・ドテンの基本的な仕組みを知りたい
・ドテンのリスクを理解したい
・ドテンの正しい使い方を身につけたい
本記事のテーマ
ドテンの基本と往復ビンタを避ける方法を徹底解説
<スキャル歴12年の専業_億トレーダーがお届け>
FX取引において「ドテン」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。ドテンとは、保有しているポジションを決済して反対方向のポジションを持つ取引手法です。しかし、ドテンは往復ビンタ(連続した損失)を引き起こしやすいリスクも抱えています。
本記事では、ドテンの基本的な仕組みから往復ビンタになりやすい理由、そして安全な使い方まで詳しく解説します。正しい知識を身につけることで、リスクを最小限に抑えながらドテンを活用できるようになります。
FXのドテンとは?
ドテンを理解するために押さえておきたいポイントは、以下の2つです。
押さえておきたいポイント
・ドテン買いとドテン売りの違い
まずは、これらの基本知識について詳しく見ていきましょう。
ドテンの基本的な仕組み
ドテンとは、現在保有しているポジションを決済すると同時に、反対方向の新しいポジションを建てる取引手法のことです。漢字では「途転」と表記され、文字通りポジションの方向を転換することを意味しています。
ドテンの基本的な考え方は、相場の流れが変わったと判断した瞬間に、損失を最小限に抑えながら新しいトレンドに乗り換えることです。例えば、買いポジションを保有中に相場が下落トレンドに転換したと判断した場合、そのまま損失を拡大させるのではなく、買いポジションを決済して売りポジションに転換することで、新しいトレンドから利益を狙います。

ドテンは損失回避と利益獲得を同時に狙う手法!
この手法のよいところは「トレンド転換の早期発見と迅速な対応」にあります。相場の方向性が変わる瞬間を正確に捉えることができれば、損失を利益に転換できる可能性がある一方で、判断を誤ると両方向で損失を被る「往復ビンタ」になるリスクも抱えています。
ドテン買いとドテン売りの違い
ドテンには「ドテン買い」と「ドテン売り」の2つのパターンがあります。それぞれの特徴と使用場面を理解しておきましょう。
ドテン買いは、売りポジションから買いポジションへの転換を指します。これは相場が下落から上昇に転じると予想する際に使用されます。例えば、売りポジションを保有していたものの、重要な経済指標の発表により相場が反転上昇すると判断した場合、ドテン買いを実行することになります。



ドテン買いは下降トレンドから上昇トレンドへの転換点で使う!
一方、ドテン売りは買いポジションから売りポジションへの転換です。上昇していた相場が下落に転じると予想する際に使用します。どちらのパターンも、相場の転換点を正確に捉えることが成功の鍵となるため、十分な分析と経験が必要となります。
ドテンが往復ビンタになりやすい2つの理由
ドテンが往復ビンタを引き起こしやすい主な理由は、以下の2つです。
往復ビンタになりやすい理由
②感情的な判断で連続取引してしまう
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
①相場の方向性を見誤りやすい
ドテンで往復ビンタ(連続した損失)になりやすい最大の理由は、相場の方向性を正確に判断することの難しさにあります。FXの市場は24時間動き続けており、さまざまな要因が価格変動に影響を与えるため、転換点の予測は困難です。
誤判断のパターン
・ダマシに引っかかってしまう
・経済指標発表直後の急激な値動きに惑わされる
・テクニカル分析の知識不足による判断ミス
特に注意が必要なのが、強い上昇トレンド中に発生した小さな下落を見て、トレンドが転換したと判断してドテン売りを実行したものの、その後さらに上昇が続いてしまうパターンです。また、市場の「ダマシ」と呼ばれる現象にも注意しなければなりません。ダマシは、大口の投資家が意図的に相場を動かし、一般投資家の判断を惑わせる動きのことを指します。



