・日本発世界最古の分析方法を知りたい方
・信頼性が高く応用の効く分析方法を知りたい方
本記事のテーマ
酒田五法はトレンドの強弱や相場の方向性を把握するのに最適!
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
酒田五法(さかたごほう)とは、ローソク足の組み合わせやチャートパターンによって、上昇や下降のタイミング、トレンド転換を見極める分析方法です。
プライスアクションなどのテクニカル分析と共通する部分もあるため、酒田五法をひと通りマスターすれば分析方法の幅が広がり、FXトレードを有利に進められます。
今回の記事では、チャート分析の王道と呼ばれる「酒田五法」の見方・使い方や、プライスアクションで応用する方法、具体的なトレード手法について詳しく解説します。
FXの酒田五法とは?
酒田五法とは、江戸時代の相場師・本間宗久氏によって考案されたテクニカル分析です。酒田五法という名称は、本間氏の出身地が現在の山形県酒田市だったことに由来します。
酒田五法は、ローソク足の組み合わせ・動きをもとに、上昇(あるいは下降)しやすいタイミングやトレンド転換を見極められるため、さまざまな相場環境で活用できる分析手法です。
酒田五法の基本となるパターンは下記の6種類です。まずはこの6種類から覚えていきましょう。
酒田五法の6つのパターン
三川:底値圏のチャートパターン
三空:株式や先物市場で活用
三兵:順張りのサイン
三法:短期的な停滞シグナル
三尊:ヘッドアンドショルダー
順張りにも逆張りにも対応可能!
【基礎編】FXの酒田五法の見方・使い方
三山(さんざん)は天井のローソク足を読む
三山は、高値圏で発生しやすい下降シグナルで、トリプルトップとも呼ばれます。
3回も高値を付けたにも関わらず、上昇しきれなかった場合に現れるチャートパターンで、上昇トレンドの勢いが弱まってきたこと(=トレンド転換)を意味します。
三山の反対は「逆三山」と呼び、これは売り圧力が弱まった後に上昇するパターンを示唆するものです。そのため、逆三山の場合は上昇トレンドへの転換を推測できます。
三山と逆三山のチャートパターン
逆三山:上昇トレンドへの転換を示唆
三山を活用したトレード手法
三山をトレードで活用する場合、まずは直近の安値付近にネックライン(※黄色の水平線)を引きます。ネックラインをローソク足が下抜けた場合は、売りでエントリーしましょう。
ネックラインはサポートラインとして機能しているため、下抜けるとストップロスによって急落する可能性があります。「三山のネックラインを下抜ける=下降シグナル」と覚えておきましょう。
逆三山を活用したトレード手方法
逆三山をトレードで活用する場合は、直近の高値付近にネックラインを引きます。ネックラインをローソク足が上抜けたら、買いでエントリーしましょう。
逆三山は、底値圏での揉み合い中に発生しやすいチャートパターンです。「逆三山のネックラインを上抜ける=上昇シグナル」と覚えておきましょう。
三山は流れに付いていく順張り
三川(さんせん)は底値圏のチャートパターン
三川は、大きな陽線と大きな陰線の間に、十字線(あるいは実体の短いローソク足)が現れるチャーパターンです。
三川の間にある十字線はコマ(極線)と呼ばれ、売り買いが拮抗していることを意味するため、トレンド転換のシグナルとして意識されます。
三川のチャートパターン
三川を活用したトレード手法
三川は、ローソク足の動きを重視する分析方法です。下降トレンド中に、大陰線→コマ(極線)→大陽線の順でローソク足が出現した場合、その後は上昇トレンドに転換する可能性が高まります。
コマ(極線)を確認した後に、大陽線が出現したら買いでエントリーしましょう。
三川が現れたらトレンド転換を意識!
