・ケルトナーチャネルの活用法を知りたい方
・ボリンジャーバンドと併用するツールを探している方
本記事のテーマ
ケルトナーチャネルを実戦トレードで活用する方法
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届けします>
ケルトナーチャネルは、3本のラインで構成されたトレンド系テクニカル指標です。視覚的に分かりやすくトレンドの発生を捉えられるので、トレンドフォローを狙う時に非常に役立つ指標です。
今回の記事では、ケルトナーチャネルの見方や使い方、おすすめのトレード手法、MT4/MT5での設定方法を解説します。
ケルトナーチャネルとは?
ケルトナーチャネルの3種類のライン
ケルトナーチャネル(Keltner Channel)は、中間線・上バンド・下バンドの3本の線で形成されていて、ローソク足の上抜けや下抜けを確認してトレンドを把握します。
中間線
中間線は、単純な移動平均線と異なり直近の価格をより重視したEMA(指数平滑移動平均線)です。
EMAは、SMA(単純移動平均線)により算出され、その後は指数を平滑化するための係数の計算「2/(期間の長さ+1)×100=加重係数」を行います。
中間線の計算式
上バンド
上バンドは、アッパーバンドとも呼ばれ、EMAとATR(値幅平均値)により算出されます。
「前日の高値-前日の終値」「当日の安値-前日の終値」「当日の高値-当日の安値」中で、最も大きい値がTRになり、特定期間のTRの移動平均値がATRになります。
上バンドの計算式
下バンド
下バンドは、ローワーバンドとも呼ばれ、20日EMAからATR(値幅平均値)を引いて算出されます。
下バンドの計算式
ちなみに、ケルトナーチャネルには様々な計算方法が存在し、バージョンによって若干異なります。ただし、基本は移動平均線と平均値幅値を利用しているので、大きな誤差はありません。
計算方法は何となく把握すればOK!
ケルトナーチャネルの見方と使い方
ケルトナーチャネルの3つの見方
・下バンドを下抜けで下降トレンド
・上下バンドが横ばいでレンジ相場
上バンドを上抜けで上昇トレンド
レンジ相場や下落相場の中、ローソク足がケルトナーチャネルの上バンドを上抜けすると、上昇トレンド開始と読み取れます。
強い上昇トレンドでは、ローソク足が上バンドの外側を推移しますが、多くの場合、下のチャートのようにローソク足が上バンドの内側に戻ってきます。
ローソク足がバンド内に戻ってきても、概ね中間ラインと高値ラインの間で推移していれば、上昇トレンド継続と判断してOKです。
また、上昇トレンド継続時には、3本のラインが上を向いているので覚えておきましょう。
下バンドを下抜けで下降トレンド
レンジ相場や上昇相場の中、ローソク足がケルトナーチャネルの下バンドを下抜けすると、下降トレンド開始と読み取れます。
上昇トレンドと同様、反発によってローソク足が中間線付近まで戻って来ることがありますが、ローソク足が中間線より下にあれば下降トレンドが継続していると判断できます。
チャートでも下バンドをブレイク後、長いヒゲをつけて一度反発を見せています。しかし、その後は中間線にタッチすることなく下落が続いているので、下降トレンドが継続していると判断できます。
反発に惑わされることなく、全体のトレンドを捉えよう!
下降トレンド継続時には、3本のラインが下を向いていることが確認できます。下降トレンド発生や継続の一連のパターンを覚えておきましょう。
上下バンドが横ばいでレンジ相場
ケルトナーチャネルのバンドがほぼ平行で推移している時は、レンジ相場であると判断できます。レンジ相場は値動きの方向感がなく、一定の価格帯を行き来するのが特徴です。
レンジ相場ではトレーダーが様子見を行っている状態なので、上か下にブレイクすれば、一気にトレンド相場に移行する可能性があります。
レンジ相場確認後は次のトレンドに備えよう!
