・ソーサートップとソーサーボトムの出現パターンを知りたい方
・エントリーポイントと利確&損切りの目安を知りたい方
本記事のテーマ
ソーサートップ・ソーサーボトムでトレンド転換を捉える方法
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届けします>
ソーサートップとソーサーボトムは見た目で分かりやすく、FX初心者の方でも活用しやすいチャートパターンです。
しかし、ソーサートップやソーサーボトムが現れるタイミングは様々です。なので、FX取引に活用するためには、その出現シーンやエントリーポイントのパターンを正確に押さえておく必要があります。
今回の記事では、ソーサートップ・ボトムの出現パターンに応じたトレード例について、チャートを用いながら解説します。
ソーサートップ・ソーサーボトムとは?
ソーサートップは上向きの円弧
ソーサートップ(Saucer Top)は、上向きの円を描くチャートパターンです。このパターン出現時は、相場エネルギーが徐々に消耗していき、下落への圧力が高まっていると判断できます。
上昇中に現れた場合は下降トレンドへの転換、下落中に現れた場合はトレンド継続のサインとして読み取れます。
カップの受け皿に見えるからソーサー!
ソーサーボトムは下向きの円弧
ソーサーボトム(Saucer Bottom)は、下向きの円を描くチャートパターンです。このパターン出現時は、相場のエネルギーが徐々に蓄えられている状況です。
下落中に現れた場合は上昇トレンドへの転換、上昇中に現れた場合はトレンド継続のサインと読み取れます。
ソーサートップは天井圏、ソーサーボトムは底値圏で、トレンド継続の節目として出現!
形成中の市場心理は?
MT4のチャートを見ながら、ソーサーボトムの市場心理を確認してみましょう。形成段階ごとの心理状況を解説していきます。
A:下降トレンドが弱まってきていますが、高値は切り下がっているでもう少し下落が続きそうと考えられます。売りポジションを持っているトレーダーはそろそろ利益確定を、新規のエントリー勢は買いのタイミングを考え始めます。
B:ゆるやかですが下落がスタートしています。上昇幅も徐々に大きくなっていることから、売りポジションを持っているトレーダーは利益確定を急ぎます。また、新規のエントリー勢は買いでエントリーし始めます。
C:売りポジションの利益確定に遅れたトレーダーの利益確定は買い圧力、ソーサートップ形成中に買いポジションを持った勢力の利益確定は売り圧力として働き、もみ合うことがあります。
ただし、新規の買いエントリーが入りやすいことから、ソーサーボトム形成後は本格的な上昇トレンドに入ることが多くなります。そのため、Cでもみ合った場合、買い勢力と売り勢力の攻防が決着ついてからエントリーしてもOKです。
大衆心理を推測する癖をつけよう!
上記はソーサーボトムの心理ですが、ソーサートップの場合は、買いと売り、上昇と下降を差し替えれば、同様の解釈が可能です。
他のチャートパターンとの違い
下降の可能性があるもの
ヘッドアンドショルダー・ダブルトップ・トリプルトップは、下降トレンドへの転換サインとして有名です。ソーサートップは下降トレンド中に現れることもありますが、他の3つはトレンド転換時のみに出現します。
形を見ると、ソーサートップはなめらかな弧を描いているように見えますが、ヘッドアンドショルダー・ダブルトップ・トリプルトップはジグザグしているのが分かります。
上昇の可能性があるもの
トリプルボトム・ヘッドアンドショルダー底・ダブルボトムは、上昇トレンドへの転換時に出現するチャートパターンです。ソーサーボトムとは出現するタイミングが異なり、これらのチャートパターンは上昇トレンド継続時には出現しません。
値動きに関していえば、ソーサーボトムはじわじわと下降から上昇に転換していくのに対して、3つのチャートパターンは大きく上下しながらトレンド転換していきます。大きな上下に戸惑い、エントリーの方向を間違ってしまうことも多いのがこれらのチャートパターンです。
トップは下降で、ボトムは上昇!
ソーサートップ・ソーサーボトムの派生系
カップウィズハンドルとフライパン
ソーサートップやソーサーボトムに取っ手がついているように見える場合、カップウィズハンドル(カップアンドハンドル)やフライパンと呼ばれます。
<カップウィズハンドル>
2つは似ていますが、カップウィズハンドルは取っ手の部分で一度大きく下落しているのが特徴です。
<フライパン>
一方で、フライパンは取っ手の部分が横ばいになっており、フライパンの柄のように見えるのが特徴です。
取っ手の部分は「プラットフォーム」とも呼ばれるよ!