三空(さんくう)は株式や先物市場で活用
三空は、トレンド中に空(窓)が同じ方向に3連続で出現するチャートパターンです。
基本的に、三空は株式市場・先物市場で意識される「逆張りのシグナル」です。FXは為替レートが安定していることもあり、三空は出現しにくい傾向にあります。
三空のチャートパターン
三空のチャートパターンはFXでは滅多に現れない
三空を活用したトレード手法
高値圏の「三空踏み上げ」は、陽線が隙間を開けながら連続して出現します。3つ目の空が現れた場合、その後は下落する可能性が高まるため、売りでエントリーしましょう。
安値圏の「三空叩き込み」は、陰線が隙間を開けながら連続して出現します。同様に、3つ目の空を確認してから買いでエントリーしましょう。
三空の踏み上げ・叩き込み
叩き込み:下降トレンド中に、空が3回現れる(底値圏のサイン)
三空が出たら逆張り!
三兵(さんぺい)は順張りのサイン
三兵は、陽線のローソク足が3本連続で出現し上昇する、あるいは陰線のローソク足が3本連続で出現し下落するチャーパターンです。
陽線が続くパターンは「赤三兵」と呼ばれ、買いシグナルになります。一方で、陰線が続くパターンは「黒三兵」と呼ばれ、売りシグナルとして意識されます。
三兵のチャートパターン
黒三兵:売りシグナル(3本連続の陰線)
三兵を活用したトレード手法
三兵が出現した場合、「4本目のローソク足を形成中」に順張りでエントリーする手法が基本です。
赤三兵は買いでエントリー、黒三兵は売りでエントリーします。相場の流れに付いていくことが重要なので、迅速にエントリーしましょう。
三兵の出現時はタイミングを逃さないように!
三法(さんほう)は短期的な停滞シグナル
相場には買い・売り・休みの3種類がありますが、三法は休み(停滞)を意味するチャートパターンです。ただし、小休止というだけで、基本的にトレンドは継続していると考えてください。
3連続の陰線(あるいは陽線)は、利益確定による停滞期間として意識され、大陽線(あるいは大陰線)の出現はトレンドの再開を示唆します。
三法のチャートパターン
下げ三法:3連続の陽線からの大陰線
三法は小休止から再びトレンドが動くサイン
三法を活用したトレード手法
基本的に、上げ三法は買いでエントリー、下げ三法は売りでエントリーします。上げ三法の場合は、大陽線が出現した後、すぐに買いでエントリーしましょう。
新規で買いエントリーするだけでなく、ピラミッディング手法のように「買い増し」するタイミングとしても適しています。
三尊(さんぞん)はヘッドアンドショルダー
三尊は、ヘッドアンドショルダーズトップとも呼ばれるチャートパターンです。ヘッドアンドショルダーは、FX初心者の方からプロのトレーダーの方まで活用する重要なパターンのひとつです。
三尊は、すでに紹介した「三山」と似ていますが、三尊は「2つ目の山がもっとも高い」という特徴があります。
2つ目の山でつけた高値を、3つ目の山が更新できなかったことで、「これ以上は高値更新できないのでは?」というトレーダー心理が働き、下落に転じる可能性が高まります。
三尊は下降シグナルだと覚えておこう
三尊の反対のチャートパターンとして、逆三尊(ヘッドアンドショルダーズボトム)もあります。
三尊は2つ目の山がもっとも高いので「W」の形になりますが、逆三尊は2つ目の山がもっとも低いので「M」の形になることが特徴です。
三尊のチャートパターン
逆三尊:上昇シグナル(2つ目の山が最安値)
三尊を活用したトレード手法
三尊をトレードで活用する場合、ネックラインが重要です。ネックラインは多くのトレーダーに意識される価格帯なので、下抜けた場合は買いポジションを持っているトレーダーは損切りを行います。
さらに、ネックラインの下抜けを確認した後に、新規で売りエントリーを仕掛けるトレーダーもいるため、大きく下落する可能性があります。
三尊をトレードで活用する場合、ネックラインを下抜けてから売りでエントリーするのが基本です。一方で、下落圧力が強い場合は、右側のショルダー形成中に仕掛け売りする方法もあります。
逆三尊を活用したトレード手法
逆三尊の場合は、直近の高値付近にネックラインを引きます。ネックラインを引くことでエントリーポイントが視覚的にわかりやすくなるため、多くのトレーダーに意識される価格帯になります。
基本的に、ネックラインを上抜けたら買いでエントリーします。一方で、長い下ヒゲがついたローソク足が出現しているなど、底打ちのシグナルがある場合は早めにエントリーしてもOKです。
【準備編】FXの酒田五法をプライスアクションに応用
三川(さんせん)は酒田五法の基礎
ここまで酒田五法の6つパターンを解説しましたが、なかでも「三川」は酒田五法の基礎パターンのひとつです。
ローソク足そのものの動きを利用した考え方であることから、三川は元祖プライスアクショントレード手法とも呼ばれます。
三川をマスターするメリットはとても大きい!
