・FXでの雲の見方や使い方を知りたい
・一目均衡表をスキャルピングFXで活用したい
本記事のテーマ
FXの雲だけで勝てるのか? 一目均衡表スキャルピング
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
一目均衡表(いちもくきんこうひょう)は日本人トレーダーに人気のテクニカル指標ですが、実際にチャートで見ると複数のライン(5本線)があり、ややこしいと感じる方もいるでしょう。
じつは、一目均衡表の全てのラインを使用しなくても、雲だけで勝つことができます。雲は視覚的に分かりやすく、FX初心者の方でも使いやすいことが特徴です。
今回は、一目均衡表の仕組み・使い方などの基礎知識から解説しつつ、雲の見方や狙い方、雲を使ったエントリー手法についてまとめて紹介します。
FXの雲とは
FXの雲とは、トレンド系テクニカル指標の「一目均衡表」を構成する要素の1つです。
雲はサポートライン(支持帯)・レジスタンスライン(抵抗帯)として機能するため、一目均衡表の中で多くのトレーダーが重視するポイントになります。
雲を見るだけで相場状況がわかるよ!
詳しくは後述しますが、雲で分析を行うときは「ローソク足との位置関係」が重要です。
雲より下にローソク足があるときは、雲はレジスタンスラインとして上値を抑えますが、ローソク足が雲より上にあるときは、サポートラインとして下値を支えるように働きます。
雲の性質を利用すれば、雲だけで重要なポイント(トレンドの方向性・転換点など)がわかる!
また、雲は視覚的にわかりやすいことも特徴の一つで、テクニカル分析に慣れていないFX初心者の方でも使いやすいインジケータです。
他のテクニカル分析と組み合わせる手法もあるため、詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
一目均衡表とは
日本人が考案したテクニカル指標
一目均衡表は、じつは日本人によって考案されたテクニカル指標です。
ペンネームの「一目山人」が一目均衡表の由来だよ!
一目均衡表は、分析対象として「時間」を重要視していることが特徴です。
そのため、「均衡が崩れたタイミングで相場は大きく動く」という考え方にもとづき、トレンドの流れを分析する手法になります。
一目均衡表の仕組み
一目均衡表は、5本のラインで構成されています。
一目均衡表を構成する5本のライン
・基準線(青色)
・遅行スパン(ピンク)
・先行スパン1(水色)
・先行スパン2(黄色)
5本のラインのうち、先行スパン1・先行スパン2に挟まれた領域(水色・黄色の価格帯)が雲と呼ばれ、一目均衡表を使いこなす上で重要なポイントです。
雲の特徴
・下降雲:先行スパン2が先行スパン1より上にある(黄色)
一目均衡表の使い方
一目均衡表で分析するときは、「転換線と基準線の位置関係」「遅行スパンとローソク足の位置関係」「ローソク足と雲の位置関係」の3点に注目します。
一目均衡表の使い方
・遅行スパンがローソク足よりも上にあれば強気相場(下にあれば弱気相場)
・ローソク足が雲より上にあれば強気相場(下にあれば弱気相場)
後述する「雲の見方・狙い方」なら、もっとシンプルに分析できる!
とくに、これらの位置関係が逆転したときは「トレンド転換」と判断できるため、絶好のエントリーポイントになります。
上記のチャートでは、3つのトレンド転換のシグナルを確認できます。
三役好転(買いシグナル)
②遅行スパンがローソクを上抜け
③ローソク足が雲を上抜け
3つのシグナルは、弱気相場から強気相場への転換を示唆するもので、すべて揃ったら買いでエントリーするのが基本です。
一方で、三役逆転の3つのシグナルが揃ったら、売りでエントリーを仕掛けるのが基本です。
三役逆転(売りシグナル)
②遅行スパンがローソク足を下抜け
③ローソク足が雲を下抜け
三役好転・三役逆転で綺麗にトレンド転換してる!