ソーサートップ・ソーサーボトムのエントリー&決済ポイント
レンジっぽい場面で出現した場合
レンジっぽいソーサーボトムのエントリーポイント
レンジ相場は相場の方向感が失われて、売りと買いの力が拮抗している状況です。レンジ相場でソーサーボトムが見られた場合、徐々に買いの力を溜めているとイメージしましょう。
まずはソーサーボトムの高値に水平線を引いて、ネックラインを明確にします。
水平線は、レジスタンスやサポートとして機能する性質があります。チャートのようにローソク足が水平線をブレイクしたら、レジスタンスからサポートに転換します。ブレイク後、水平線でサポートされたことが確認できたらエントリーを行いましょう。
レジサポ転換を狙うトレードはスキャルの大定番!
レンジっぽいソーサーボトムのエントリーポイント【応用編】
ボトム内で売買を繰り返すことも、ソーサーボトム出現時の有効なトレード方法です。ソーサーボトムが確認できたら、最安値に水平線を引いて損切りラインを明確にしておきましょう。
次にソーサーボトムの形成中、短期的な反発を狙ってエントリーします。小さく下落する度にエントリーすることで利益を積み重ねられます。
損切りラインを決めやすい!
水平線の手前で出現した場合
水平線に出現したソーサーボトムのエントリーポイント①
あらかじめ引いておいた水平線でソーサーボトムが出現した場合、水平線間際でエントリーするのも有効なトレード手法です。
下のチャートでは水平線でソーサーボトムが出現しています。綺麗なソーサーボトムとはいえず、ところどころ急落していますが、水平線でしっかり反発していることが分かります。
この事実から、ソーサーボトムは水平線でしっかりサポートされることが確認できます。ソーサーボトム形成中の急落を狙って、買いエントリーを入れましょう。
底でエントリーすれば利益が増す!
水平線に出現したソーサーボトムのエントリーポイント②
次にソーサーボトム形成後のエントリーを考えてみましょう。ソーサーボトム形成中、高値を付けている箇所が確認できます。この高値は心理的節目となるので、水平線を引いておきましょう。
今回の場合、目立つ高値が2本あるので、それぞれに水平線を引いておきました。これらの水平線は、ソーサーボトム形成後にレジスタンスと機能します。後はレジサポ転換を狙って、水平線ブレイクでエントリーしましょう。
トリプルトップの頂点部分で出現した場合
トリプルトップに出現したソーサートップのエントリーポイント
トリプルトップでソーサートップが形成された場合、トリプルトップの右肩でエントリーすると精度の高いエントリーが可能です。
トリプルトップでは、左肩と右肩が同じ高さになることが多いので、右肩の形成を予測してエントリーしましょう。右肩でエントリーすることで、その後の下落幅分の利益を得られます。
トリプルトップに出現したソーサートップのエントリーポイント【応用編】
先ほどより長い時間足をチャートに表示してみました。今度はトリプルトップ形成後にエントリーする方法をご紹介します。
トリプルトップには、綺麗ではないもののネックラインを引けます。ネックラインを下抜けした瞬間、あるいは下抜け後の戻りを狙ってエントリーしましょう。
トレンドの押し目・戻り目に出現した場合
押し目・戻り目に出現したソーサートップ・ボトムのエントリーポイント
下のチャートでは、下落トレンドの戻り目にソーサートップが形成されていることが分かります。ソーサートップが形成され、トレンド方向に下落していることが確認できたらエントリーを行いましょう。下降トレンド中のソーサートップは下落継続のサインです。
反対に上昇トレンドの場合、ソーサーボトムが上昇継続のサインになります。
トレンドフォローの要領でエントリー!
