・ロンドン時間にすべきFX手法を知りたい方
・ロンドン時間の値動きに振り回されて勝てていない方
本記事のテーマ
ロンドン時間でのFXの稼ぎ方とスキャルの注意点
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
東京時間が終了したあと、為替相場が大きく動き出す時間帯がロンドン時間です。ヨーロッパが朝を迎えるロンドン時間では、新たに多くの投資家が参戦するため、ボラティリティが大きくなりやすいという特徴があります。
24時間のうち、ニューヨーク時間に次いで相場がよく動くと言われており、数分~数十分単位で売買を繰り返すスキャルピングでも、大きな利益を生み出すことが可能です。
今回はロンドン時間の特徴を押さえながら、ロンドン時間におけるスキャルピング戦略を考えていこうと思います。
ロンドン時間(ロンドンタイム)とは?
為替相場は平日であれば24時間オープンしていますが、世界の三大市場がオープンしているときは、東京時間、ロンドン時間、ニューヨーク時間というように呼ばれます。
ロンドン時間は、日本時間では午後5時~翌午前1時までです。この時間はサマータイムでは1時間時間帯が早まります。
ロンドン時間とは
・サマータイム(3月~11月):日本時間16時~24時まで
・冬時間(12月~4月):日本時間17時~午前1時まで
ロンドン時間の特徴
ロンドン時間の特徴はよくレートが動くことです。必ずしもトレンド相場になるわけではありませんが、レンジ相場であってもボラティリティが大きいため、どのような相場であってもスキャルピングではエントリー機会の多い時間帯となります。
では、ロンドン時間の特徴にはどんなことが挙げられるのでしょうか?
世界中の投資家が参加
ヨーロッパが朝を迎えるロンドン時間では、ロンドンにおける金融の中心地であるシティのヘッジファンドを中心に投機筋が活発に動き出します。
さらに、市場を活発化させる要因として、ヨーロッパ諸国や中東の市場とオープン時間が重なっていることが挙げられます。世界中の取引参加者が多いため、ロンドン時間はマーケットが活況を迎えるのです。
ロンドン時間で金融市場の「本番」が動き出すイメージ
ヨーロッパ関連の経済指標が大きく影響
ロンドン時間には、ヨーロッパに関する経済指標が多数発表されます。ユーロ圏の経済指標は、アメリカの経済指標の次に大きな影響を持つので、相場に大きな影響を与えます。
ロンドン時間に発表される重要な経済指標の中でもECBとROEの金融政策は要チェックです。
「ECBの政策金利」とは
ECBの政策発表に加えてECB総裁の発言も相場に影響するよ!
「ROEの政策金利」とは
ROEの政策金利は自国通貨のポンドに強く影響するから要チェック
ロンドンの金融機関は100億円単位の取引
ロンドン時間がオープンすると、為替相場が急に活性化することが珍しくありません。ヨーロッパ、中東、東アジアの個人投資家、機関投資家によって、一気に相場が動かされます。
プロの投機筋によって100億円単位を動かす取引が行われます。それに促されるように、ロンドンの金融機関、個人投資家も為替売買を活発化させます。
一度、東京時間の終了時から為替市場のチャートを見続けてください。ロンドン時間のオープン前からレートの動きが派手になることを実感できるはずです。
ロンドン時間が近づくと相場に緊張感が広がるよね!
東京時間の緩やかな値動きが一変する可能性
東京時間に緩やかな値動きをしていた場合でも、ロンドン時間直前から値動きが活発化することがあります。それまでの緩やかな値動きを打ち消すように、ボラティリティが高まります。
その典型的な動きが分かりやすく現れた某日のドル円のチャートを使って見てみましょう。
<東京時間とロンドン時間の値動きの例>
東京時間では緩やかなレンジ相場が続いていましたが、ロンドン時間が近づくと下落が始まり、下方向にレンジブレイクします。
東京時間の終盤(ロンドン時間前)は「実需の売買」や「金融筋の利益確定」なども重なるから値動きも激しくなる!