ただし、リアルタイムでトレードを行っていると、シグナルが点灯してもすぐに元のトレンドに戻ったり、レンジ相場に入ったりすることもあります。
とくに、短い時間足のチャートではこの傾向が強いため、三役好転・三役逆転のシグナルが出たからといって、相場の方向性を決めつけないことが大切です。
雲の見方と狙い方
雲とローソク足の位置関係
三役好転・三役逆転のシグナルは覚えることが多く、FX初心者には扱いづらい分析手法ですが、ローソク足と雲の位置関係を分析しただけでも「相場の流れ」がわかります。
雲とローソク足の見方
・雲の下にローソク足がある=下降相場
・雲の中にローソク足がある=レンジ相場
・雲をどちらかに抜ける=トレンド転換
雲だけで相場の方向性・抵抗の強さがわかる!
チャートを見ると、時間帯によって「雲とローソク足の位置関係」が移り変わっていることがわかります。なお、ローソク足だけを見る分析手法については、以下のページで詳しく解説しています。
雲の厚さ
一目均衡表を表示させると、雲の厚い部分・薄い部分・ほとんど雲のない部分など、さまざまであることがわかります。
雲の厚さは支持帯の強さ・抵抗帯の強さを表しており、雲が厚いほどサポートやレジスタンスが強く、雲が薄い場合はトレンド転換の可能性があります。
雲の厚さ
・雲が薄いほど、サポートやレジスタンスが弱い
見た目で分かりやすいので、チャートを見ながら感覚をつかんでいきましょう。
チャートを見ると、雲の厚い部分では強いトレンドが発生しており、強力なサポートとして機能していることが分かります。
雲をチャートに表示させると、パッと見た瞬間に判断できるね!
一方で、雲の薄い部分でサポートやレジスタンスの機能が弱く、ローソク足が雲を突き抜けたポイントが複数あります。
ただし、雲が薄くてもトレンドが強い場合もあります。これは、雲が先行スパンで構成されており、先行スパンは時間的に少し前のトレンドを表すためです。
相場の流れを把握しよう!
雲の厚みは絶対的な指針ではないため、相場の流れをざっくり見るときに活用しましょう。
雲の色とねじれ
上昇雲と下降雲の位置関係が変わることを、一般的に「ねじれ」と呼びます。下記のチャートでは、水色(上昇雲)と黄色(下降雲)があり、時間帯によって雲の色が変わっています。
また、上昇雲・下降雲が頻繁に変化することもあり、そのような場合は小幅なレンジ相場であると判断できます。
レンジ相場の雲は入れ替わりやすい!
上昇雲=上昇トレンド(下降雲=下降トレンド)と短絡的に判断しないことが大切です。
雲を使ったFXエントリー手法
売買シグナルを見つける
雲とローソク足の位置関係を見れば、売買シグナルがわかります。見るポイントは、ローソク足が雲をブレイクしたタイミングです。
雲の売買シグナル
・ローソク足が、雲を上から下に抜けたら売りシグナル
ローソク足が雲の下にあるときは下降トレンド、ローソク足が雲の上にあるときは上昇トレンドとされており、ローソク足が雲を抜けるとトレンド転換と判断できます。
チャートを見ると、①でローソク足が雲を下抜けしているため、新規で売りのエントリーを仕掛けるポイントになります。
その後、長い下降トレンドが続いた後、②のポイントでローソク足が雲を上抜けしています。
雲の売買シグナルはシンプルだね!
上昇トレンドへの転換シグナルなので、保有している売りポジションを決済するタイミングとなり、同時に新規の買いエントリーを仕掛けるポイントにもなります。
トレンド転換でエントリー&決済を行う場合、トレンドの初動から終盤まで捉えられるため、雲だけを見ている場合でも大きな利益につながります。
チャートの売りポジションでは、約100pipsの利益を獲得してるね!