レンジ相場は、相場全体の7割~8割といわれています。後ほどトレード手法でも紹介しますが、レンジ相場でのトレード手法をマスターすれば、収益のチャンスを大幅に増やせられます。
ケルトナーチャネルだけを使ったトレード手法3選
ケルトナーチャネル単体のトレード手法3選
・バンドブレイク後の押し目(戻り目)を狙う手法
・バンドを目安に逆張りする手法
バンドブレイク時にエントリーする手法
バンドブレイク時にエントリーする手法では、ケルトナーチャネルの上バンドや下バンドのブレイクを待ちます。
下のチャートでは、ケルトナーチャネルの下バンドを下方向にブレイクしていることが確認できます。下バンドブレイク後、ローソク足がバンド内に戻ってこないことから、非常に強いトレンドが発生していることが分かります。
ローソク足が下バンドをしっかりとブレイクしたことを確認してから、売りでエントリーを行いましょう。
エントリー後はポジションを持ち続け、利益を伸ばすことを心がけます。決済ポイントはトレンドがひと段落して、ローソク足が再びバンド内に戻った時がおすすめです。
バンドブレイク後の押し目(戻り目)を狙う手法
次もバンドブレイクを狙った手法ですが、先ほどとは異なり、ブレイクした後ひと呼吸おいてからエントリーを行います。
下のチャートでは、上バンドを上方向にブレイクした後、上昇トレンド発生が見られます。ブレイク時は様子を見て、バンド内に戻ってきたところで、押し目買いを行いましょう。
チャートでは、バンドブレイク後にローソク足がバンド内に戻ってきます。しかし、中間線でしっかり反発しているので、これを目安にエントリーを行います。ブレイク時にエントリーするよりも、ダマシを回避しやすく勝率をアップできるのがメリットです。
確実にトレンドを捉えたい人におすすめ!
ただし、ブレイク時にエントリーを行う場合よりも、獲得リターンは小さくなってしまいます。ファンダメンタルズ条件などを考慮して、明らかに強いトレンドが発生している場合は、ブレイク時にエントリーを行う方が有効です。
バンドを目安に逆張りする手法
次はレンジ相場でのFX取引手法です。方向感のないレンジ相場においては、価格が上バンドで反落、下バンドで反発する傾向が見られます。
その性質を利用して、上バンドで反落したら売りでエントリー、下バンドで反発したら買いでエントリーを行うことで、上手く利益を生み出せます。
ただし、バンドをブレイクすると、一気にトレンドが発生するので注意しましょう。損切り注文を入れるなど、想定外のトレンド発生への対処を考えておくのが有効です。
決済は、中間線や反対のバンドへの到達を目安に考えておきましょう。トレンド相場ほどの大きなリターンは得られませんが、レンジ相場の局面は非常に多いので、エントリーチャンスを増やせられます。
損切り注文は絶対に必要だね!
ケルトナーチャネルとボリンジャーバンドを組み合わせたトレード手法3選
ボリンジャーバンドと組み合わせた手法3選
・バンドの乖離を狙った逆張りトレード
・バンドの重なりを目安にレジサポ転換を狙う手法
エクスパンションを狙った順張りトレード
ボリンジャーバンドでエクスパンションが見られた際は、順張りトレードを考えます。エクスパンション発生後、ローソク足とケルトナーチャネルを見て、トレンド方向を確認しましょう。
ボリンジャーバンドでトレンド発生&ケルトナーチャネルでトレンド方向を確認!
下のチャートではエクスパンションが出現した時、ケルトナーチャネルは右上がりとなっています。ローソク足も陽線が続いていることから、上昇トレンド発生と判断できます。
上昇トレンド発生が確認できたら、買いでエントリーを行いましょう。決済ポイントに明確な目安はありませんが、エクスパンションの終了やケルトナーチャネルの中間線へのタッチなどを根拠に利益確定するのがおすすめです。
バンドの乖離を狙った逆張りトレード
ボリンジャーバンドとケルトナーチャネルの幅が開いたポイントは、短期的なトレンドが終了しやすい特徴があります。
下のチャートでは、ボリンジャーバンドの+2σとケルトナーチャネルの上バンドの乖離が大きくなっています。この事実から分かることは、トレンドが上昇から下落に転じようとしていることです。
バンドの乖離が大きくなった後、大陰線の出現などを確認して、売りエントリーを仕掛けましょう。エントリー後、下落の勢いが一段落したら決済を行います。
もちろん、乖離が大きくなった時でも、反転しない可能性はあります。価格が反転せずトレンドが継続すると大きな損失を出してしまうので、ストップ注文を入れるなどして対処しましょう。
バンドの重なりを目安にレジサポ転換を狙う手法
ボリンジャーバンドやケルトナーチャネルはサポートやレジスタンスとして機能しますが、より強力なサポートやレジスタンスとして機能するのは、これらが重なり合っているポイントです。
チャートでは、「ボリンジャーバンド+2σ×ケルトナーチャネル上バンド」に、「ボリンジャーバンド-2σ×ケルトナーチャネル下バンド」が重なっているポイントにチェックを入れています。
「ボリンジャーバンド+2σ×ケルトナーチャネル上バンド」はレジスタンスとして、「ボリンジャーバンド-2σ×ケルトナーチャネル下バンド」はサポートとして機能します。
サポートとして機能する「-2σ×下バンド」をローソク足が下抜けしたところで、売りでエントリーを行いましょう。
強力なサポートやレジスタンスほど、ブレイクするとトレンドが発生しやすい!
