・FXでのトレンドの反転を上手につかみたい方
・ヘッドアンドショルダー(三尊)を使ってスキャルで稼ぎたい方
本記事のテーマ
ヘッドアンドショルダー(三尊)で稼ぐFXスキャルピング
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
FXのスキャルピングでは「トレンド相場の終焉」は、絶好のエントリーチャンスです。その中でもヘッドアンドショルダー(三尊)は、明確なエントリーポイントが現れるため、スキャルピングでは見逃せません。
ヘッドアンドショルダーには、短期の時間足と組み合わせて分析精度を上げるなど、スキャルピング特有の使い方があります。
今回の記事では、ヘッドアンドショルダーの基礎知識とスキャルピングで狙う手順について解説していきます。
ヘッドアンドショルダー(三尊)とは
ヘッドアンドショルダー(三尊)は、FXのトレンドが終了する時に形成される重要なチャートパターンの1つで、天井圏と底値圏に出現します。ヘッドアンドショルダーが完成すると、それまでのトレンドは終了し、レンジまたはトレンド転換へとステージ移行します。
ヘッドアンドショルダーには「トレンド相場のみで出現して、時間をかけて形成される」という特徴があります。
ただし、ヘッドアンドショルダーが完成するまでに1分足チャートなら1時間程度が必要ですが、スキャルピングの場合はトレンドフォロー手法を伴うデイトレのように完成を待つ必要はありません。
三尊にはスキャル特有の狙い方がある!
ヘッドアンドショルダーズトップ(三尊)
ヘッドアンドショルダー(三尊)とは、3回の高値をつけた後で、上昇トレンドから下落(天井圏での反発)を始めるチャートの形を指します。
3つの山で形成され、中央の一番高い山のヘッドと左右の山のショルダーズが、人間の頭と両肩に見えることから名付けられています。
<ヘッド・アンド・ショルダーズトップ(三尊)>
ヘッドアンドショルダーが、上昇トレンド(天井圏)に形成される時は「ヘッドアンドショルダーズトップ」と呼ばれ、下降トレンド(底値圏)で形成される時は「ヘッドアンドショルダーズボトム」と呼ばれます。
2種類のヘッドアンドショルダー
下降トレンド(底値圏):ヘッドアンドショルダーズボトム
ヘッドアンドショルダーは「トリプルトップ(三尊天井)」とも呼ばれるぞ!
日本では仏像が脇侍を従えて3体並んでいるように見えるため「三尊(さんぞん)」とも呼ばれています。
ヘッドアンドショルダーには、値が止まる、または動き出す「ネックライン」が明確に現れるため、発見しやすいという特徴があります。そのため、ヘッドアンドショルダーの完成前でもエントリーに入りやすいといえるでしょう。
ネックラインとは?
ヘッドアンドショルダーが完成(ネックラインを突破)したからといい、確実にトレンドが終了する保証はないものの、ヘッドアンドショルダーが完成することで買い圧力が弱まることは確かです。
三尊は「上値をトライしたが売りに押し返された状態」ともいえる!
ネックラインで反発が起こる理由には、「サポートラインとレジスタンスライン」の存在が大きく関わります。
ヘッドアンドショルダーズボトム(逆三尊)
ヘッドアンドショルダーボトム(逆三尊)は、安値圏で形成されるチャートパターンで、ヘッドアンドショルダートップを逆にした形になります。
別名は「トリプルボトム」で、三尊が逆を向いているように見えるため「逆三尊」とも呼ばれます。
<ヘッド・アンド・ショルダーズボトム(逆三尊)>
三尊と逆三尊の違いは、天井圏で現れるか底値圏で現れるかです。しかし、ヘッドアンドショルダー(トップ&ボトム)が完成しても、必ずトレンドが逆転して、すぐに逆のトレンドが発生するわけではありません。
三尊と逆三尊が発生しても、必ずトレンド転換が起きるわけではない!
