・グランビルの法則の買いと売りのサインを知りたい方
・グランビルの法則の「落とし穴」を知りたい方
本記事のテーマ
グランビルの法則とは<FX&スキャルでの活用>
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
グランビルの法則は、FXでチャートの値動きが予測できるテクニカル手法の1つです。他のテクニカル手法よりもサインの数が多いので、中上級者向けと考えられていますが、基礎をマスターすれば誰でも活用可能で有利にトレードを進められます。
今回は、グランビルの法則を正しく使えるように、売り買いのサインとエントリーポイントについて詳しく解説します。また、グランビルの法則と相性の良いテクニカル手法についても紹介しますので、参考にしてください。
FXのグランビルの法則とは?
8つのチャートパターンから成るグランビルの法則
グランビルの法則とは、ジョセフ・グランビル氏が考案したテクニカル手法です。
グランブルの法則の特徴には、200日の移動平均線とローソク足の関係性によって、8つのチャートパターン(エントリーポイント)が容易に見えてくることが挙げられます。
<グランビルの法則8つの基本パターン>
買いと売りのパターンが4つずつだね!
チャートパターンは多いですが、1つの移動平均線に対してのローソク足の動きだけでエントリーポイントを判断できるため、分かりやすいテクニカル手法といえます。
基本的には200日の移動平均線を使用することになっていますが、トレードスタイルによっては25~100日の移動平均線を使用した方が相性が良いこともあります。
そのため、200日の移動平均線だけでなく、日数を変更して8つチャートパターンを探すことも有効といえるでしょう。
FXのグランビルの法則における「4つの買いサイン」
<グランビルの法則4つの買いサイン>
買いサイン①:上抜けした
移動平均線が横ばい、または上向きになっている時に、ローソク足が移動平均線を上抜けした時はエントリーのサインとなります。
エントリーする前は移動平均線が下向きから横ばい、または上向きになっているかを必ず確認するようにしましょう。
買いサイン②:押し目をつけた
ローソク足が移動平均線を下抜けした後に、上方向に押し目(反発)をつけた時はエントリーのサインとなります。
移動平均線が上昇しているタイミングで、ローソク足が押し目を付けているかを必ず確認するようにしましょう。大きな時間足で取引している時は、見る時間足を小さくして押し目を確認することでより精度を高められます。
買いサイン③:移動平均線に対して反発
上昇中の移動平均線に対してローソク足が反発した時は、エントリーのサインとなります。
ローソク足が横ばい、または下方向に動いてるので、移動平均線を突き抜ける可能性もあります。なので、ローソク足が反発したことを必ず確認するようにしましょう。また、移動平均線に触れる直前でローソク足が上昇する場合もあることを覚えておきましょう。
買いサイン④:移動平均線から離れた後
ローソク足が移動平均線から大きく離れた後に戻り始めた時は、エントリーのサインです。
「乖離(かいり)幅の広さ」に決まりはないから、それまでの動きから相対的に判断しよう!
大きく離れたローソク足は、移動平均線に戻ろうとする性質があります。そのため、大きく離れた後に戻り始めたタイミングは絶好のチャンスであるといえます。
ただし、ローソク足自体は大きく下降しているので、少ないロット数でエントリーして様子を見ることをオススメします。
FXのグランビルの法則における「4つの売りサイン」
<グランビルの法則4つの売りパターン>
売りサイン①:下抜けした
移動平均線が横ばい、または下向きになっている時に、ローソク足が移動平均線を下抜けした時はエントリーのサインとなります。
エントリーする前に移動平均線が上向きから横ばい、または下向きになっているかを必ず確認するようにしましょう。
売りサイン②:戻り目をつけた
ローソク足が移動平均線を上抜けした後に、下方向に戻り目(反発)をつけた時はエントリーのサインとなります。
移動平均線が下降しているタイミングで、ローソク足が戻り目をつけているかを必ず確認するようにしましょう。大きな時間足で取引している時は、見る時間足を小さくして戻り目を確認することでより精度を高められます。
売りサイン③:移動平均線に対して反発
上昇中の移動平均線に対してローソク足が反発した時は、エントリーのサインとなります。
ローソク足が横ばい、または上方向に動いてるので、移動平均線を突き抜ける可能性もあります。ローソク足が反発したことを必ず確認するようにしましょう。また、移動平均線に触れる直前でローソク足が下降することもあるので覚えておきましょう。
売りサイン④:移動平均線から離れた後
ローソク足が移動平均線から大きく離れた後に戻り始めた時は、エントリーのサインです。
ローソク足が移動平均線に戻る性質を利用した手法なので、下降する可能性が高いといえるでしょう。ただし、ローソク足は大きく上昇しているため、少ないロット数でエントリーして様子を見ることをオススメします。
買いと売りではパターンが逆さまになるだけだから、4つの形を覚えれば応用可能だね!