一時的な押し目をトレンド転換と勘違いするのはFXあるある!
②感情的な判断で連続取引してしまう
往復ビンタのもうひとつの大きな原因が、感情的な判断による連続したドテン取引です。人間の心理として、損失が発生すると取り戻そうとする衝動が働きます。これは投資の世界では「リベンジトレード」と呼ばれ、多くのトレーダーが大きな損失を抱える要因です。
感情的になっている状態
・冷静さを失い、計画なしにエントリーし続ける
・「今度こそ相場が転換するはず」という希望的観測で取引する
・損切りができずにドテンで逃げようとする
このような状況では、客観的な分析ができなくなり、計画性のない取引を繰り返すことになってしまいます。さらに、損切りができない心理もドテンの連続使用につながり、本来であれば損失を確定すべき場面で甘い考えが判断を狂わせてしまいます。



感情的になったときこそ一旦取引を止める勇気が大切!
ドテンのメリット・デメリット
ドテンには明確なメリットとデメリットがあります。これらを正しく理解することで、適切な使い方ができるようになります。
ドテンのメリット
ドテンの最大のメリットは、相場の転換点を効率的に捉えられる可能性があることです。通常の取引では、ポジションを決済してから市場の動向を再度分析し、新たな方向性を判断してからエントリーするまでに時間がかかるでしょう。ただし、ドテンなら転換のタイミングを逃すことなく対応できます。
ドテンのメリット
・損失拡大を防ぎやすい
・取引の機会損失を減らせる
特に、急激な相場変動が発生した際には、ドテンの機動性が威力を発揮します。経済指標の発表や要人発言により相場が大きく動く場面では、素早いポジション転換が利益獲得につながることがあります。



スピードが勝負の相場変動時にはドテンの機動性が活躍する場面も!
ドテンのデメリット
一方で、ドテンには多くのデメリットも存在します。最大のデメリットは、先ほど解説した往復ビンタになるリスクの高さです。相場の方向性を見誤った場合、短時間で大きな損失を被る可能性があります。
ドテンのデメリット
・取引コスト(スプレッド)が増加する
・判断ミスによる損失拡大の可能性がある
・感情的な取引に陥りやすい
取引コストの増加も無視できない問題です。ドテンを行うたびにスプレッドが発生するため、頻繁に繰り返すと取引コストがかさみ、利益を圧迫する要因となります。また、ドテンの手軽さが裏目に出て、相場分析が不十分になりがちな点もデメリットといえるでしょう。



ドテンをするときは分析を怠ると痛い目にあうから注意!
ドテンで往復ビンタを回避する方法5選
往復ビンタを避ける方法は、以下の5つです。
往復ビンタを避けるドテンの使い方
・レンジ相場では使用を控える
・連続したドテンは避ける
・取引前に戦略を立てる
・失敗したときはすぐに損切りする
順番に詳しく見ていきましょう。
①明確な転換シグナルを確認する
往復ビンタを避けるためには、明確な転換シグナルの確認が不可欠です。1つの指標だけでなく、複数の要素が同じ方向を示している場合にのみドテンを検討することが重要です。
ドテン時に確認すべきこと
・サポート・レジスタンスライン
・ファンダメンタルズ要因
テクニカル分析では、移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロス、RSIの買われすぎ・売られすぎ水準からの転換、MACDのシグナル変化などを組み合わせて判断します。ファンダメンタルズ要因も重要な判断材料で、中央銀行の政策変更や重要な経済指標の大幅な予想外の結果などは、相場の流れを大きく変える可能性があります。



複数の根拠が揃ったときだけドテンを検討するのが鉄則!
②レンジ相場では使用を控える
相場の大きな流れにトレンドがなく、レンジ相場の場合はドテンの使用を控えたほうがよいでしょう。レンジ相場は明確な方向性がなく、サポートとレジスタンスの間で価格が行ったり来たりする状況です。
このような相場環境では転換シグナルが頻繁に発生しやすく、ダマシも多発する傾向があります。レンジ相場でドテンを繰り返すと、往復ビンタの典型的なパターンに陥ってしまう可能性が高まります。相場の大きな流れがトレンドを形成するまで待つか、レンジ取引に適したほかの手法を検討することが賢明です。
ただし、レンジ相場でも一定のレートで反転を繰り返している場合は、ドテンが有効になる場面もあります。基本的にはレンジ相場でのドテンは控えるべきですが、経験を積めば利益を効率よく得られる可能性もあります。