押し目・戻り目を待つ
トレンドの途中で、押し目買い・戻り目売りを狙う手法もあります。
雲を使った手法の応用編だよ!
エントリーするときは、雲がサポートやレジスタンスとして機能する性質を利用します。
チャートでは、雲がローソク足の上にあるため、上昇トレンドと判断できます。ローソク足が雲と接近(接触)したポイントで押し目買いを行いましょう。
ローソク足が雲の中に入ったり、雲を抜けたりしたらトレンド転換の可能性がある!
押し目買いでエントリーしたポジションは、ローソク足が雲をしっかり下抜けするまでは持ち続け、含み益を大きくしていきましょう。
下降トレンドのときは、一時的に反発してローソク足が雲に接近もしくはぶつかったポイントで戻り売りを仕掛けます。
押し目・戻り目の使い方は同じ!
押し目買い・戻り目売りは、トレンドの途中でエントリーするため、比較的に成功しやすい手法として知られています。
ただし、エントリー後、雲付近でのサポートやレジスタンスが弱く、雲を抜けてしまうようであれば、すぐにポジションを決済して仕切り直しましょう。
雲のねじれに注意
FXトレードで安定的に利益を出すためには、値動きの方向感が分かりやすい局面だけでエントリーを行うことが重要です。
値動きの方向感が分かりやすい相場とは、雲に厚みがあり、雲とローソク足の位置関係がはっきりしている場面です。
上記のチャートのように、雲のねじれが頻繁に出現しているポイントは、相場の方向感がはっきりせず、エントリーの方向を決めるのが難しくなります。
雲はエントリーを見送る判断材料にもなる!
また、雲がねじれており、雲とローソク足の位置関係がはっきりしない場合は、予測通りにチャートが動いても利益を伸ばせず、まとまった利益になりにくい傾向です。
雲が頻繁にねじれている局面では、エントリーを見送るようにしましょう。
一目均衡表の設定方法(MT4)
一目均衡表を表示する場合
MT4の場合、「インジケータ」の一目均衡表を選択すれば自動的に雲が表示されます。
一目均衡表のラインすべてを表示させるか、雲だけを表示させるか、好みに合わせて表示方法を選択してください。
実際の画像で流れを解説するね!
MT4では一目均衡表が標準搭載されているので、特別な設定は不要です。一目均衡表はMT4では「Ichimoku Kinko Hyo」と表記されています。
MT4にログインしたら、①「挿入」⇒②「インジケータ」⇒③「トレンド」⇒④「Ichimoku Kinko Hyo」の順番にクリックします。
一目均衡表のポップアップ画面が表示されるので、パラメータや色の設定を行います。パラメータに関しては、MT4の初期設定のままでOKです。
一目均衡表の初期設定値
・基準線(26)
・先行スパンB(52)
一目均衡表で一般的に使用される数値で、為替レートに対する反応の仕方も程よいものです。初期設定値を変更するとシグナルが出やすくなったり、反対に出にくくなったりします。
色の設定は、MT4チャートの背景に合わせて自分の見やすいものを選択しましょう。
設定完了後に「OK」をクリックすると、一目均衡表の全てのラインがMT4に表示されます。
雲だけを表示する場合
一目均衡表の全てのラインではなく、雲だけを表示させることもできます。
雲だけを表示するには、先ほどと同じように一目均衡表を表示させて、転換線・基準線・遅行スパンの色を「None」に設定します。
すでに一目均衡表を表示させている場合は、①チャートを右クリック②「表示インディケータ」をクリックして、色の設定画面を表示します。
雲だけを表示させたチャートは、よりスッキリとした印象になるため、分かりやすさを重視する方は、雲だけを表示させても良いでしょう。
一方、雲だけでトレードする場合でも、遅行スパン・基準線・転換線もある程度は参考にしたい方は、一目均衡表のラインすべてを表示させてトレードで活用してください。
他にもインジケータには様々な種類があるため、詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。