FXのグランビルの法則の使い方
グランビルの法則の始まりを予測する「ダイバージェンス」
ダイバージェンスとは、ローソク足と移動平均線が逆行して推移している状態を指します。
ダイバージェンスの発生が意味することは、グランビルの法則の始まりです。
ここまで確認したように、グランビルの法則では、買いパターンと売りパターン、それぞれ4種類ありますが、ダイバージェンスの発生時には、その中の「④短期の買い」と「④短期の売り」が発生する可能性が高くなります。
下記のチャートでは、強気のダイバージェンスが発生した後、「④短期の買い」⇒「①新規の買い」の順番でエントリーポイントが訪れています。
<ダイバージェンスと組み合わせた時の例>
グランビルの法則はローソク足と移動平均線の関係によるものですが、ダイバージェンスを頭に入れておくことでトレンドの初動を予測しやすくなります。
また、「④短期の買い」が発生した後は、「①新規の買い」も発生しやすくなります。これらのポイントでエントリーすると大きな利益を確保できるため、ダイバージェンスの発生には注目してトレードを進めると良いでしょう。
ダイバージェンスを手がかりトレードしよう!
グランビルの法則をフォローする「ダウ理論」
「①新規の買い」や「①新規の売り」は大きなリターンを得られる一方で、ダマシが発生しやすいというデメリットもあります。ダマシを防いで精度を上げるための工夫の1つが、ダウ理論を使って厳密なエントリーポイントを決めることです。
買いの場合、ローソク足が移動平均線を上抜けした後、ダウ理論の「戻り高値」突破を確認してからエントリーを行います。トレンド発生が確実となってからエントリーを行うことで、ダマシを防げます。
ただし、エントリーのタイミングをワンテンポ遅らせると、獲得利益は小さくなってしまいます。なので、自信のある時は、ローソク足が移動平均線をブレイクしたことを確認した瞬間にエントリーすればOKです。
ブレイクの勢いが弱いなど、あまり自信のない時は、ダウ理論の考え方を用いてエントリーすることで、勝率をアップさせられます。
ダウ理論はエントリーに自信のない時に使うと効果的!
FXのグランビルの法則にオススメのインジケーター設定
移動平均線の期間設定とローソク足の時間軸
グランビルの法則では移動平均線を利用するため、MT4では「Moving Average」を選択します。ローソク足の時間軸はトレードスタイルによって異なりますが、おおよそは以下の通りに設定すると良いでしょう。
トレードスタイルごとのローソク足の時間軸
デイトレード:1時間+75MA
スイングトレード:日足+200MA
これらがオススメの設定期間である理由は、多くのトレーダーが使用している時間軸であり、大衆心理を意識しやすいからです。
ただし、設定期間やローソク足の組み合わせは絶対的なものではありません。設定を変えながら、自分に合った組み合わせを探してみましょう。
ちなみに、一般的には短期のほうが長期に比べると精度が下がる傾向があります。そのため、5分足チャートを使ってスキャルピングを行うトレーダーの方も、4時間足や日足をチェックして大きな流れを把握すると、エントリーのタイミングを掴みやすくなるでしょう。
まずは普段使っているローソク足で試してみよう!
