・FXのトレード日記の付け方を知りたい方
・過去検証で押さえておくべきポイントを知りたい方
本記事のテーマ
毎日のトレード検証がスキル向上の一番の近道
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
FXをするなら、自身のトレードを冷静に振り返り、勝因や敗因を分析する「過去検証」は必ずやるべきです。専業トレーダーやプロトレーダーのほとんどは、その日のトレードを終えると過去検証を真剣に行い、再現性が高い勝ちトレードの分析やリスク管理に役立てています。
今回の記事では、実際の過去検証のやり方及びトレード日記の付け方を、FX初心者〜上級者のスキルごとにご紹介します。
FXの過去検証とは?
FXの過去検証とは、トレード(戦略立て・エントリー・決済)を振り返り、勝因や敗因を分析することです。
一見、難しいことに思えますが、初心者トレーダーの方でも過去の値動きを参考にしてトレードしている場合、広義的には相場の過去検証をしている、といえます。
過去検証の最も一般的な方法は、「トレードの記録を書いた日記を付ける」ことです。ここからは、具体的なトレード日記の付け方を解説します。
トレードの振り返りで、勝ち負けの要因を言語化しよう!
トレード日記の付け方
トレード日記を記録する時には、相場の状況や用いた手法などに加えて、その時の自分のトレードに対する心情も記録しておきましょう。
後から記録を見返した時に、相場の状況は思い出せるかもしれませんが、一時の感情までを再現するのは困難です。特に負けた時の心情は詳細に記録しておくと、自分の判断が感情的であったかなどを冷静に分析できます。
トレード日記は、普段の生活を記録する日記と同じく、最初から多くの情報を記載しようとすると記録自体が続かない可能性があります。少ない情報量から記録を始め、慣れてくれば徐々に情報を増やしていくのがおすすめです。
トレード日記に記録すべきこと
中級者:上記・チャートのスクショ画像
上級者:上記・手法・ファンダメンタルズ・メンタル
少しずつ書く内容を増やしていけばOK!
まずは「日時・通貨ペア・レバレッジ・勝敗・感想」を記録
トレード日記は、まず基本となる4つの情報(日時・通貨ペア・レバレッジ・勝敗・感想)を記録することから始めましょう。
日記の記録に時間をかけすぎる必要はありませんが、自分の心情をそのまま記録しておくためにもトレードが終わったらすぐに記録を心掛けるのが大切です。
また、記録をするうえで注意すべき点は、「勝ったトレードだけでなく、負けたトレードも含めて日記に記録すること」です。
トレード日記の記入例
通貨:ドル円(2回)・ユーロ円(1回)
レバレッジ:500倍
勝敗:ドル円(勝ち・勝ち)・ユーロ円(負け)
感想:ドル円はライントレードで、それぞれ10pips抜き。ユーロ円は三尊がちゃんと形成される前に焦ってエントリーしたのがマズかった。
負ける時やロスカットに遭う時は、大抵レバレッジ管理ができていない時なので、実効レバレッジも必ずメモするのがおすすめです。負けトレードの記録は気持ち良くありませんが、成長のために必要なプロセスなので、しっかり記録しておきましょう。
負けトレードの分析こそ重要な過去検証!
慣れてきたら「チャートのスクショ画像」を掲載
基本となる情報の記録に慣れたら、次は相場のチャート画像を一緒に記録するようにしましょう。
トレードごとに相場状況を記録しておくことで、自分が相場状況に対してどのようにアクションを起こしたかを正確に見返せます。
特に、テクニカル分析が有効に機能するかは相場状況によるところが大きいので、過去のチャート画像を参考に残しておけば、ポジションを持つ前にそのトレード手法の有効性を再確認できます。
<チャート画像のスクショ例>
余裕があれば、エントリーポイントと決済ポイントに目印をつけて、一目で分かるようにしておこう!
トレーダーとして成長し、自分がトレードに負けた要因を分析できるようになれば、同じ相場状況に出会った時に誤った判断を繰り返すのを防げます。
「手法・ファンダメンタルズ・メンタル」も記録
日記が続いてきたら、トレードに用いた手法・経済指標・自分の精神状態など、詳細な情報をトレード日記に記録していきます。
どのような根拠でトレードに挑んだのか、どんな気分で相場に向かっていたか、を記録しておくと、後から見返した時に勝因や敗因がストレートに分かりやすいので、できるだけ詳細に記録するのがポイントです。
トレード日記の主目的は「負けトレードを減らすこと」なので、敗因が技術面と精神面のどちらに(もしくは両方に)あったかを分析していくと、勝ちトレードへの道が開けます。
明確な過去検証を繰り返し、トレーダーとしての腕前をどんどん上げていきましょう。
仮眠を取った後は頭が冴えて瞬発力が上がる、など意外な発見が見つことも!
