・FXのキリ番(ダブルオー)の意味やメリットを知りたい方
・キリ番を活用した取引手法を知りたい方
本記事のテーマ
FXのキリ番はあらゆる市場参加者が意識するポイント
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
FXのキリ番は、ラウンドナンバー(round number)とも呼ばれ、端数のないキリの良い数字のことを指します。ドル円でいうと「135.00円」のように小数点以下の数字が0になっている数字です。
キリ番はエントリーや利益確定、損切りの目安として多くのトレーダーが意識するポイントなので、非常に重要な意味を持ちます。今回の記事では、キリ番のメリットや注意点、キリ番を上手に活用したトレード手法について解説します。
FXのキリ番(ダブルオー)とは?
ダブルゼロとトリプルゼロ
キリ番は「.00」のようにゼロが並ぶことから、ダブルゼロ(ダブルオー)とも呼ばれます。また、ゼロが2つ並ぶダブルゼロよりも、ゼロが3つ並ぶトリプルゼロの方がより強く意識されます。
理由は人の心理学的な性質によるもので、ゼロが3つの方がキリが良いと感じられるからです。ドル円の場合は135.00円よりも140.00円、ユーロドルの場合は1.0900ドルよりも1.1000ドルの方が意識されます。
135.00円がダブルゼロで、140.00円がトリプルゼロだ!
キリ番が心理的に意識される理由
FXでキリ番が意識される理由には、テクニカルな根拠よりも「キリが良い数字だから利確する」という心理的な影響が関係しています。
そのため、ダブルゼロよりもトリプルゼロの方が意識され、さらに100.00円や1.0000ドルなどの方がより一層強く意識されます。
また、キリ番は全時間足のチャートで、世界中のトレーダーが共通認識できる数字です。FXトレーダーによって、使用する時間足やチャート画面上に表示させるインジケーターやライン等は多種多様ですが、キリ番は違います。
キリ番はあらゆる市場参加者にとって共通の数字になるため、それだけ意識されやすいポイントになります。
キリ番は世界中の投資家が意識!
FXのキリ番の3つのメリット
FX初心者にも分かりやすい
キリ番は、価格が反発したり新たなトレンドが生まれたりするポイントになるため、FX初心者に分かりやすいトレードの判断材料になります。
FX初心者にとって、テクニカルやファンダメンタルズを駆使した相場分析は簡単なことではありません。キリ番はシンプルですが明確なトレードの節目となり、F非常に分かりやすい指標として機能します。
クロス円の通貨ペアでよく意識される
FXのキリ番は、クロス円の通貨ペアの方が、ドルストレート通貨よりも意識されやすい傾向があります。
例えば、豪ドル/円(AUDJPY)の値動きは、2022年から2023年にかけて1豪ドル=80.36円〜98.96円の間で推移しており、キリ番も分かりやすいです。
一方、ドルストレートの豪ドル/ドル(AUDUSD)は、1豪ドル=0.7661ドル〜0.6170ドルの間で推移しており、1豪ドルが1ドルを割っているので、キリ番が非常に分かりづらくなっています。
これはクロス円通貨ペアを取引することが多い日本のトレーダーには、大きなメリットといえるでしょう。
ドル円取引はキリ番に必ず注目しよう!
サポートラインorレジスタンスラインとして機能する
キリ番は、多くの市場参加者が半ば潜在的に意識するポイントなので、非常に強いサポートライン・レジスタンスラインとして機能しやすい傾向があります。
キリ番は利益確定・損切りポイントとして機能する他、分かりやすい売買の節目としてトレードに活かせるので、上手に利用することで優位性の高いトレードが可能です。
FXのキリ番を活用したトレード手法3選
FXのキリ番を活用したトレード手法3選
・ボリンジャーバンドとキリ番を使った逆張り
・キリ番ブレイクを狙ったスキャルピング
チャートパターンとキリ番の組み合わせトレード
キリ番と「ダブルトップ・ダブルボトム」「トリプルトップ・トリプルボトム」といったチャートパターンを組み合わせることで、より確実性の高いトレードが可能になります。
下のチャートは、豪ドル/円(AUDJPY)の4時間足です。上昇の流れが86.00円のキリ番で止められ、さらにトリプルトップが形成されて下落へとトレンド転換していることが分かります。
エントリーポイントはネックラインのブレイク、もしくはその戻りです。
シンプルにキリ番での逆張りも効果的ですが、チャートパターンの形成を待つことによって、より優位性が高いトレードが可能になります。
エントリーの根拠は必ず複数持とう!