FXのグランビル法則をスキャルピングで活用する方法
5分足チャートが最適
グランビルの法則をスキャルピングに活かす際には、5分足チャートを用いるのが最適です。
スキャルピングでは、1分足チャートを利用することもありますが、相場のノイズで騙されやすくなってしまいます。また、15分チャートではトレードチャンスが減ってしますし、そもそもスキャルピングにおいて、メインのチャートとして利用されることはほとんどありません。
5分足チャートがおすすめの理由
・15分足よりトレードチャンスが多い
5分足チャートはバランスが良い!
また、スキャルピングにような短期トレードでグランビルの法則を利用する際は、移動平均線に戻る時をエントリーポイントにすることで、大きな利益を確保できる可能性が高くなります。
<5分足でグランビルの法則を使用した時の例>
上記のチャートでは青色が買いでオレンジ色が売りです。ローソク足と移動平均線が大きく離れているので、エントリーポイントの見極めも容易に可能です。また、移動平均線へ戻る時間も掛からないため、短時間で取引を終わらせられます。
プライスアクションを利用する
一般的にスキャルピングは、ローソク足から得られる情報を非常に重視します。例えば、ローソク足のピンバーなど、プライスアクションを確認することも、精度をアップできる方法の1つです。
エントリーの根拠を増やしてダマシを防ごう!
下のチャートは、ドル円の5分足に20MAを表示させたものです。ピンバーが発生した後、下降トレンドから上昇トレンドに転換していることが確認できます。
ここまで紹介したように、移動平均線を上抜けしたところが、グランビルの法則における「①新規の買い」のエントリーポイントです。
しかし、リアルタイムのトレードでは、グランビルの法則通りに動くとは限りません。そこにピンバーというトレンド転換の根拠を加えることで、エントリーの根拠が強力なものになります。
FXのグランビルの法則を使う時の注意点
グランビルの法則だけでの取引を避ける
グランビルの法則はダマシが多いともいわれています。そのため、グランビルの法則だけではなく「移動平均線を2本にする」「他のテクニカル手法も併用する」などで、エントリーの根拠を正確に増やすことをオススメします。
グランビルの法則を使ったからといって勝てるわけじゃないんだね…
また、他のインジケーターと組み合わせることも効果的です。買われ過ぎや売られ過ぎの水準を把握できるオシレーター系の指標を使えば、「①新規の買い」や「①新規の売り」ポイントでエントリーする明確な根拠となります。
ただし、移動平均線は他のテクニカル手法と比較した場合、エントリーのタイミングが遅くなる傾向があります。
グランビルの法則だけでは他のトレーダーより一足遅い判断をすることになるので、特にスキャルピングのような短い時間で取引する場合は、インジケーターを使うなど、他の手法と組み合わせた方が大きな損失を出さずに済むといえるでしょう。
また、インジケーターだけでなく、これまで紹介したローソク足のピンバーなど、プライスアクションを確認することも、精度をアップできる方法の1つです。
エントリーの根拠を増やしてダマシを防ごう!
エントリールールを決めておく
グランビルの法則では、移動平均線とローソク足がどのくらい離れた時にエントリーすれば良いのか判断を行いにくい、という声が聞かれます。短期トレードの場合は、特にその傾向が強いようです。早すぎればチャートが逆行する可能性が高くなり、遅ければ大きな利益を得にくくなります。
短期でグランビルの法則を使う場合はリスクがある時も…
自信のある時のみエントリーすれば精度が高くなりますが、極端にリスクを減らしてトレードを行おうとすると、エントリーのチャンスを逃すことが多くなってしまいます。
リスクを減らしながらもある程度の利益獲得チャンスを逃さないようにするため、「数値的にどの程度離れた時にエントリーをするか」という自分なりのルールを作ることも有効です。
FXのグランビルの法則 まとめ
今回の記事では、グランビルの法則の8つのチャートパターンとオススメの活用方法について解説しました。トレード手法に関わらず、基礎をマスターすればさまざまな状況で応用可能なので、グランビルの法則はマスターしておいて損はないといえるでしょう。
グランビルの法則だけではエントリーの根拠として弱いと不安に感じる方は、他のテクニカル指標と併用して、有利にトレードを進められるテクニカル手法の幅を広げてみましょう。