに相談できる人がいない方が自分を追い詰められてストイックにスキャルピングを続けられる、という専業トレーダーの方もいるかもしれません。
ただし、正直に自分の負けをさらせる人が1人でもいることは、案外悪いことではないと筆者は思っています。
生涯収支1億円を目指す気力を維持できるか?
投資や投機の世界では、「月に自分が生活できる分だけ稼げればOK、というスタンスよりも、億単位の大きな金額を目標にした方が中長期的な勝率が高い」といわれています。
これについては反対意見もあるかもしれません。しかし、先述した通り、FX会社を利用した投資では年単位の収支として勝ち負けを捉える必要があります。そのため、「理想の月収を定めるよりも理想の年収を定めて、それに対して力を尽くしていた方が、良い精神状態を保てるので勝率が上がる」とも捉えられます。
生涯収支1億円は少しオーバーかもしれませんが、それくらいの目標金額を定めて、なおかつ中だるみすることなく長期的に利益を上げることを目指すことが、長く専業トレーダーとして生活するには重要といえます。
長期的な目標を掲げている方が、トレーダーとしての持久力が高くなる!
FXの専業トレーダーの資金のまとめ
ここからは私の偏った考えに基づく話ですが、専業投資家として生きている人は、稼いでいる人ほど変わっている人が多く、他人のことを極端に気にしない性格の人が多いように思えます。
専業トレーダーはまだまだ日本では社会的地位の低いために、心の強さというか独特な精神性が必要なのかもしれません。
私の場合も専業トレーダーでありながら、このようなサイトを運営して、少しでも安定的な収入になるものを探している状態です。「サラリーマンの方々の安定収入こそ、生活も精神も安定させられる何よりも大きな資産」であると感じる毎日です。
「専業トレーダーとして生活する」のと「サラリーマンとして生活する」のとで、どちらが幸せになれるかは、人それぞれといえます。今回の記事でご紹介した「専業トレーダーの実態」が、自分がより幸せな生き方を模索する際の参考になれば幸いです。