レンジ相場はダマシが多いからドテンは封印するのが無難!
③連続したドテンは避ける
一度ドテンを実行した後は、連続したドテンを避けるべきでしょう。ドテンに限らず連続の取引は感情的な判断になりやすく、分析が不十分になる傾向があります。また、取引コストがかさみ、損失が拡大する原因にもなります。
ドテンを実行したあとは、一度冷静になって相場を見直す時間を設けましょう。最低でも数時間、できれば一日は間隔を空けることで、客観的な判断を取り戻すことができます。



ドテン後は深呼吸して一度クールダウンすることが大切!
④取引前に戦略を立てる
ドテンで失敗しないためには、事前に取引戦略を立てておきましょう。取引戦略を立てることで、冷静な判断が可能になります。
戦略立案のポイント
・エントリーポイントの明確化
・損切りラインの設定
・利益確定ポイントの決定
・適切なポジションサイズの計算
まず、相場のトレンドを把握して取引シナリオを作成し、それぞれに対する対応策を決めておきます。エントリーポイントは具体的な価格で設定し、曖昧な基準は避けることが大切です。利益確定ポイントを決めておくのも重要で、欲張りすぎずに現実的な目標を設定することがドテン戦略のコツです。



計画なくしてドテンの成功なし!事前準備が勝敗を分ける!
⑤失敗したときはすぐに損切りする
ドテンが思惑と外れた場合は、すぐに損切りしましょう。損失の拡大を防ぎ、次のチャンスに備える資金を残すことで、長期的な成功につながります。
損切りの重要性
・次のチャンスに備える資金を残す
・感情的な取引を避ける
・冷静な分析力を維持する
事前に決めたルールに従って機械的に損切りを実行することが必要です。「もう少し待てば戻るかもしれない」という希望的観測は禁物で、これが往復ビンタへの第一歩となってしまいます。損切りは決して失敗ではなく、リスク管理の一環として捉えることが大切です。



損切りは失敗じゃなくて必要なコスト!
FXのドテンのよくある質問
ドテンは使わないほうがいい?
ドテンは決して悪い取引手法ではありませんが、デメリットも多く使用には十分な注意が必要です。特に以下の条件に当てはまる場合は、使用を控えることをおすすめします。
ドテンを控えるべき条件
・感情的になりやすい
・相場分析に自信がない
ただし、十分な取引経験があり冷静な判断やテクニカル分析ができる場合は、使用を検討してもよいでしょう。経験を積むまでは、より安全でシンプルな取引手法からはじめることをおすすめします。



初心者のうちはドテンよりも基本的な手法をマスターしよう!
往復ビンタになってしまったときの対処法は?
もしドテンをして往復ビンタになってしまった場合は、以下の対処法を実践してください。
対処法一覧
・取引戦略を根本から見直す
・損失を受け入れて次の機会を待つ
往復ビンタは多くのトレーダーが経験する失敗パターンです。感情的になりがちな状況なので、そのまま取引を続けるとさらに損失が拡大してしまう可能性があります。一旦相場から離れ、冷静になるまで取引しないようにしましょう。



PCやスマホを置いて一旦頭を冷やすのも大事な戦略!
まとめ
ドテンは効率よくトレンド転換を捉えられる可能性がある取引手法ですが、往復ビンタになりやすいリスクも抱えています。活用する場合は、明確な転換シグナルの確認などの相場分析や適切なリスク管理、メンタル管理が必要です。
経験が浅いうちは慎重に使用し、十分な知識と経験を積んでから本格的に活用することをおすすめします。正しい使い方をマスターすることで、ドテンは強力な武器となるでしょう。