また、天井圏と底値圏のどちらの方がエントリーしやすい(反転が起こりやすい)ということもありません。その前後のチャート形状によって反転の強さも変わってくる、と考えておきましょう。
なお、より出現頻度の高い「ダブルトップ&ダブルボトム」の狙い方や注意点については、下記の記事をご覧ください。
ヘッドアンドショルダーの攻略法
ヘッドアンドショルダーの構成を把握する
ヘッドアンドショルダーは以下の3つの要素で成り立っています。
ヘッドアンドショルダーの構成要素
2. ショルダー
3. ネックライン
ただし、ヘッド・ショルダー・ネックラインの3つは、いつも教科書的なキレイな形になるわけではなく、さまざまな形があります。
また、複数のショルダーが形成されるショルダーズや、左右のショルダーが斜めになることもあります。そのため、キレイなヘッドアンドショルダーの形だけを意識するのではなく、さまざまな視点からネックラインを見つけることが重要です。
大きく反転した後でヘッドアンドショルダーの出現に気づいてもスキャルで利益は残せない…
最初のうちは何本もネックラインを引いてみて、機能するラインを見つける練習をすると良いでしょう。
また、トレンド相場では、ヘッドが出てチャートが戻った(反転した)段階で「ヘッドアンドショルダーができるかも?」と疑うことをおすすめします。
ヘッドアンドショルダーが形成されるのは、高値や安値を更新できない時です。何度か高安値トライすることもありますが、価格が更新できないとそれが右側のショルダーとなりネックラインを構成する可能性もあります。
「高値(安値)の更新は無理だな」という投資家のあきらめ(心理)がヘッドとショルダーを形成する!
ネックラインのブレイクを狙う
FXでヘッドアンドショルダーを狙う時にに最も重要なポイントは、ネックラインを見つけることです。
ヘッドアンドショルダーのネックラインは「障壁となる価格帯」という意味をもちます。さらに、ネックラインがスキャルピングに重要なポイントとなる一番の理由は、サポートラインになるからです。
上昇トレンドを例にすると、このネックラインでは「これ以上下げまい」というブル波とトレンドフォローの新規買い注文、それに対して利益確定による売りとトレンド転換を狙うベア波との攻防があるので、売買が急増します。
トレンドの天井圏には投資家のいろいろな思惑が交錯しているぞ
そのため、サポートラインの役目を果たすネックラインをブレイクした場合は、パワーを持った反転トレンドが形成されやすい傾向にあります。
ネックラインやサポートラインは多くの投資家が注目するポイントとなり、ブレイク時は勢いをもってレートが進むことが多くなります。
この場合、サポートラインでのダマシも発生するので注意が必要ですが、スキャルピングであれば、ダマシでチャートが戻る前に数〜10pips程度の利益を取ることも容易な場面となります。
ネックラインはできるだけ早く引く
ヘッドアンドショルダーが作るネックラインが、必ず水平のラインで構成されるわけではありません。相場は斜めに進むので、斜めのヘッドアンドショルダーが形成されるほうが多くなります。
そのため、チャートパターンで相場分析をする際は、水平のヘッドアンドショルダーだけではなく、斜めのヘッドアンドショルダーを引くことも意識しておきましょう。
ヘッドアンドショルダーの出現に、どれだけ早く気付けるかがスキャルピングの勝負の分かれ目!
斜めのヘッドアンドショルダーを引くポイントは、ヘッドが出ることを前提に(そろそろ天井かなと思ったら)早い段階でアウトラインを引くことです。
特に右肩上がりのネックラインの場合は、エントリーポイントが高い位置(ヘッドに近い位置)にくるので、ヘッドアンドショルダーの出現に早く気付くことが重要となります。
<右肩上がりのネックライン>
ヘッドアンドショルダーの完成が早い=
「売りのエントリーポイント」が早めに訪れる
→取れる値幅が大きい
右肩上がりのネックラインに反応するには少し経験が必要!
一方、右肩下がりのネックラインの場合は、トレンドの変化を感じやすくヘッドアンドショルダーを見つけやすい傾向がありますが、完成に時間がかかるので取れる値幅も狭くなりがちです。
<右肩下がりのネックライン>
ヘッドアンドショルダーの完成が遅い=
「売りのエントリーポイント」まで時間が掛かる
→取れる値幅が小さい
以上のように、ネックラインの傾きによって利益額が変わってくることを覚えておくと、利益確定のタイミングも自然とつかめてきます。
つまり、より早くネックラインを引き、ヘッドアンドショルダーの出現に気付くことが、利益額の上乗せに繋がるのです。
なお、ネックラインの引き方に関しては、下記の記事をご覧ください。
ヘッドアンドショルダーのエントリーポイント
ネックラインとショルダーラインを狙う
ヘッドアンドショルダーの一般的なエントリーポイントは、ネックラインのブレイクであると説明しました。しかし、スキャルピングの場合は、売買が交錯する「ブレイク前のネックライン」と「2つ目のショルダーライン」もエントリーポイントとなります。
ショルダーラインとは?