ソーサートップ・ソーサーボトムの5つのポイント
5つのポイント
・出現場所がトレンドの終点とは限らない
・エントリーは行き先に抵抗線がない場面を選ぶ
・ソーサートップorボトムの連続は抵抗線がある可能性が高い
・決済ポイントはインジケーターと併用して決める
全ての抵抗線で出現する可能性がある
ソーサートップとソーサーボトムは、水平線・トレンドライン・移動平均線などのインジケーターにおいて、抵抗となる価格帯すべてで出現する可能性があります。
下のチャートでは、下落トレンドラインにソーサートップが出現しています。
重要なポイントにラインを引いたり、移動平均線や一目均衡表などメジャーなインジケーターを表示させたりして、抵抗線を明確にしておきましょう。
見つけたらすぐに線を引こう!
出現場所がトレンドの終点とは限らない
ソーサートップ・ボトムは、トレンドの終点や転換点のサインとして有名です。そのため、出現したらトレンドが終了すると早合点してしまう人がよくいます。
しかし、ソーサートップ・ボトムが出現しても、トレンド転換することなく、出現前のトレンドが継続するケースがよくあります。「ソーサートップ&ソーサーボトム=トレンド終了」と決めず、形成直後の値動きをじっくり観察することが大切です。
エントリーは行き先に抵抗線がない場面を選ぶ
エントリー後、抵抗線があると上手く利益を伸ばせません。エントリー後、抵抗線に差し掛かると再びソーサートップが形成されて、価格が戻ってきてしまうということがよくあるからです。
特にネックラインを目安にエントリーする場合、行先に抵抗線があると利益を出せないので、エントリーポイントから近い場所に抵抗線がないことを確かめておきましょう。
利益を伸ばせる局面なのか見極めてからエントリーしよう!
ソーサートップorボトムの連続は抵抗線がある可能性が高い
ソーサートップ・ボトムは、同じような価格帯に連続して出現することがあります。そのような時に考えられるのが、強力な抵抗帯が存在しているということです。
下のチャートのような強力な抵抗帯の場合、ソーサートップが天井となり反転する可能性が高いと考えられます。
この場合は、反転することを前提とした取引を行いましょう。反対に抵抗帯をブレイクしたら、ブレイク方向にトレンドが発生することが多くなるので損切りするなどの対処が必要です。
決済ポイントはインジケーターと併用して決める
ソーサートップ・ボトムはエントリーポイントの目安として有効ですが、決済ポイントまで明確にしてくれるものではありません。
特に形成後もポジションを持ち続ける場合は、インジケーターを利用して決済ポイントを明確にする必要があります。チャートでは、ソーサートップで売りエントリーした後、一目均衡表の雲を目安に利確しています。
反転ポイントを捉えて決済がコツ!
ソーサートップ・ソーサーボトムに早く気がつくコツ
水平線やトレンドライン付近には要注意する
ソーサートップ・ボトムは水平線やトレンドライン付近で出現しやすい性質があります。これらのラインでトレンドの勢いが徐々に弱まっていくようであれば、ソーサートップ・ボトム出現に備えることが大切です。
水平線やトレンドラインを引いておけば予測しやすいね!
ソーサートップ・ボトムにいち早く気づくことで、形成中にエントリーしやすくなり、トレードを有利に進められます。
ダマシを回避するおすすめの方法
利益を大きくしたいがために早めにエントリーしてしまうと、ダマシに遭ってしまう可能性が高くなります。特に抵抗帯として機能する水平線がないポイントでは、ソーサートップ・ボトムの形成が確認されてからエントリーした方が無難です。
また、ダマシを回避する方法として、インジケーターの使用をおすすめします。トレンド継続時に出現するソーサートップ・ボトムであれば、移動平均線などのトレンド系の指標がおすすめです。
反対にトレンド転換時には、RSIやMACDなどのオシレーター系指標でトレンドが転換するタイミングを掴みましょう。
ソーサートップ・ボトムだけで戦略を練るのはNG!
ソーサートップ・ソーサーボトムのまとめ
ソーサートップとソーサーボトムはトレンド転換時だけでなく、トレンド継続時にも発生します。自分がトレードする時間軸より長期のローソク足を見て、相場全体の流れを把握しておくことがとても重要です。
勝率やリターンを考慮して、エントリー戦略を考えるのが大事!
また、ソーサートップやソーサーボトム形成時だけでなく、形成後に行うエントリーも非常に有効です。トレンド相場やレンジ相場など、出現する相場状況によって投資の戦略も変わるので、今回ご紹介したエントリー例を参考に海外FX業者でトレードに挑戦してみてください。