筆者のトレード日記一例
下記は、私が記録しているトレード日記の一例です。
例:2024年3月12日(火)の1回目のトレード
- 通貨ペア:ドル円
- エントリー時間足:1時間足
- エントリーレート:146.800
- ロット数:100,000
- レバレッジ:500倍
- エントリー:強い下落トレンドの後、安値が3回の反発を見せたことから相場が底値圏に達した可能性が高いと推測。さらに、SMAの短期線と中期線のゴールデンクロスが確認できたため、上昇トレンドへの転換が示唆される。
- 決済日時:2024年3月12日(火)15:18
- 実行レート:147.801
- 決済の理由:直前に長い上下ヒゲの陽線を確認し、上昇トレンドが一時的に伸び悩むと予測。100pipsの利益幅となるように指値注文を置き、同時間内に決済を実行。
- 損益幅:+100.1pis
- 損益額:+100,100円
このように、1回のトレードごとに記録を残しておくと、簡単に過去検証ができます。
日記を紙媒体で記録する場合は、過去のチャート画像を貼り付けるのが手間になるかもしれませんが、後から日記を見返した時に貴重な情報になるので、手間を惜しまないようにしましょう。
勝っても負けても必ず書こう!
FXの過去検証の無料おすすめツール3選
過去検証の方法は、紙媒体から電子管理までさmざまですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。個々の特徴を踏まえながら、おすすめのツールを順番にご紹介します。
【おすすめ】ノート
一番簡単にトレードの過去検証をできる方法が、ノートへの手書きの記録です。
ノートに手書きをする記録方法のメリットには、自由度の高さと見返しやすさがあります。イラストの記載や色分けなどがしやすく、後から簡単に追記もできるため、淡々とトレードの記録を書くのもチャート図を描くのもトレーダー次第です。
また、電子媒体だと過去の記録を探すのが手間になりがちですが、ノートなら付箋を貼ることで重要なポイントを見返しやすくなります。
トレード日記を付けた経験がなければ、手軽に始めやすいノートで少ない項目から始めて「とにかく毎回書く」ことを癖付けましょう。
チャートは手書きでもプリントアウトでもOKだよ!
ワードorエクセル
チャート画像の貼り付けやデータで統計を取りたいトレーダーなら、ワードやエクセルを使ってトレードを記録するのもおすすめです。
ワードやエクセルを使うと、チャート画像をスクリーンショットして貼り付けるだけで記録を簡単に視覚化できます。
また、手法ごとのトレード勝率や利益・損失額などの統計を取るのは、紙媒体だとかなり手間になりますが、エクセルを上手く活用すれば自動計算も可能です。
そのほか、トレードを重ねるに連れて検証回数が多くなっても、電子媒体なら保管場所を取らないこともメリットとして挙げられます。
数値や統計にこだわりたい人におすすめ!
財務データベースの併用もおすすめ
PCでトレード日記作成の環境を整えた方は、財務データベースの併用もおすすめです。
例えば、Finboardでは、米国株トレードには必須の米国上場企業の財務情報や株価データなどの情報に、直感的にアクセスできます。
財務データベースを活用すれば、企業の健全性や成長の可能性の評価、競合他社との比較がかんたんにできるので、より精度が高いファンダメンタルズ分析も可能です。
トレード日記作成と財務データベースの活用は相性が良いので、株トレーダーの方は検討してみましょう。
検証スマホアプリ
簡潔で手軽にトレードを記録するなら、検証スマホアプリの活用も一考の価値があります。
本格的な検証には不向きですが、無料~有料まで様々な検証アプリがあり、無料のアプリでも十分な情報の記録が可能です。
日記への記載やワード作成での記録が続かなかった人は、手軽に記録できるスマホアプリを一度試してみるのも有効です。
FXの過去検証を成功させる4つのポイント
過去検証は、単にトレードの記録を残すだけでなく、今後のトレードに活用しなければ意味を成しません。ここからは、FXで過去検証を成功させるためのポイントを紹介します。
過去検証の4つのポイント
・勝敗に関わらず必ず記録する
・手法と戦略を特に詳細に記録する
・体調やメンタルも記録する
手書きした方が記憶に残りやすい
一番のおすすめの過去検証方法であるノートへの記録には、手書きをした方が人の記憶に残りやすいという大きなメリットがあります。
手書きをすると、自分なりに内容を要約して書くために脳を使うので、単にパソコンやスマホで文字を打ち込むよりも記憶を定着させやすくなります。
実際、パソコンでの文字入力よりもノートへ手書きする方が脳を大きく働かせ、人の記憶に定着しやすいことがアメリカの大学で研究結果として判明されています。
メモを1つ取るにしてもペンを動かす方が記憶に残りやすいので、要点だけでも手書きする方が効率よく検証を進められます。
時間はかかるけど、日記のメリットを最大化できる!