下のチャートのドル円1分足を例にすると、白丸の部分がスキャルピングでは利益を狙いやすいポイントとなります。
ヘッドアンドショルダー3つの狙い所
② 2個めのショルダー形成時
③ ネックラインをブレイク時
ヘッド(頭)の存在を確認後に、ネックラインを素早く引き、ネックラインでの反発を狙います。
次は、2つ目のショルダー(肩)部分での反転を確認した時点でエントリーし、3つ目のネックラインのブレイク時は強気の勝負に出るという流れとなります。
ここでも「ヘッドの確認後、素早くネックラインを引くこと」が重要!
ヘッドアンドショルダーをスキャルピングで狙うには、機能するラインを見つけることが重要です。機能するラインを見つけるポイントは、トレンドが発生しているときの「押し目」や「戻り」です。
ただし、押し目や戻りのポイントをラインの起点とすることで予想がしやすくなりますが、他の時間足でも俯瞰し、さらにエントリーの精度を上げることも忘れずにしましょう。
ネックラインを抜けた瞬間にエントリー
ネックラインをブレイクした瞬間、または抜けた次のローソク足でエントリーを行うことは、ヘッドアンドショルダーの代表的なエントリー方法です。
エントリーが成功すれば、確実にリターンを得ることができます。ただし、ダマシに遭うことが多いので、ネックラインをしっかりとブレイクしたことを確認してからエントリーを行うと良いでしょう。
視覚的に分かりやすいからFX初心者にもおすすめ!
ネックラインブレイク後の押し目(戻り目)でエントリー
ネックラインをブレイクした後、一度値戻りしたタイミングでエントリーする方法もあります。チャートのように、ネックラインを下抜けした場合、ネックラインがレジスタンスとして機能するようになります。
この方法を利用することで、ダマシを防ぎながら勝率をアップできます。ただし、強いファンダメンタルズ要因でトレンドが発生している場合、ブレイクした後に戻り目や押し目が訪れない場合もあるので注意が必要です。
確実性を重視するなら「押し目狙い」!
ヘッドアンドショルダー完成時にエントリー
ヘッドアンドショルダーの形成が確認した瞬間も、エントリータイミングの1つです。右肩付近が形成されたのを確認したら、ネックラインを抜ける前にエントリーを行いましょう。
この方法のメリットは、何とおってもリターンを大きくできるという点です。ただし、ネックラインを抜ける前は、しっかりとしたトレンドが発生していないため、勝てる確率やエントリー根拠に関しては他の手法と比べて落ちる点には注意しましょう。
リスクリワード比を高く設定できるのは大きなメリット!
ヘッドアンドショルダーの完成後の利益確定ポイント
ヘッドアンドショルダーが完成(ネックラインをブレイク)すると、ヘッドからネックラインまでの値幅の2倍の値動きが出ることが多くなります。ここが利益確定の目安となるポイントです。
FXスキャルピングでは「節目の手前」で確実に利益確定をしよう!