三川をマスターすると、欧米で人気の「プライスアクション手法」に応用できます。以下で紹介する「三川の形」を覚えながら相場観を養いましょう。
三川(さんせん)のローソク足の基本
星(十字線)
ローソク足の「星」は、その形状から十字線とも呼ばれます。注目すべきポイントは、十字線の1つ前に出現するローソク足の動きです。
大きな陽線の後に十字線が出現すれば、下落する可能性が高まります。反対に、大きな陰線の後に十字線が出現すると、上昇する可能性が高まります。
はらみ足
はらみ足は、大陽線の後に小陰線が出現し、なおかつ「小陰線の実体が大陽線の中に収まる」という特徴があります。
はらみ足が出現するとトレンドの転換が意識されますが、よく見られるチャートパターンなので「トレンドが転換する可能性がある」程度のシグナルとして参考にしましょう。
包み足
包み足は、「小陽線を包み込むように大陰線が出現する」、あるいは「小陰線を包み込むように大陽線が出現する」という特徴があります。
包足のチャートパターン
・小陰線→大陽線の順に出現(上昇シグナル)
反転シグナルの中でも信頼性が高い傾向にあるため、トレードで意識したいチャートパターンです。
かぶせ
かぶせは、大陽線の後に「陰線が大陽線にかぶさるように出現する」チャートパターンです。
はらみ足と似ていますが、かぶせの場合は「陰線の終値が1つ前の陽線の半値以下まで下がっている」という特徴があります。
相場の天井付近でかぶせが出現すると、下降トレンドへの転換が意識されます。大陽線を否定するように長めの陰線が出現するため、はらみ足より信頼性が高いトレンド転換のシグナルです。
たくり
たくりは、下ヒゲが長いローソク足のことで、底値圏で出現しやすいチャートパターンです。下降トレンドの終わりを示唆するシグナルとして意識されます。
下ヒゲが長いほど上昇トレンドに転換する可能性が高まるため、たくりが出現した後は買い注文が入りやすくなります。
三川(さんせん)で天井と底を予測する
宵の明星は下落のサイン
宵の明星は、大陽線の後に「上ヒゲのついた短いローソク足や十字線+大陰線が出現する」チャートパターンです。
宵の明星の「宵」は、夕暮れから夜の初めを意味し、相場が下落に転じることを表現しています。
十字線や上ヒゲが出現すると、トレンドの勢いが弱まる(売り買いが拮抗した状態である)と解釈でき、その状況でさらに陰線が出現すると、売り圧力が高まっていると判断できます。
明けの明星は上昇のサイン
明けの明星は、大陰線の後に「下ヒゲのついた短いローソク足や十字線+大陽線が出現する」チャートパターンです。
明けの明星の「明け」は、夜明けを意味し、下降トレンドから上昇に転じることを表現しています。
明けの明星は上昇シグナルとして意識されるため、大陽線の後は上昇トレンドが加速する可能性が高まります。
酒田五法の基本は日足
酒田五法は日足ベースで考案された分析方法なので、トレードで活用する場合は日足のチャートパターンを参考にするのが基本です。
まずは日足で酒田五法のパターンを探してみよう
一方で、1時間足・4時間足などの時間軸でも参考にできるため、スキャルピングやデイトレードなどのトレードスタイルに合わせて酒田五法を活用しましょう。
【実践編】FXの酒田五法で勝つためのトレード手法
前後のローソク足に注目する
酒田五法をトレードで活用する場合、チャートパターン前後のローソク足の動きが重要です。
以下のチャートを見ると、赤枠内に十字線がありますが、十字線の出現前は陰線が多く、十字線の出現後は陽線が多くなっていることがわかります。