勝敗に関わらず必ず記録する
過去検証では、負けたトレードも含めて、必ず全てのトレードを記録する必要があります。
負けトレードには敗因を分析する要素が必ず盛り込まれているので、トレーダーとして成長するためには自分の敗因を1つずつ潰していくのが非常に重要です。
トレードに負けた事実を含めて記録するのは精神的に苦痛かもしれませんが、負けトレードこそ自分が成長するための大きな土台です。過去検証は必ず負けトレードを含めて全てのトレードを記録しましょう。
また、勝ちトレードの場合、トレード後は慢心しやすく、心理的にも反省をしづらい状況ですが、「勝って兜の緒を締めよ」の格言のとおり、もっと上手くトレードをするにはどうするかを冷静に分析する向上心が大切です。
負けた時はその要因を詳しく分析しよう!
手法と戦略を特に詳細に記録する
トレードに用いた手法や戦略は、後から見返した時に分かりやすいよう詳細に記録しておきましょう。
過去検証は今後のトレードに役立てるのが目的であり、過去に使った手法や戦略が現在の相場に応用できるかは重要なポイントです。
用いた手法や戦略をできるだけ細かく記録しておくと、過去の経験を元に臨場感を持って現在の相場に向き合えるので、できるだけ詳細に記録しておきましょう。
詳細な記録は面倒に感じるかもしれませんが、手法や戦略を簡潔に記録すると、せっかくのチャンスが訪れても思い出せないことや上手く活用できないという事態になりかねません。
言葉で説明できない戦略は、感覚的なトレードで再現性を見込めないから注意!
体調やメンタルも記録する
記録の中に自分の体調や心理状況を記しておくと、相場と離れた部分に敗因があることに気付くきっかけにもなります。
FXで負ける原因が、テクニカル分析やファンダメンタルズとは別に、トレーダーの体調やメンタル面であることは珍しくありません。特に、焦りや高揚感などのメンタル的な要素はトレーダーの資金を奪う大きな要因です。
FXで結果を出し続けるには、相場に対して常に冷静に向き合うことが求められるので、体調やメンタル面もしっかりと記録し、「冷静な分析&トレードができていたか」を後から見返しましょう。
トレードの感想と一緒に体調やメンタルも一言添えよう!
【番外編】自動売買の過去検証のやり方
自分で記録を作成するほか、検証ソフトやツールを利用して過去検証をする方法もあります。
特に、EA(自動売買)を活用するなら利益が得られるかをバックテストしておくのは必須です。取り入れるEAが必ずしも有効とは限らないので、必ず事前に試しておきましょう。
検証ソフトやテスターを使用する
EAのバックテストを自力で行うのは情報量や作業量の面から難しいので、検証用のソフトやテスターを活用しましょう。
有効に活用できれば自分のトレード歴からだけでなく、広く相場の動き全体を分析できるので、トレーダーにとって大きな武器になります。
取引ツールであるMT4/MT5では、トレード条件を設定すれば無料でシミュレーション結果の反映が可能です。
取引する通貨ペアや使用する手法・時間軸などはできるだけ条件を絞り込み、精度の高い分析を勝ちトレードに繋げましょう。
FXの過去検証 まとめ
過去検証はトレードを振り返ることで取引の改善とトレーダーの成長を促してくれます。
特にFXは理屈で分かっていても感情に邪魔をされやすい性質があり、自分のトレードを後から冷静に振り返ることは非常に重要です。
一日のトレードが終わったら、日記付けを習慣化しよう!
今回は主な検証方法を紹介しましたが、トレーダーによって検証方法は様々であり、これという正解はありません。色々な方法を試しながら自分に合う検証方法を探し、成功するトレーダーに近づきましょう。