この値幅達成ポイントでも「ブル波とベア波の攻防」が生まれやすいので、上下動する前に素早く利確できることも技術の1つです。
「値幅達成ポイント」の把握は、スキャルピングのスキルとして重要なので、エントリーチャンスと合わせて覚えておきましょう。
長い時間をかけて形成されるヘッドアンドショルダーは、とても信頼度が高いチャートパターンです。なので、ヘッドアンドショルダーのポイントをマスターすれば、スキャルピングFXの精度をより高いものにできます。
狙うべき値幅が設定できていると躊躇なく利益確定ができるぞ
ヘッドアンドショルダーと損切り
ヘッドアンドショルダーは効果的なチャートパターンですが、いつも効果を発揮するとは限りません。時には素早く損切りすることも必要になります。
チャートで損切りポイントを確認してみましょう。ヘッドアンドショルダートップを目安にエントリーした場合、損切りポイントは、①右肩ラインと②ネックラインの2つです。
①右肩ラインの方が、損切りにかかりにくい一方で、リスクは大きく取ることになります。②ネックラインでは、損切りにかかりやすくなりますが、リスクは小さくて済みます。
どちらを損切りポイントに設定するか判断に迷うところですが、ネックラインに向かって勢いよく上昇した時は、そのまま上昇トレンドに転じることが多いので、②のネックラインで損切りを行った方が良いでしょう。
戻りの勢いを見て損切りポイントを決めよう
一方で、強い上昇でなければ、①の損切りポイントまで戻ることがあっても、戻り売り圧力によって再度下落する可能性が高くなります。
ヘッドアンドショルダーのダマシを回避するコツ
ネックラインの角度に注意する
ヘッドアンドショルダーでは、ネックラインの角度によってエントリーのしやすさが異なります。キレイなヘッドアンドショルダーは、ネックラインが水平、または水平に近いため、エントリーポイントが分かりやすく、多くのトレーダーがネックラインを目安にエントリーを仕掛けます。
誰も意識しないネックラインを見ても意味がない…
一方で、角度のついたネックラインは、エントリーの判断がトレーダーによって異なるため、素直な値動きは発生しにくいでしょう。勝率をアップさせるためには、キレイなネックラインが形成された時のみエントリーする工夫が必要です。
上位足のトレンド方向を意識する
上位足のトレンドと同じ方向にエントリーした方が、より優位性の高いトレードが可能です。上位足に逆らってトレードすると、ヘッドアンドショルダーを打ち消すような値動きに巻き込まれ、損失を抱えてしまう可能性が高くなります。
1分足や5分足チャートを見る場合は、1時間足や4時間足のトレンドを、15分チャートを見る場合は、日足チャートのトレンドを把握しておくことをおすすめします。
複数の時間足をチェックして分析することは、マルチタイムフレーム分析と呼ばれ、以下の記事で解説しているのでチェックしてみてください。
上位足のMACDのシグナル転換を確認する
上位足を利用する方法の1つが、MACDのシグナル転換が発生していないかを確認することです。ヘッドアンドショルダーを利用したエントリーは逆張りになるため、上位足でトレンド転換サインが出ていれば精度がアップします。
例えば、5分足チャートでヘッドアンドショルダーが出現した場合は、4時間足チャートのMACDでシグナル転換が発生していないかチェックしてみましょう。
1時間足や4時間足などの大きな時間足に注目する
ヘッドアンドショルダーはどの時間軸のチャートでも活用できますが、ダマシを回避しようする場合は、1時間足や4時間足など、大きな時間足でトレードすることをおすすめします。
この理由は、上位足になるほどチェックしているトレーダーが多いためです。上位足ではヘッドアンドショルダーの出現頻度は少なくなりますが、ダマシは回避しやすくなります。
ダマシを回避するために大衆心理を意識しよう!
パターンを形成時の支持抵抗の強さを確認する
基本的にヘッドアンドショルダートップは抵抗帯として、ヘッドアンドショルダーボトムは支持帯として機能します。抵抗帯や支持帯が強ければ強いほど、トレンド転換が起こりやすく、それを見越してポジションを保有すればトレードは有利に進むでしょう。
もしヘッドアンドショルダーが中長期的なチャートの節目で出現した場合は、そこは多くのトレーダーが意識するポイントになるため、トレンド転換の可能性が高くなります。
チャートパターンが発生した価格帯に水平線が引けるかチェックしよう!
以上が「ヘッドアンドショルダーでのダマシを回避する方法」です。その他にもFXで気を付けるべきダマシの種類や具体的な回避方法は下記の記事で紹介しています。
FXのヘッドアンドショルダーを活用したトレード手法 まとめ
ヘッドアンドショルダー(三尊)は銘柄に関わらず多くのトレーダーに意識されるチャートパターンで、上手く利用すればトレードを有利に進められます。
ただし、闇雲にヘッドアンドショルダーを利用しても、優位性の高いトレードはできません。今回の記事を参考に、どの時間軸をチェックするか、エントリーのタイミングはどうするか、利確/損切りポイントをどう設定するか、トレードを行いながら考えていきましょう。
実際に感覚を掴んでいくことが大切!
相場環境や水準に合った利用方法や自身に合った取引方法を見つけられれば、これまで以上にFXで利益を積み重ねやすくなるでしょう。