十字線だけではエントリーの根拠として弱い傾向にあります。そのため、十字線の前に陰線が多く出現している状況で、十字線の後に陽線が出現した場合は、2本目の陽線で買いエントリーしましょう。
前後の流れを把握しておくことが大切
酒田五法のパターンが出現したら、前後の流れを見ながら慎重に売買の判断を行いましょう。
サポートラインやレジスタンスラインを引いておく
相場の天井付近にレジスタンスライン(水平線)を引くことで、酒田五法のチャートパターンと組み合わせてトレードに応用できます。
以下のチャートで注目すべきポイントは、赤枠内で出現した「陰線の包み足」です。
天井付近の包み足=強い下降シグナルであり、レジスタンスラインも下降シグナル(相場の頭打ち)として意識されるため、売り圧力が強いと判断できます。
一方で、底値付近にサポートラインを引く場合は、チャートパターンの「たくり」や「明けの明星」などのトレンド転換のシグナルと組み合わせましょう。
サポートライン・レジスタンスライン+酒田五法の組み合わせは、複数の根拠をもとにエントリーの判断ができるため、優位性の高いトレードになります。
インジケーターと組み合わせる
酒田五法とインジケーターを組み合わせることで、相場全体の流れを把握しやすくなります。
今回は、移動平均線との組み合わせ方を紹介するよ!
以下のチャート上で注目すべきポイントは、黄色の枠内で出現した陰線の包み足です。
相場全体の流れは、ローソク足の下側に中期の移動平均線(青い線)が位置していることから、包み足が出現したタイミングでは、緩やかな上昇トレンド中であると判断できます。
その後の流れを見ると、「包み足の出現+移動平均線のデッドクロス」によって急落していることがわかります。
陰線の包み足は強い下降シグナルですが、包み足だけを根拠にエントリーするとダマシに遭うこともあるため、移動平均線などのインジケーターと組み合わせて相場全体の流れを把握することが重要です。
普段利用しているインジケーターと組み合わせてみよう!
酒田五法のパターンは、一目均衡表・ボリンジャーバンド・MACDなど、さまざまなインジケーターと組み合わせられるため、エントリー根拠のひとつとしてトレードで活用しましょう。
【応用編】FXの酒田五法をTradingViewで探す
TradingView(トレーディングビュー)は、MT4・MT5より視覚的にわかりやすく、FX初心者でも使いやすいと評判のトレードツールです。
直感的に操作しやすいのがTradingViewの魅力
また、TradigViewには、三山・三尊などをチャートの中から探すツールが搭載されているため、酒田五法のパターンを見つけやすいことが大きなメリットです。
エリオット波動やハーモニックパターンなどの分析ツールも利用できるため、酒田五法+複数の分析ツールを組み合わせてトレードに応用できます。
FXの酒田五法 まとめ
酒田五法は、ローソク足の動きや組み合わせによるシンプルな分析方法です。トレンドの強弱や相場の方向性に関する情報が詰め込まれているため、FXトレードに活用しやすいといえます。そのため、FX初心者の方でも、海外FXの口座解説後すぐに酒田五法を自身のトレードに取り入れられます。
酒田五法は6つのパターンがあり、関連するローソク足の形状などを覚えるのに時間がかかりますが、普段のトレードで意識するだけで相場観を養うことができます。
実践のFXトレードで使っていこう!
酒田五法の基本を習得するところからスタートし、その後はローソク足の時間軸・組み合わせるインジケーターなどを試しながら、酒田五法の自分なりの活用方法を考案しましょう。