その後、方向感が定まらずに再び大幅に上昇するなど、ドル円相場は乱高下を見せます。そしてロンドン市場がスタートすると、相場は再び下落局面に突入することが確認できます。
東京時間の緩やかな値動きを一変させる可能性があるのが、ロンドン時間の特徴です。うまく変化についていくことができれば、スキャルピングで利益を上げることができるでしょう。
ただし、個人的にはロンドン時間はニューヨーク時間を前に不意な動きをする稼ぎづらい時間帯であると感じています。
ロンドン時間を攻略するためのFX手法
それではボラティリティが大きくなるロンドン時間を攻略するためには、どのような戦略をとればよいのでしょうか。
状況に応じてポジション保有を控える
ロンドン時間はボラティリティが大きく急な乱高下があるので、大きな損失を出してしまうリスクのある時間帯とも言えます。
ロンドン時間の開始時も注意が必要ですが、特に気を付けたい時間帯というのは指標発表時や要人の発言時です。特に前述したECB政策金利発表や総裁発言、ROE政策金利発表や総裁発言時には、予想しづらい値動きが発生することが多々あります。
ロンドン時間に入ると投資家心理がガラッと変わることも多いよね
また、金の価格が決定されるロンドンフィックスでは、世界規模で通貨や株式の大口取引が行われるため、相場が不安定になりやすいという特徴があります。ロンドンフィックスは日本時間の午前1時、サマータイム適用時は日本時間24時となります。
こうした時間帯には、それまで従って動いていたチャートの法則が当てはまらなくなり、テクニカルでの予想が難しくなることも珍しくありません。
そのため、トレンド発生前に新規ポジションを持つことはあまりお勧めできません。すでにポジションを持っている場合も、明確な方向感がない限りは、一旦ポジションを手仕舞いすることを考えましょう。
東京時間の値動き幅を基準にしてしまうとアッと言う間にロスカットされるから気持ちも切り替えよう
株価指数を参考にFXトレード
為替市場は株式市場と強く連動しています。株式市場が強気相場であれば、為替市場も強気相場になる傾向があります。
リスクオンとリスクオフ時に、各通貨ペアがどのように動くのか知っておけば、株価指数を参考にして為替相場の予想を行うことができるでしょう。
ヨーロッパの代表的な株価指数
・DAX30指数(ドイツ)
・ユーロストックス50指数(ユーロ圏)
ニューヨーク時間と重なる時間帯にトレードする場合、NYダウなどアメリカの株価指数も参考にするとよいでしょう。
株式市場の強弱と通貨ペアの値動きの関係性は絶対的なものではありませんが、ここ最近の特徴としては以下の表のようになります。
<最近の株式市場と通貨ペアの相関関係(傾向)>
株価指数 | ユーロドル | ユーロ円 | ドル円 | |
---|---|---|---|---|
リスクオン | 上昇 | 上昇 | 上昇 | 明確な相関なし |
リスクオフ | 下落 | 下落 | 下落 | 明確な相関なし |
その時々の株価指数と通貨変動の相関性をつかむことはとても大切!
ロンドン時間のスキャルピング戦略
ニューヨーク時間とは戦略が違う
ここまでお伝えした通り、ロンドン時間の特徴はボラティリティが大きいことです。この点ではニューヨーク時間と似ているのですが、ニューヨーク時間と同様に「トレンドフォローがお勧め」とはなりません。
NY時間はトレンド形成後にレートが伸びやすくトレンドフォローが有効
レートが乱高下することが多いロンドン時間では、トレンドフォローしたつもりが、高値掴みになってしまうことも少なくありません。
投資家ごとに好き嫌い(得意不得意)があるとは思いますが、私にとってロンドン時間はチャートが読みづらく、稼ぎづらい時間だと感じています。
ロンドン時間のスキャルは押し目&戻り狙い
私のロンドン時間の基本戦略は押し目や戻り目を狙ったスキャルピングです。
<スキャルピングで狙う場合>
この日、ユーロドルは上昇トレンドの最中にありました。印の箇所では、押し目が発生しており、このようなタイミングで買いエントリーすることで利益を重ねていきます。
結果だけを見れば下記のようにトレンドフォローであればもっと利益を出せることもありますが、ロンドン時間では深追いしないことが大事、ということが私の考えです。
<スキャルより長いスパンで狙う場合>
ロンドン時間では素直なトレンド相場になりづらいから難しい…
なお、ユーロドルの値動きの特徴や上記とは別のスキャル戦略を下記の記事で紹介しています。
まとめ
NY時間への助走として取引&監視
FXの主戦場はやはりニューヨーク時間です。ボタティリティが高いロンドン時間は稼げるチャンスは多いものコンスタントに利益を重ねるのは難しい時間帯だと私は考えます。
ただし、ロンドン時間は「スキャルピングの休憩時間」かと言えば違います。(上記で伝えた通り)ロンドン時間でも十分に稼ぐチャンスもあり、ロンドン時間の値動きはニューヨーク時間の大事な参考情報になります。
ロンドン時間で見えるその日の相場感
・トレンドの強さ
・株価指数との連動感
ニューヨーク時間でしっかりと稼ぐために、ロンドン時間でその日の相場の雰囲気をつかみましょう。
ロンドン時間の動向を知っているとNY時間のチャートが読みやすくなる
なお、ロンドン時間に限ったことではありませんが、少しでもリスクを小さくするためには、ストップ注文を入れることは必要不可欠です。
押し目や戻り目の近くにストップ注文を入れ、相場を読み間違えてトレンドが反転した場合でも損失を最小限にとどめて、本番のニューヨーク時間を迎えることが大切です。
なお、ニューヨーク時間のスキャルピング戦略が気になる方は下記の記事をご覧ください。