キリ番と相性が良いチャートパターン
ボリンジャーバンドとキリ番を使った逆張り
ボリンジャーバンドの標準偏差の特性とキリ番を活かすこで、逆張りの精度が格段に上がります。
キリ番とボリンジャーバンド±2σおよび±3σが重なったポイントで逆張りを行います。
ここでもキリ番がサポートラインとして機能しているね!
ボリンジャーバンド各バンド内に価格が収まる確率は以下の通りです。
ボリンジャーバンドの特性
±3σの範囲に収まる確率:約99.7%
このボリンジャーバンドの特性と、キリ番という多くの市場参加者が意識するポイントを組み合わせることで、より確実性の高い逆張りが可能です。
キリ番ブレイクを狙ったスキャルピング
キリ番付近にはストップが多く置かれている場合があるため、サポートライン・レジスタンスラインとなります。ゆえに、一度ブレイクすると多くのストップを巻き込んで価格が大きく動く傾向があります。
そのため、相場の勢いが強い場合は、キリ番のブレイクアウトを狙ったスキャルピングもおすすめです。
下のチャートのようにキリ番を勢いよく突破した瞬間は、押し目・戻りを短期足で狙います。
短期足で狙う理由は、キリ番付近にストップが集中してるのと同じくらい、トレンド転換を狙った新規の注文も集中しているケースがあるからです。
サポートラインやレジスタンスラインになり得るキリ番は「水平線」の役割は重要になります。ブレイクと見せかけてダマシだったというケースもよくあるなので、水平線を意識して短期足で確実に利益を確定するトレードスタイルがおすすめです。
FXのキリ番の3つの注意点
安易な逆張りは厳禁
キリ番は価格が反発しやすいポイントですが、相場の流れを無視した逆張りは危険です。
偶然チャートを開いた際に、価格がちょうどキリ番付近に差し掛かっていると、逆張りでエントリーしたくなるかもしれません。しかし、あいまいな環境認識のもとのトレードは、場合によっては大きな損失を被ります。
例えキリ番だとしても、価格が全く反応せずにブレイクしてしまうことはよくあることです。キリ番での逆張りは、しっかりとした環境認識やトレードプラン前提で行うようにしましょう。
キリ番だからと逆張りするのはNG!
半値の方が意識される場合も
キリの良い数字という意味では、「半値」も多くの市場参加者によって意識されるポイントです。
ボラティリティが低い相場では、130.00円の次のキリ番として、131.00円や129.00円ではなく、130.50円や129.50円の方が意識される場合もあります。
スキャルピングなどの短期売買では、10pips単位の130.10円や130.20円といったところも意識されます。長期足では反応が分からなくても、1分足や5分足ではしっかり反応していることがあるので、短期売買を行う際には注意が必要になります。
小数第二位が「0」になる時は注意!
機関投資家のストップ狩りに注意
FXの市場参加者は、個人投資家だけではありません。大手金融機関やヘッジファンドなどの、いわゆる機関投資家も数多く参加しています。
機関投資家による個人投資家を狙ったキリ番付近のストップ狩りには、十分に注意しましょう。
ストップ狩りとは?
ストップ狩りとは、主に機関投資家が個人投資家の損切り注文(ストップロス)を意図的に成約させて利益を得る行為を指します。
もともとキリ番付近にストップが集中する傾向があるのに加えて、機関投資家はその高度な市場分析によって注文の集中度を把握できます。
ストップが集中した局面で、豊富な資金力によってレートを一時的に動かし、ストップロスを大量に引き出すわけです。
機関投資家と個人投資家では、資金力は比べ物になりません。個人投資家はストップ狩りに合わないために以下のような対策が必要になります。
機関投資家が行うストップ狩りへの対策
・ストップロス注文を全て同じ価格にせず、ポジションごとに複数に分ける
・リスクヘッジとして両建てを行う
キリ番での安易な逆張りも機関投資家からしてみれば、格好のストップ狩りの対象になるので注意しましょう。
キリ番を狙うだけではなく、キリ番を避けることも有効なトレード戦略!
FXのキリ番トレード手法のまとめ
キリ番は多くの市場参加者が意識するポイントで、FX初心者にも分かりやすいトレードの節目となるポイントです。
しかしその反面、キリ番でのトレードには注意も必要です。安易な逆張りはもちろん、機関投資家によるストップ狩りのリスクも考慮しなければなりません。
キリ番を上手にトレードに活かすためには、しっかり環境認識を行い、トレードプランに沿ったトレードを心掛けましょう。