その後、サポートはレジスタンスとして機能する傾向があるので、一旦上昇しても戻り売りが入りやすくなります。売りポジションを保有したまま、利益を伸ばしましょう。
ケルトナーチャネルを使ったトレード手法の注意点
バンドブレイクの発生回数は少ない
トレード手法でご紹介したように、ケルトナーチャネルを使ったトレードでは、バンドブレイク時が大きなチャンスとなります。しかし、バンドブレイクが発生するタイミングは決して多くありません。
「数時間チャートに張り付いていたのに、バンドブレイクが一度も発生しなかった」ということもあります。バンドブレイクが発生しない時は、レンジ相場の逆張りにチャレンジするのがおすすめです。
時間を無駄にしないためにもトレードチャンスを増やそう!
トレンド相場に比べると、レンジ相場の獲得pipsは小さくなりがちですが、トレード回数を増やすことで利益を積み重ねられます。
ダマシが発生することもある
ケルトナーチャネルは、ダマシの発生回数が多いことで知られています。実戦FXトレードではバンドブレイク時のダマシが厄介です。
上バンドを上抜けてもすぐ反落し、バンド内に戻ってしまうこともあります。また、反対に下バンドを下抜けてもすぐ反発し、バンド内に戻ってしまうこともあります。
ダマシを回避するのに最も手っ取り早いのが、ブレイク時のエントリーを避けることです。ブレイク時のエントリーを避けて、ひと呼吸置いてからエントリーすることで、リスクを抑えて利益を得られます。
また、ボリンジャーバンドを併用することもダマし回避には有効です。特にボリンジャーバンドとケルトナーチャネルが乖離している時は反動で価格が戻ってきやすい性質があるので、この時は順張りトレードは避けるといった工夫もおすすめです。
ケルトナーチャネルのダウンロード&MT4/MT5の設定方法
ダウンロード方法
ケルトナーチャネルは、MT4/MT5に標準搭載されていません。そこで、MT4とは別のところからダウンロードする必要があります。
無料でケルトナーチャネルをダウンロードできるサイトがあるのでそちらから入手しましょう。①ダウンロードボタンをクリックしたら、②ブラウザ左下にファイルがダウンロードされます。
ファイルをクリックして、デスクトップなどに保管しておきましょう。
インストール&MT4/MT5に挿入方法
次にダウンロードしたファイルをMT4/MT5にインストールします。MT4/MT5を開いたら、「ファイル」⇒「データフォルダを開く」の順番にクリックしてください。
次に「MQL4」をダブルクリックします。
「Indicators」が表示されるので、ここに先ほどダウンロードしたケルトナーチャネルのファイルをペーストしてください。
この後、MT4/MT5を閉じて、再起動させます。次に①「挿入」⇒②「インジケータ」⇒③「カスタム」⇒④「Keltner」の順番にクリックすれば、ケルトナーチャネルが表示されます。
ここではMT4への設定方法を解説しましたが、MT5への設定方法も同じです。
MT4やMT5にインジケーターを設定する方法は必ず覚えておこう!
ケルトナーチャネルを使ったトレード手法のまとめ
ケルトナーチャネルは非常に使い勝手がよく、トレンド相場に限らずレンジ相場でも効果を発揮します。ただし、それぞれの相場の状況に応じてトレード手法が異なるので、相場に合ったトレード手法を身に付けることが重要です。
ダマシの発生を見極めるために、ボリンジャーバンドの併用もおすすめです。ボリンジャーバンドを併用することで、エントリーの根拠を複数持つことができ、精度をアップできるでしょう。
また、ボリンジャーバンドの併用には、トレードの幅を広げることができるというメリットもあります。ケルトナーチャネル単独では行いにくい大胆な逆張り手法も、ボリンジャーバンドを併用することで可能です。